テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「大変お待たせ致しました」
「ありがとうございます」
1人、カフェで過ごすなんて贅沢な時間だ。
甘くて香り高いロイヤルミルクティー。
子育てが始まったら、こんな優雅な時間はしばらくお預けなんだろうな。
「えっ! もしかして琴音ちゃん!?」
そう思った矢先、誰かに声をかけられた。
「あっ、莉奈さん! お久しぶりです」
目の前に、「AYAI」で一緒に働いていた先輩が立っている。あまりの偶然にとても驚いた。
「本当に久しぶりね。いつ海外から戻ったの?」
「つい最近なんです。やっと日本に戻ってこれました」
「そうなんだ。本当にびっくりしたわ。あっ、ここ座っていい?」
人懐っこい莉奈さん。
以前からとても話しやすくて楽しい人だったけれど、今も全然変わっていない。
「もちろんです。どうぞ座ってください。『AYAI』の皆さんはお元気ですか?」
綾井店長のこと、ずっと気になっていた。
元気でいてくれればいいのだけれど……
「みんな元気だよ。琴音ちゃんが辞めてから何人かメンバーが変わったけど、相変わらずみんな仲がいいし、楽しく仕事してる。そうだ、店長は『AYAI』の社長になったのよ。今、本社でバリバリ頑張ってるらしいわ」
「そうなんですか、すごいですね」
綾井店長……社長になったんだ。
だとしたらきっと、高い理想を掲げて頑張っているのだろう。
「でも、イケメンがいなくなってみんな寂しがってるわ。私も店長、狙ってたんだけどなぁ」
「莉奈さん、店長のこと好きだったんですか?」
「言ってなかったかしら? まあ、みんなが店長狙いだったもんね。琴音ちゃんは違ったけど」
「私は高校の時から好きな人がいたので」
「今の旦那様ね。素敵な旦那様でうらやましいわ。でも、綾井店長、あんなイケメンなのに、どうして結婚しないのかしらね? 相手はいくらでもいるはずなのに。このまま一生独身を貫くつもりなのかしら? そんなのもったいないわよね」