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ゆき.
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佐野:は、、なにしてんの、、、!?
驚きと呆れが混ざったような声が下から聞こえてくる。
視線を落とすと、思ったよりも高いことに気づいた。
吉田:…… 別に。
平然を装ってるけど正直後悔してる。
なんで登ったんだここ。
さっきまで普通に話してただけなのに。
気づいたらなんとなくここに登っている自分がいた。
1番怖いのは高いところが苦手な自分がなんとなくでここに登っていることだ。
佐野:降りろよ。
吉田:降りれるし。
即答。
したはいいけど。
足を動かした瞬間
吉田:うっ、、!?
無理。
思ったより、無理。
視界がぐらっと揺れて、すぐに動きを止める。
佐野:仁人?
吉田:…… へっ、平気だしっ、、!?泣
佐野:嘘つけ。
吉田:ほんと、、だもんっ、、!!
声が震えているのは自分でもわかってる。
でも、こんなの認めたくない。
認めたら負けも同然だ。
ただの、ただのちょっとした高さだし。
佐野:降りれる?
吉田:降りれる………降りれない、、
佐野:どっち、、
吉田:……… 。
少しの沈黙。
吉田:おっ、降りれないですっ、、
助けてくださぃ、っ!泣
佐野:ほらな…ってちょちょ!泣くな!!
なんで登ったのそんなとこ、、
吉田:知らないっ、!!!
大丈夫だと思ったんだもんっ、、!
本当に知らない。
ただなんとなく身体が動いただけ。
佐野:行くから動くなよ??
吉田:来るの…… 、?
佐野:こないと思った???
当然みたいに返される。
それだけで、少しだけ安心する。
悔しいけど。
近づいてくる足音
すぐ下まで来る気配。
佐野:ほら、手。
吉田:……ぅ、、
一瞬迷う。
でも、このまま落ちるよりはいい。
そっと手を伸ばす。
掴まれた瞬間、強く引かれる。
吉田:ちょっ!?ちょっ!!
バカっ!!まて、!ストップっ!泣
佐野:危ないって!大丈夫だからっ!!
そのまま抱き上げられる。
思ったより簡単に身体が浮いた。
佐野:は、軽。
吉田:うるさいっ、、
言い返す余裕はあるのに、気づけばしがみついていた。
ぎゅっと、強く。
離れるのが怖くて。
佐野:じんとー?
吉田:なに、、
佐野:降りるぞ。
吉田:……まだダメ、
佐野:は?
吉田:もうちょっとこのままっ、、
言った後にハッとする。
何?なんて言った今。
佐野:怖かったの?
吉田:怖くない、
佐野:じゃあなんで離れないのさ、笑
吉田:……っ、、
答えられない。
代わりに、少しだけしがみついている手の力を強めた。
吉田:落ちるかもしれないじゃんっ、
佐野:もう床ですけど?
吉田:じゃあ念のため、
佐野:理由雑すぎだろ、
笑われる。
離されたくないし、離したくもない。
そのまま、軽く支え直される。
俺が安心する形に。
佐野:ほんとさ、
吉田:なに。
佐野:猫だよな。
吉田:違う。
佐野:じゃあなんで自分で登って降りれないの。
吉田:…… 。
ぐうの音も出ない。
吉田:でも、来てくれたじゃん、
佐野:は?
吉田:助けに、
佐野:そりゃくるだろ。
当たり前みたいな声。
でも、その声でさっきまでの怖さが少し消える。
吉田:… ならいい。
佐野:なんだよ
吉田:なんでもないっ、
少しだけ顔を埋める。
バレないように。
でも、きっとバレてる。
佐野:降りますよ姫。
吉田:…… ん、、
そういいながら、結局手は最後まで離さなかった。
コメント
4件

やっぱ姫やったか
はやちゃんによると仁人さんは軽いらしいので、ぼくちゃんも持てますね。(謎理論)