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《水side》
彼を屋上に呼び出した
これから自分が彼に告白すると考えると、心臓が痛いほど鳴る
長年、想い続けていた彼に
きっと、この気持ちにも、これまでの『幼馴染』という関係にも、終止符を打つことになるだろう
さっきまでは、「早く来てほしい」、と思っていた
でも今は、呼び出したことを忘れていたらいいのにと、なんなら無視していてほしいとも思う
ガチャリ
異様に頭の中に響く、ドアの開く音
青:ほとけ、?
水:来てくれたんだ、
青:そらろうやろ笑
これを伝えることで
僕たちの関係が良くなることはないだろう
それでも、伝えなきゃいけない
何故か、そんな気がした
水:…
水:あの、ね…
青:うん
急かさずに待ってくれる
本当に優しい人だ、と感じる
同時に、やはり僕には釣り合うことのない人であるとも感じる
水:僕、いふくんのことが好きで…
必死に言葉を繋げる
でも、それも彼の大好きな声に消された
青:ごめん
青:俺好きな人おるんよね
分かっていた
分かっていても、こんなに辛いんだなって
いつも見ている、彼のきれいな顔
そのきれいな顔に浮かんだ、普段僕が見ることの無い申し訳なさそうな顔
涙をこらえながら、彼に向きなおる
水:ありがとうッ
自分の声が頭の中で響くように聞こえる
もう、幼なじみでもいられなくなっちゃうなって
溢れてくる涙を必死に堪える
きっと僕は今、ひどい顔になっているだろう
視界が真っ暗になる
ピピッピピピッ
規則的に鳴り続ける、目覚まし時計のアラーム音
水:夢、か…
視界が歪む
水︰夢の中でくらい、隣にいたかったな、ッ笑
重たい体を起き上がらせるのを諦め、天井を見上げる
ピーンポーン
水:誰だろ、
こんな時間に宅配さんは来ない
かと言って誰かと一緒に学校へ行く約束をしている訳でもない
母:ほとけー?いふくん来てるわよー?
水:え?
なんで、?
母:待たせてるんだからさっさと来なさいね?
母:あ、お母さんもう仕事行ってくるから!!
母:さっさと学校行くのよ?
小さく返事をしたが、恐らく母には聞こえていないだろう
もぞもぞとベッドから身を起こす
眠い目を必死に開けて、玄関へ向かう
いつもだったらこの寝起きの悪さにもたくさん寝れる、と感じれるのに
今だけは、こんな自分に自己嫌悪で吐きそうになる
きっと昨日、時計の時間がずれていたのに気づかなかったのだろう
過去に戻ることはできないのに、彼に迷惑をかけてしまったというだけで更にマイナスに考えてしまう
水:おはよ、
青:おは…はっ!?
水:え、?
彼の大声に少し驚いてしまった
青:なんやねんその恰好っ!?
水:今起きたもん、
パジャマでごめんなさいね、と呟く
青:そことちゃうやろ、
青:せめてちゃんとボタン留めとけ
水:あー、、
水:僕寝相悪いからさ
彼はため息をつく
違うことを言ってしまったのかな
青:俺以外の男の前でそんなことすんなよ
水:どういうこと?
彼はまた、大きくため息をつく
彼の口が開く前に被せて言った
水:まぁ別に僕の家に男子なんか来ないし
青:そういう問題とちゃうんよなぁ…
青:今日の俺みたいなことがあってみ?
まぁ気にしすぎか、と彼は呟いた
同時に、素っ頓狂な声を上げる
青:お前泣いとったんか…?
水:…っ
気にしてなかったな
夢が印象的で、泣いてたことさえ忘れてた
というか、言うほど泣いてないし
水:…まぁ寝起きだし?
水:あんま気にしないで良いんじゃない?
水:てかいふくんが気にする必要無いし
焦って突き放すような事を言ってしまい、また自分が嫌になる
青:んな訳ないやろ、
青:何かあったんやろ?
青:言ってや、それかそんなに俺って頼りない?
彼の持っている優しさに触れ、更に辛くなる
言える訳無いじゃん、
貴方に振られる夢を見ただなんて
きっとそれは現実なるだろう、だなんて
でも、これぐらいなら言えるかもしれない
水:まぁ、強いて言うなら失恋?笑
青:⋯
彼の驚いている様子が見て取れる
まぁそりゃそうだよね
僕誰にも言ったことないもん
貴方のことが好きだって
水:…学校遅れちゃうよ?
青:もうお前のお陰で遅刻や
水:え
彼はスマホの画面を見せてくれる
確かに、あと2分でホームルームの時間だった
水:なんかごめん
青:謝んなよ、俺が待ちたかっただけ
彼は軽く笑い飛ばす
なんでも無いことかのように。
約束をした覚えもないが、彼は誰もが知る優等生。
自分のせいで、と、罪悪感のみが募る
水:なんで待ってくれたの
青:なんでって言うか…
青:いつも俺を偶然のふりして待ってくれてるから?
知ってたんだ、と小さくつぶやくと
クスりと笑う彼に、彼なりの気遣いを感じる
勘の良い貴方は気づいているのかな
僕が今何を考えながら、笑っているのか
《青side》
しょにだに体育倉庫に呼び出された
ジメジメとしていて気分が悪い
青:どうしたん、呼び出して
白:いや、あんな?
白:まろちゃんって好きな人おる言うとったよな?
青:お前に言ったんとちゃうくてないこに言ったんやけどな
白:まぁまぁ♪
自分たちの話は聞かれたら怒るのに普通に人の話は聞いてる謎
女子あるあるなのだろうか
白:でさー?
白:うちまろちゃんの好きな人分かったかもって思って!
こいつ⋯
人の気も知らずに、
青:何が言いたいん
白:だって!!うちの恋愛センサーがビンビン反応してんねん!!!
白:美味しそうな予感しかせんねんな♪♪
青:何が言いたいねんほんまに
白:ズバリ!!
白:まろちゃんの好きな人はいむちゃんでしょう!!!
言い当てられては何も言えない
ぐうの音も出せず、黙りこくっていると
白:ふふん♪何も言わへんとこ見るとそーなんやろ〜?♪
舌打ちをしたくなる衝動を抑え、そう思われた原因を探す
ほとけに特別優しくしている訳では無い
なんならキツく当たってしまっている
その証拠が、普段からの喧嘩だ
青:なんでそう思ったん
白:え?うちの恋愛センサー
青:…チッ
白:ごめんなさいでも本当です
白:でな?
白:いついむちゃんに告白するん?
ほとけが、こいつほどに呑気だったらもうとっくに告白しているだろうに
まぁあいつがこんな奴だったら好きになっていたかは分からないが。
青:あのなぁ、ほとけからしてみ?
青:ずぅっと一緒におったやつから急に好きですとか言われてみ?
青:真っ先に思い付くのは嘘コクやろ
自分で言いつつそうなるだろうと思い、また気分が下がる
白:えぇッッ!?別に分からんやんッ?いむちゃんの純粋さ舐めんな!
青:純粋、ねぇ…
確かにそうなんだろうな、と思う
ほとけは、疑うことを知らない奴だから
青:あいつ去年、勉強を教えるときにも『いふくんの家で良いよ!』とか言うとったんよな
白:あー、それはアウトだわいむちゃん
白:ないちゃんとかやったら誤解して断ってそう
青:ないこめっちゃ巻き込まれとってウケる
2人で顔を見合わせ笑う
白:でもないちゃん絶対言うよな笑笑
青:怒られっぞ?笑
白:でもさー、うちの恋愛センサーによるとまろちゃんといむちゃんは両想いなんよ
青:そのセンサー壊れてんじゃね?
白:なわけたわけ
青:は??
白:ん????
青:はぁ、????
白:やから別に良いやんキスぐらい!
白:男なら当たって砕けろや!!!
青:だからお前なぁ、
不意に、近くから物音が聞こえた
2人して一瞬で黙る
青:誰かおった?
白:さぁ、?
急いで走る、とかだったらやり取りを聞いていたということになる
もし、誰かにさっきまでの会話を聞かれていたとし、ほとけに伝わったらと思うと、途端に恐ろしくなる。
もし、もう一度音が鳴るとそこに向かい、口止めしなければ。
が、その音は一度だけだった
青:⋯戻るか?ここ時計無いし
白:ま!恋愛相談ならうちに任せろやってことで!!
青:頼らんなんことにならんことを願うわ
白:え?うちのためにフラグ立ててくれたん?優し!?!
青:少なくともお前のためではないかもな
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長らくこのアカウント動かしてなくてごめんなさい((
言い訳をすると、ただただ設定したメールアドレスとパスワードが一致せずにしてました、
コンテスト作品となっておりますが、コンテストはもう終わってるので違います
続きは今1000字無いぐらいまでしか書けてなくて本当にいつ続き書くかはわかりませんw
あと一話で終わらせたい、!