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「彼女は力はとてつもない存在だ…!」
現れた黒い生物…
10月中旬
暑かった夏が過ぎ去った神無月の頃、少し涼しくなり、過ごしやすいような感じた。
「ごきげんようフレイム」
「アルダン!」
「あら?親愛なるお姉様には挨拶はないのかしら?」
「…ごきげんよう…ラモーヌ」
「いよいよ菊花賞ですね」
「あぁ、クラシック最後の栄冠をいただくさ!」
「ふふ、期待してるわフレイム」
「さてと、トレーニング…」
「うっ……」
フレイムを突然の耳鳴りが襲った。
気分が悪くなるくらいの耳鳴りだ!
(だ…誰だ!)
頭の中にとてつもない闇が襲っていた
(これって、ステンドグラス?!)
ステンドグラスは粉々に割れてしまった。
(テイオーのステンドグラスか?しかも割れた…!)
「…イムさん?!フレイムさん?!」
「…はっ!!」
「大丈夫?!」
「キタサン…大丈夫だ…ボケてたわ」
「もうすぐ菊花賞だから体調管理大事だよ!」
「そうだな、万全な体で挑まねぇとな!」
耳鳴りと同時に誰かのステンドグラスが割れてしまった。しかも薄らテイオーのステンドグラスが割れてしまった。
ステンドグラス…いわば目覚めの園。嫌な予感…
テイオーに何も無ければいいが…
栗東寮
寮内の雰囲気は変わらず、話し合ったりカードゲームをするウマ娘達がいた。
「ステンドグラスが割れた?!」
突然起きた出来事を同室のローズに話した。
「しかもテイオーさんのステンドグラス…」
「目覚めの園だから、可能性は無いと思うけど…」
「…フレイムさん深く考えすぎなのでは?そんな事は無いと思うわ!」
「…そうだよな、そんなわけねぇもんな!」
菊花賞に向けているせいか疲れているのかもしれない。今日は早く寝る事にしよう。
テイオー マヤ部屋
「うー…」
「テイオーちゃんどうしたの?」
「なんか頭が少し痛い…」
「えぇっ!大丈夫?!」
「…でも、明日には治るから心配いらないよ!!」
「そう?テイオーちゃんたまに無理するところあるからね!」
「大丈夫だって!治る治る!」
治ると言っていたが、本当に軽い頭痛なのか?
「今日はもう早く寝るね!おやすみ!」
「おやすみテイオーちゃん!!」
「……ここは?」
謎の空間…フレイムならすぐ分かるが、テイオーには分からない。
テイオーのステンドグラスにはしゃいでいる。
「君がトウカイテイオーかい?」
「…誰?」
「僕の事は教える事は出来ない…君の力を奪いに来た…」
「ボクの力…?」
力を奪いに来た?何を言っているのか分からないや。
「君は不屈の精神を持っている。その力が…欲しい…欲しい…欲しいぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
叫び声と同時にとてつもない闇がテイオーを襲った。
闇に飲まれたテイオー。その力を奪った黒のチリシィは巨大なハートレスに化けた。
気づけば朝だった。黒いチリシィがテイオーを襲った。闇が深い…救い出せそうもない…なんだよこれ!
「…フレイムさん?」
「…夢か…突然大声を出してすまない、怖い夢を見てな…」
「テイオーさんがどうかしたの?」
「テイオーが突然…」
「今の声!!」
突然の悲鳴に急いでかけて行くフレイムとローズ。その悲鳴に驚いたせいか、多くのウマ娘達も来ていた。
「マック!どうかし…えっ?!」
視線の先には、目を開けて気を失ったテイオーが倒れていた。
「…なんだよこれ…」
「私が声をかけても反応…しなくて…揺さぶってみたら…」
「皆は離れてて!近ずかないように!!」
寮長のフジキセキが注意を促し、俺は救急車を呼んだ。
あまりの出来事に動揺を隠しきれないウマ娘達。その衝撃はフレイムにも負荷が掛かった。
「テイオー…さん…」
「見ない方がいい…精神にも影響が出るから」
憧れでもあるテイオーの姿を見てしまったキタサン。ショックはあまりにも大きい…
「皆は心配しなくて大丈夫だから!テイオーなら大丈夫!!」
倒れた出来事は美浦寮にも伝え、ローマも驚きを隠せなかった。
フレイム達の教室
「おはよ…」
フレイムの教室はいつも賑やかのはずだが、今朝の出来事に驚いているウマ娘もいた。
「おはようフレイムさん」
「おはようグラン」
「フレイムさん、今朝は大丈夫だった?」
「驚きは隠せなかったよ…大事に至らなければいいけどな…」
やっぱり引っかかる。昨日の夢と今朝の出来事が繋がっているのか?有り得るのかそんな事…?
「けどなんであんな事になるかな…?」
「分からない…」
ステンドグラスが割れた…テイオーが倒れていた…だとすると…
(闇が襲い被っているのか…?だとしてもそんな非現実的な事あるのか?)
病院
チームスピカのメンバーは病院にいた。
「大丈夫かなテイオーさん…」
「心配だわ…」
人工呼吸器を付けたまま目を開けていない…
「トウカイテイオーさんなんですが…命に別状はありませんでした」
「本当に?!」
「ですが…私にも分からないのです」
「分からない?どうしてですか?」
「とてつもない何かを奪われてしまい…目を覚まさない症状が出ているのです」
「原因不明の病…ですか?」
原因不明の病…?一体何が…?
「原因不明の病?」
「そうなんです…テイオーさんがこのままだと昏睡状態が長くなりそうと仰ってました…」
「そうなの…」
(ローマさん?)
「このままテイオーが目覚めなかったら…」
「…きっと大丈夫だよマックイーン!テイオーなら絶対大丈夫だから!」
ああいう友達…今はいるけど…昔の俺はそんなにいなかったな…
心配はするだろうけど、明日は菊花賞。目の前に集中だ!!
フレイムは準備をして、トレーニングを行った。
無敗での三冠を…メジロのウマ娘として恥をかく訳にはいかねぇ!!
栗東寮
「ダイヤ、キタサンは大丈夫そう?」
「ちょっとずつ元気になってきているよ」
今朝の騒ぎの影響で、キタサンは休んでいた。大大大ファンがあのような姿を見てしまうとなると、精神にも及んでしまう。
「けど…なんであのようなことが起きたのかな…?」
「…俺昨日の夢で、テイオーが闇に襲われるのを見た…」
「…えっ?!」
「夢だからそういうことにはならないのかなって思ってたけど、今朝見たいに…」
「じゃあ…テイオーさんのステンドグラスは?」
「闇の力で襲われて、粉々に割れた…」
キングダムハーツシリーズにそういう似たシーンがあると思うが…本当にそうなるとは思わなかった…
「…救い出せるのは、俺だけかもな」
「どうやって…?」
「去年さ、俺のステンドグラスが闇に染まった時と同じやり方でいく」
やってる事はほぼ子供だが…可能性はあるかもしれない。
「明日の菊花賞、その力を最大限に引き出して、目覚めさせる…!!」
「フレイムさん…」
「…………」
「…!!」
ステンドグラス…目覚めの園にいた…
「チリシィ、テイオーが闇に襲われた!」
「知ってる!早く助けないと!!」
フレイムのステンドグラスから飛び出したチリシィだが…
「どうしたの?」
「…落ちないよね?」
「落ちないから!早く!」
凄い…本当に飛んでる!夢だからかもな。
暗い世界を飛び続ける2人。テイオーのステンドグラスを探した。
「ステンドグラスって割れたら現実世界でも目覚めることは無いのか?」
「…僕には分からないけど、現実世界に繋がってしまうんだ」
「俺…テイオーを救いたい!」
もちろん話は知っている。骨折しながらも有馬記念を勝利したあの瞬間は忘れなかった。ローマの有馬記念もそれとほとんど似たような瞬間でもあった。
しかも、キタサンの大ファン、絶対に救う!!
「…はっ!あれ!!」
「もの凄い闇が…」
1つのの場所に闇を感じる。ここなのかもしれない!
「行ってみよう!」
「うん!」
近づいたタイミングでハートレスが一気に襲いかかってきた!
キーブレードを振り回し、ハートレスを倒していくフレイム。夏合宿の時に使ったアルテマウェポンを使い、ハートレスを次々に倒していく。
(強い!アルテマウェポン凄い!)
最強キーブレードのアルテマウェポンの強さに驚いた。
「…これで全て倒したのか?」
「いや…まだだよ」
視線の先に誰かいる。近寄って見ると…
トウカイテイオーだった。しかし普段の姿ではない。
「終わった…?」
「無敗の三冠をユリノとローマが取って、先を越されたんだ…!」
「…違う!あの2人は強いけど、テイオーもそれなりに強いんだ!」
「何が強いの?ローマが僕のことを大差で勝って、悔しかったんだよ!!ならいっそうローマを…」
「それは違う!ローマさんに危害を加えるな!俺がテイオーを助ける!!!!」
テイオーがキーブレードを出し、回転しながらフレイムの方に投げた。
「…くっ!!」
(キーブレードを使いこなしている…誰かに操られているんだ!)
テイオーの攻撃を交わし、連続攻撃を与えた!
アルテマウェポンの最大の力を発揮し、あの時初めて戦った時のような動きではなかった。無駄のない動きが一切無い。
(凄い…キーブレードを使いこなしている!)
影から見ていたチリシィもフレイムのキーブレードの扱いに驚いていた。
「あと少しだ!これで決めてやる!!」
テイオーも連続攻撃を始めた。しかし…
「何?!」
全てブロックした。フレイムの頭脳は凄い…!
「…そんな事言うなんてテイオーじゃない!!」
「ボクは本当に終わったんだよ!」
「…フレイム…さん?」
「…ローズ?」
「だいぶ苦しそうだったけど…?」
「…そうだったのか?」
起きる前まで、テイオーと誰か話していた。青髪で小柄なウマ娘と。
「フレイムさん、今日は菊花賞だから体調管理してますの?」
「ちゃんと管理してる、絶対菊花賞勝つから!!」
京都競馬場
朝から人だかりが多く出来ていた。もちろんフレイムの三冠目当てだろう。
控え室
「…よし!」
「フレイム、入ってもいい?」
「いいですよ」
暗い顔で控え室に入ったローマ。まだテイオーの事が気になっている。
「…昨日の出来事、まだ気にしてます?」
「…うん、まだ目覚めてないんだって」
「そうですか…このレース、最大限に発揮出来るように頑張ります!元気づけるような走りをするので!」
「…ありがとうフレイム!なんかカッコイイね!」
「クラシック三冠の最後の一冠、菊花賞!!メジロフレイムが史上4人目の無敗の三冠を達成するのか?!はたまた阻止するのか?!
そして、今回もゲストが来てくださっています!ここ菊花賞を制し、テイエムオペラオーとアドマイヤベガを下したナリタトップロードさんです!!」
ナリタトップロード
菊花賞を制したウマ娘。テイエムオペラオーやアドマイヤベガとの対戦経験もある。今年4月のアニメ配信では主人公を務めた。
「ナリタトップロードです!よろしくお願いします!!」
「…ふぅ」
無敗の三冠がかかったレース、その他のライバルもフレイムを倒そうとしている。
皐月賞、ダービーと戦ったライバルや、違う路線で来たライバルも多くいる。
(今回ばかりは誰にも栄冠を渡す訳には行かないんだ…!希望と光を…誰かに届いて欲しい!!)
「さぁ各ウマ娘続々とゲートインしています。最後の一人メジロフレイムがゲートイン完了しました!!」
「スタート!各ウマ娘揃って綺麗なスタートをしました!」
「スタートは悪くないな、後はこの長距離をどう攻略していくか」
「…トレーナー、もしかしたらなんだけど、フレイムの背中から翼が出るかもしない」
「翼?有馬記念の時に出た…?」
「練習中に見たの、その時アルダン先輩も」
「さぁ最初のコーナーに差し掛かりました!先頭はライトバレー!すぐ後ろにレイドボスと続いています!注目のメジロフレイムはやや後ろの中断にいます!」
最初のストレートに入り、観客の歓声が少し大きくなった。
「フレイム、なんか今日は雰囲気が違うね」
「無敗の三冠目前だから気合いが入っているかもね!」
ライアン、ドーベル、ブライトも見に来ていた。
「今回のフレイムは違うわ…」
「「ラモーヌさん?!」」
ラモーヌ、アルダンも見に来ていた。幼少期から知っているフレイム。分かるところもある。
「さぁ先頭はライトバレー変わらず!レイドボスもまだ動きません!この2人が逃げています!メジロフレイムもまだ動きません!!」
「フレイム…後ろから翼が見えたんです」
「後ろから翼?!ローマさんの時と同じ現象が起きるの?!」
「分かりません…」
別の観戦場所では…キタサン達がいた
「フレイムさん、菊花賞で最大限に発揮するって言ってたけど、まだ分からないね」
「それは分からないよ!フレイムさんなら勝つよ!!」
「…そうだけど…テイオーさんの思いもあるのかな?」
グランは分かっている。あの出来後以来、フレイムは少し様子が変だった。
「第3コーナーを抜けて、レイドボスが動いた!これで先頭はレイドボス!!2番手にライトバレーに変わりました!!」
(…仕掛けるタイミングはまだだな。最終コーナーに入ろうとするタイミングで!)
「先頭はレイドボス!先頭争いはまだ終わっていない!3番手以降からジリジリと近づいてきた!」
「…テイオー、今までそんな事があったんだな…」
夢に見たテイオーの過去。それは今までの出来事をフレイムは知った。
泣きながらストップウォッチを止めず、涙を流した日もあった。
「…辛かったよな、目前で夢が潰えたり、投げ出しそうになったり…」
「フレイム…?」
「テイオー…!!」
「…助けに来たの?」
「もちろん!テイオーを助けに来た!」
「…レース中なのに助けるって忙しそうじゃない?」
「…気にすんなよ!俺が来たからもう大丈夫だ!」
アルテマウェポンを粉々に割れたステンドグラスに向けて、光の玉を与えた。
本当に出た…あの時と同じ翼が!!!
「最終コーナーに入りました!メジロフレイムが大外から行く!!大外刈だ!!!!」
「フレイム!!行けぇ!!!!」
「メジロフレイムが先頭に立った!先頭に立った!とんでもない怪物の走りだぁぁ!」
「メジロフレイムさん!史上4人目の無敗の三冠達成おめでとうございます!!今の気持ちは?」
「…最高です!やっと夢が実現しました!」
「スクーデリアローマさん!愛弟子が無敗の三冠達成しましたね!」
「そうですね!チーム発足した時、無敗の三冠という偉業という夢みたいなこと言ってましたけど、フレイムが本当に成し遂げ、わたしも感動しました!!」
もう1つ、思いが届いた出来事が…!
「…ちょっとすみません!」
「もしもしマックイーン…えっ?!」
病院
トウカイテイオーが意識が戻った!!
「心配かけてごめんねみんな」
「もう…本当に心配したのですよ!!」
「ごめんマックイーン…」
「けど、これで心配事は無くなったな!!」
「あともうひとついいかな?」
「なんですか?」
「…フレイムにありがとうって伝えてくれる?」
「え?」
「ボクが眠ってた時にフレイムが悪党達を倒してくれたんだ!」
悪党、つまり闇堕ちテイオーとハートレスを倒してくれた。
「…お伝えしますね!」
それから数週間後
「おかえりテイオー!!」
テイオーは無事退院した。栗東寮のウマ娘達が駆けつけてくれた!
「退院おめでとう!」
「ありがとうみんな!!!」
栗東寮のウマ娘達の後ろにフレイムがいた。フレイムの姿を見たテイオーはフレイムに駆け寄った。
「…何?」
「…本当にありがとう!!」
「本当?!じゃあ今日は1日だけボクの彼氏になって!」
「か…彼氏?!」
「え〜ダメなのぉ?」
「…嘘、準備したら行こうぜテイオー!」
「は!今ボクの名前ちゃんと言えてたよね?!もう1回!!」
「準備してくるぜー…」
(フレイム、三冠おめでとう!!!!)