テラーノベル
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朝、目を覚ますと、俺は元貴さんの部屋のベッドにいた。
隣には、静かに眠る元貴さん。その寝顔は、昨晩のあの獣のような瞳とはまるで別人だった。
俺の体には、昨夜の痕が残されていた。首筋には、元貴さんが付けたであろうキスマーク。腰には、彼の指の跡が赤く残っていた。
「夢、じゃ…ない…」
その現実を突きつけられて、俺の心は絶望に沈んだ。
「滉斗はこれからの性欲処理になってもらうんだからね?分かってる?」
「俺が忙しいときは、君が俺を迎えて、慰めて…癒してくれればいいの、俺のためだけに。」
「それが嫌なら、他の男のところに行くとか、そのまま芸能界を辞めることになるけど。どうする?」
昨夜、朧気な記憶の中で聞こえた言葉。
その言葉は、俺の夢を人質に取った完璧な支配だった。俳優としての道を諦めるなんて、今の俺には考えられなかった。
元貴さんのおかげで手に入れた夢だ。だからこそ、俺は逆らえなかった。
「……っ、う……いいです。嫌じゃ、ないです。」
そう絞り出した俺の言葉に、元貴さんは満足げに微笑み、俺の頭を撫でた。
「そう、いい子だね。じゃあこれからもよろしくね、滉斗。」
元貴さんは、俺の恩人だった。
俳優になる夢を与えてくれた人。彼のことを、ずっと尊敬していた。
でも、今は……。
感謝と恐怖と、そして得体の知れない快感が、俺の心の中で渦を巻いていた。
俺はただただ、元貴さんの部屋から逃げたかった。
着ていた服を急いで拾い、音を立てないようにドアを開ける。そしてエレベーターに乗り込むと、迷うことなく一階のボタンを押した。
それから数時間後、俺はドラマの撮影のために、街へ出ていた。
信号待ちをしていると、女子高生たちが、楽しそうに話しているのが聞こえた。
「ねえ、元貴くんの新しいドラマ、もう見た?」
「見た見た!かっこよすぎた〜…あんな完璧な人、この世にいるんだって思ったもん」
「分かる!マジで王子様みたいだよね!」
彼女たちの楽しそうな声が、俺の耳に突き刺さる。彼女たちが憧れている「王子様」が、昨夜、俺の体を…
その場で吐きそうになって、俺は俯いた。
家に帰ると、テレビではバラエティ番組に出演している元貴さんの姿が映し出されていた。
『大森さんって、本当に爽やかで優しいですよね!』
司会者の言葉に、元貴さんは「そんなことないですよ」と、はにかんだように笑う。その笑顔はあまりにも完璧で、作り物のように見えた。
(違う…そんな人じゃない…)
テレビの中の元貴さんの完璧な笑顔を見るたびに、俺はまた吐き気がした。
そして始まったドラマの撮影。
ドラマの撮影は、俺にとってある種の現実逃避だった。カメラの前に立つと、役を演じることに集中できる。
台本の中の自分は、元貴さんの掌に閉じ込められた「若井滉斗」とは別人だからだ。
スタッフや共演者と話す時間は、完璧な笑顔を貼り付けて、普通を装う。
しかし、撮影が終わって一人になると、若井は、あの夜の光景を思い出す。
元貴さんの骨ばった指が体をなぞる感触。背中に突き刺さるような、あの熱い視線。
そして何よりも、快楽に支配され、自分の意志とは無関係に震え続けた腰の感覚。
自宅に戻った夜。シャワーを浴びてベッドに横になると、身体の奥がじんじんと疼き始めた。
(ちがう、こんなの…)
頭を振って思考を振り払おうとする。しかし、一度火がついた身体は、俺の意志とは裏腹に、熱を帯びていく。
俺は自分の手で自分を慰めようとした。けれど、いつもならすぐに達するはずなのに、何も感じることができない。ただ、虚しいだけだった。
「…っ、なんで…」
そう呟きながら、若井は自分の股間を握りしめた。
どうしてこんなことになってしまったのか。どうして、元貴さんのものじゃないと、満足できなくなってしまったのか。
(…あんなに、屈辱だったのに……)
あの夜、元貴さんにすべてを奪われた。心も、身体も。
そのはずだったのに、なぜか身体は、あの夜の快感を求めてやまない。俺は自分が元貴さんの掌に、完全に落ちてしまったことを自覚した。
俳優としての夢を掴んだ一方で、身体はもう元貴さんのものになってしまったのだ。
その時、若井のスマホが、通知を知らせた。元貴さんからのメッセージだった。
元貴さんの、どこか冷たく、それでいて俺の心を完璧に掴んでいるような、短いメッセージ。
『家来て。』
たったそれだけのメッセージが、俺の心を震わせる。
行きたくない。元貴さんに会ったら、またあの夜の悪夢が繰り返されてしまう。
俺は理性で抵抗しようとする。しかし、身体は正直だった。身体が、元貴さんに会いたいと叫んでいる。
俺は、意を決してベッドから降りた。
行きたくない。行っちゃだめだ。頭の中ではそう叫んでいるのに、身体は勝手に動く。
財布と鍵を掴み、震える足で家を出る。
マンションを出たところでタクシーを呼び止め乗り込んだ。夜の街のネオンが、俺の虚ろな瞳に映る。
(なんで、俺、こんなことしてるんだ…?)
元貴さんの家に向かうタクシーの中で、俺はは自分の気持ちが分からなかった。
あの夜、あれほど屈辱だったはずなのに、何故この身体は彼を求めてしまうのか。
夢を人質に取られたはずなのに、何故彼からの支配を、どこかで望んでしまっているのか。
恐怖と、絶望と、そして抗えない快楽への期待。俺は、元貴さんの支配から逃れることはできない。
このまま、彼の掌の上で、踊り続けるしかないのだろうか。
次回も🔞です
コメント
10件
癖同じすぎて怖いまである笑笑
若井ちゃぁぁ((( このまま大森の家に行ったら悪夢が再来するのに従っちゃう若井が可愛い!好き!
大森さんジャニー喜◯川みたいなことしてる笑笑でも最高です♡