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それから数日経った。おいもは相変わらず人間の姿のままだ。尻尾のせいでズボンが履けないからサイズのでかいTシャツをワンピースのように着てもらっている。首輪は外そうとすると嫌がるのでそのままだ。尻尾を振る度にTシャツが持ち上げられ何も履いていない下半身がチラ見えするのがエロい。…って俺飼い犬に欲情するなよ。
「わんぅ!」
俺に見られているのが気になるのかおいもは一声鳴くと俺に擦り寄ってくる。人間に擦り寄られるのは未だ慣れない。暫く撫でてあげるとおいもは満足したのか一度俺から離れ、何かを咥えて戻ってきた。…リード?
「散歩行きたいん?」
「わんっ!」
おいおいおいおい待って?無理やろ!下半身丸出しの耳と尻尾生えた人間だぞ。リードなんか付けて散歩をしていたら俺が捕まってしまう。しかし人間の姿になってから数日間部屋から出ていないおいもが外へ行きたい気持ちも分かる。…よし、まずは尻尾を隠そう。一度服を脱がせ尻尾をおいもの背中へ寄せると痛くないように紐で緩めに固定する。嫌そうに背中を見ようとしたり身体をくねらせているけど仕方ない。そのまま服を着せれば何とかズボンも履かせることが出来た。あとは俺のバケハを被せて耳を隠す…うん、なんとかなるな?背中が不自然に盛り上がってしまっているけど仕方ない。夜なら誤魔化せるやろ。あとは…
「おいも、お手。」
手を差し出せば素直にそこに自身の手を乗せるおいも。その手を引いて立ち上がらせる。しかし立ち上がったおいもの手を離せば直ぐにまた四つん這いになってしまった。
「あかん、おいもそのままな?」
再びまた立ち上がらせれば数歩後ろへ下がり、おいで?と声を掛ける。
「くぅん…」
困ったように眉を下げながらも赤ちゃんのようによちよちと歩いてくるおいもが可愛い。困った顔が心苦しいがこれができるようになってもらわないと散歩には行けないからな…
「よし、頑張ったな!」
漸く俺の元へたどり着いたおいもを撫でてやると嬉しそうに笑っている。こいつ表情筋だけは上手く使いこなしてるんよな…(笑)
何度かくりかえすうちに次第に慣れてきたようで手を引いてやればある程度は二足歩行ができるようになった。よーし、これなら今夜辺り散歩に行けるやろ!
おいもの話をしなくなり写真も見せなくなった俺がおいもを追い出したのではないかと心配して連絡してきたあっとにはおいもの尻尾の写真を送っておいた。