元貴 side …
「ただいま」
「ッ…おかえり」
若井が変わったのはいつからだっけ。全く思い出せないや。若井が帰ってくるのが怖くなったのはきっと最近だ。
「…どうかした?元貴」
「…なんでもないよ」
必死に笑顔を作って、若井に笑いかける。でも多分俺、今ちゃんと笑えてないな。
そうとだけ若井は言い残し、少し不思議そうにリビングへと歩いていった。その背中は昔よりもどす黒く見えて、まるで若井じゃないみたいだった。
若井の後を追いリビングに入ると、棚の上をじっと見つめる若井の姿があった。
「…若井?」
恐る恐る名前を呼ぶと、若井は冷めきった瞳でこちらの方をギロリと睨んだ。思わず背筋がゾクゾクっと震え上がった。
「…これさ、前も捨ててって言ったよね」
「ぇ、?」
若井は棚の上に2つ並んで置かれた猫と犬の置物に指を指した。この置物は俺たちが同棲を始めた記念として買ったものだった。2人とも置物に知識は全くなく、神社や専門店で買ったものではなく、たまたま若井がネットショッピングから見つけたものを購入した。青い首輪をつけた猫と、赤い首輪をつけた犬。これは俺たちを意味していて、若井が猫で俺が犬だ。2人に似ている動物で選んだ結果、この置物となった。
「…でも、それはッ…」
「何?なんかあんの?」
若井は猫の置物を手に取り、不思議そうに見つめていた。次の瞬間、パリンッ!と皿が割れたような音がした。
「ッ!!!」
驚きで目を瞑ってしまったため、何があったのか分からなかった。恐る恐る目を開くと、そこには小さなガラスの破片が散乱していた。
「若井ッ…?」
震える声で若井の方を見上げると、若井は冷たい視線で粉々になった置物をじいっと見つめていた。
「なんでッ…?なんでそんなことするのッ…?」
「…元貴が捨てないのが悪いんだよ」
若井の冷たい視線が俺の方へと向けられる。その視線はまるで鋭い針のようで、胸の奥がズキンズキンと痛かった。
「若井ッ…忘れちゃったの…?泣」
気がつくと頬には涙が伝っていた。この置物を凄く大切そうにしていた若井が忘れるはずない。なんで?何が気に入らないの?
「それッ…俺たちが同棲始めた記念に買ったやつじゃんッ!泣なんでそんなことするのッ…?泣」
若井は黙ったまま俺の方を睨むままだ。その変わらない瞳が更に恐怖心を呼ぶ。
「…チッ」
若井の舌打ちが部屋の中に小さく響いた。若井は呆れたように溜息をつき、俺の方へズカズカと向かってきた。その足音はまるで俺の心臓の音を表しているようで、俺の体は恐怖で完全に固まってしまった。
このお話ボツ作かも…😭
もしかしたら途中で削除するかもです…
あと、最近ちょいと忙しくてですね、
少し更新ペース落ちます🥲
これからも頑張るので、
応援してもらえると嬉しいです!
ではまた次のお話で^^
コメント
2件
ちょ、若井さん、?😭😭更新遅くても毎回見ますよ💗