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エム「猫語尾中」
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ガンッ!!
機械が床を蹴る。
一瞬で距離を詰めてくる。
「速っ……!」
俺が反応した時にはもう目の前だった。
振り下ろされる腕。
「っ!」
咄嗟に後ろへ跳ぶ。
ドンッ!!
さっきまでいた場所が抉れていた。
「やばいだろこれ!」
きょーさんが叫ぶ。
でも、もう逃げ場はない。
通路は狭い。
避け続けるのは無理だ。
「前出る!」
きょーさんが踏み込む。
拳を握る。
ドンッ!!
機械の胴体に叩き込む。
鈍い音。
だが──
「硬っ……!」
ほとんど効いていない。
逆に機械が腕を振り払う。
「っぐ!」
きょーさんが弾き飛ばされる。
壁に叩きつけられる。
「きょーさん!」
コンタミが駆ける。
そのまま前に出る。
機械の攻撃をあえて受ける。
ドンッ!!
鈍い音。
体が揺れる。
でも倒れない。
「……っ、効くけどな!」
歯を食いしばる。
その腕が次の瞬間には再生していく。
「今だ!」
コンタミが叫ぶ。
「攻撃しろ!」
でも──
動けなかった。
タイミングが分からない。
どう合わせればいいのか分からない。
その一瞬の迷いが致命的だった。
機械がコンタミを蹴り飛ばす。
「っ!」
床を転がる。
「クソッ!」
きょーさんが立ち上がる。
でも呼吸が乱れている。
レウが目を閉じる。
「……止める」
空気が歪む。
視界が揺れる。
機械の動きが一瞬だけ鈍る。
「今……!」
でも
その瞬間
レウが膝をついた。
「っ……!」
負荷が大きい。
長くは持たない。
「間に合わねぇ……!」
俺が歯を食いしばる。
その時
バチッ、と音がした。
配線。
壁の中の電気が視界に入る。
「……これなら」
手を伸ばす。
電流を引き出す。
バチバチと火花が散る。
「行け!」
一気に流す。
ドンッ!!
電撃が機械に直撃する。
一瞬だけ動きが止まる。
「今だろ!!」
きょーさんが叫ぶ。
立ち上がる。
拳を握る。
コンタミも立つ。
「合わせろ!」
その言葉で、
全員の動きが揃った。
きょーさんが前。
コンタミが支える。
俺が制御を止める。
レウが視界を歪める。
その中心に
らっだぁがいた。
一歩前に出る。
静かに手を上げる。
空気が止まる。
音が消える。
時間が
歪む。
「──止まれ」
小さな声。
その瞬間
機械の動きが完全に止まった。
ほんの一瞬。
でも、それで十分だった。
「っおらぁ!!」
きょーさんの拳が叩き込まれる。
コンタミが押し込む。
俺が電流を流す。
レウが幻覚で動きを封じる。
ドンッッ!!
機械の体に亀裂が走る。
そして──
崩れた。
ガシャッ、と音を立てて
完全に停止する。
誰もすぐに動かなかった。
「……勝った、のか」
俺が呟く。
きょーさんが息を吐く。
「ギリだな……」
コンタミがその場に座り込む。
「マジで痛ぇ……」
レウも壁にもたれる。
「……無理しすぎた」
全員ボロボロだった。
でも立っている。
その時、らっだぁが小さく言った。
「……今の」
全員がそっちを見る。
「合わせたな」
少しだけ笑う。
ほんのわずかに。
きょーさんが鼻で笑った。
「偶然だろ」
でも、その声はさっきより柔らかかった。
コンタミが言う。
「でも、悪くなかった」
レウも小さく頷く。
「……うん」
俺も息を吐く。
正直
バラバラだった。
でも
最後だけは、噛み合った。
「……やれるかもな」
きょーさんが言った。
でも
確かに思った。
一人じゃ無理でも
五人なら。
その可能性が
初めて見えた気がした。
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