──────Hれいまり視点──────
魔法で作られたその道を歩む。光と光が織り成すその神秘な道は天への道のように上へと続いている。深い森に覆われて気づかなかったが、森の中に異常に大きな木があり、その上には地面が広がっていた。その大きな木は発展した都市よりも広く、今までのどのルートよりも大きな木だった。
「ん、この木が気になる?」
「へ…?あ、は、はい!」
突然話しかけられて、ビクッと肩が跳ねる。八幡さんの瞳が私の瞳を覗き込んでいた。私は片方の瞳に意識を向ける。いえもんさんによって細工された、偽物の金色。これが、偽物だとバレたら?国民全員が金色の瞳を宿している国。その瞳こそが仲間である証であり、一種の契りとも言える。
何が起きるかはわからない。けど、断言はできる。──────恐怖のどん底に落とされる。それだけは確信を持つことが出来た。
全てを見透かすその瞳が私を吟味するように妖艶の色を帯びる。
息が、詰まる。上手く息が吸えなくなり、思わず心拍数が上がるのを感じる。けど、それは別に悪いことじゃない。だって、バレたって別に死ぬだけなのだから。死ぬより辛いことなんて八幡さんは知らないだろう。どこか、人を下に見るような劣情がドクドクと煮えたぎり、私の頭を冷やしていく。最低な理由で心拍を安定させた自負はあるがまあ、どうでも良いことかもしれない。
「あの木はねー我々の魔力をすいあげて成り立っているんだよ。人数が増えればあの木は大きくなる。だから土地が増えるだけ。困ることは無い。」
「魔力を吸われるって…それって大丈夫なんですか?」
常識人面をしたいえもんさんが当たり前の疑問をこぼす。そりゃそうである。一般人として言おう。たしかに私達にも魔力はあるが、それは生きるための最低限のもの。魔力とは体内に流れる血とほぼ同格の存在である。そんなものを吸われてしまえば死ぬこそ事ないものの一切動くことが出来ない…いわば植物状態になる。
え、私今から行くけどぶっ倒れるくね?
思わずいえもんさんを見る。いえもんさんの目に魔法陣が一瞬映る。バチッと私の脳に音が響く。その瞬間、私の輪郭を沿うように暖かい光か私を包む。
おそらく魔力を吸うのを防ぐ結界のようなものなのだろう。そんな魔法まであるのか、とあまりにも都合の良い魔法がという疑問よりも先に関心が勝つ。
「ん?大丈夫に決まってるじゃん。むしろそれをするだけで衣食住が保証されてるんだよ?安いもんですわ〜」
「え!?そ、そうなんですか!?」
「そりゃね〜勘違いしてるかもだから言うけどこの金色の瞳は戦闘だけじゃなくてあらゆる分野に富んでいるですわ〜。」
納得がいく。確かにいえもんさんは魔法によって服を作っていた。そんなことができるならもしかしたらご飯だって自由に作れる魔法があるかもしれない。
おそらく吸われた魔力はいわば『お金』。ご飯や、服、家、娯楽…それを吸い上げた魔力を消費することで作っている。そして、木は貯蔵庫。
こういうことだろう。聞くだけだと恐ろしいが、しっかり考えればちゃんとした根拠を元に作られている。魔力=金。それがこの王国ルールであり、常識なんだろうなーとこれから来る生活に向けて常識を壊す準備をする。
「ん、つきました。それでは、改めて───」
八幡さんはパチンッと指を鳴らす。そうすると、八幡さんの服装がガラリと変わる。まるで軍服のような服装へと変わり、これが八幡さんの正装なのだろう、とわかる。
手袋によって覆われたその手がこちらに差し向けられる。
「ようこそ。『黄金の国』へ。私の名前は八幡宮。この王国の門番だ。」
そうして彼女は私たちを歓迎する。
「あ、八幡さんじゃん。新入り?」
スっと背後から声が聞こえた。聞きなれた声。この世界では初めて目にする。ただ、服装は独特であり、この世界ならではの雰囲気を感じる。
灰色のケモ耳フード付きローブを羽織り、茶色の短パン、黒い網タイツ。手と足、そして後付けのしっぽにはふわふわの毛がついており、独特としか言い表せない服装。
黒い髪を右に三つ編みでまとめ、その特徴的な深紅の瞳とこの王国の国民である象徴と言わんばかりの金色の瞳が右目を照らしていた。
───そう、彼女は。
「んまっ。そう。私ちょっと仕事しないと怒られるからこの子達の案内してあげてくれね?」
「おお…八幡さん今日真面目だァ…。まあ、いいってことよ。こんにちは〜!私の名前はラテ。主な属性は炎。ま、戦闘担当の短距離アタッカーって感じ。よろしく〜」
屈託のない笑みを浮かべ、こちらに手を振ってくる。そう、彼女こそがラテさんである。こちらはあまり変わっていなくてほっとする。やはり、安心感のあるその炎の瞳はどこまでも私を温めてくれた。
「じゃ、2人ともついてきて。まずは〜…ま、シスターに挨拶した方がいいよ。その後にこの木の管理者、で最後に国王に。まま、ゆっくり行こう」
ラテさんがそういいながら道案内を始めてくれる。いえもんさんは少し警戒した感情を滲ませながらラテさんについていく。私はそんな雰囲気に戸惑いつつも、その国へ足を踏み入れた。
【『██』の救いがあらんことを】
ここで切ります!なんか最近本当にグッダグダになってる気がします…。気の思うままに書くとこうなっちゃうんですよねー。次回からは丁寧に書きます…はい。どちらかというとここまで進めたい!っていうのが明確にできてしまいまして、そこまで進めたい、と思うと約2000文字で、収め切るのは難しく、でも心理描写も削りたくない…そんな私の心の現れです…。お許しを…
それでは!おつはる!
コメント
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人を見下すようになる…人外味が増えてきたね〜