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赤い角を持つ小柄な存在──ドゲは、嬉々として俺たちを見渡した。
ドゲ「さて、自己紹介も済ませたところで……ここからが本番です」
軽く指を鳴らすと、空中に四つの光のパネルが浮かび上がる。
パネルには、それぞれ異なる色と紋章が刻まれていた。
ドゲ「化身の皆さん、観測者の中には、あなたたちを気に入って契約を望む方々がいます」
ドゲ「契約を結べば、彼らは力や資源を提供し……代わりに、あなたたちの活躍を独占的に観戦する権利を得るのです」
その言葉に、乗客たちの間からざわめきが起きた。
ドゲ「今、あなたに接触してきている観測者は──この四名です」
パネルが順番に開き、情報が表示される。
――――――
【深淵を覗く黒焔の竜】
属性:戦闘特化/筋力・体力上昇
備考:契約者はしばしば狂気に蝕まれる。
【悪魔のような炎の裁定者】
属性:秩序系/攻撃と防御の両面強化
備考:「悪魔のような」というのは比喩で、実際は悪魔ではない。契約者には厳格な行動制約が課される。
【静かに囁く策謀家】
属性:知略・隠密強化
備考:直接戦闘力は低いが、情報操作や妨害に優れる。
【金環を破りし囚人】
属性:万能型/戦闘・移動・索敵を強化
備考:ただし契約条件は不明。
――――――
(なるほど……この時点で四人も名乗りを上げるとはな)
ドゲ「さあ、誰と契約するかはあなた次第。
もちろん、契約しないという選択もありますが──」
わざとらしく間を置き、ドゲは口角を吊り上げた。
ドゲ「次のシナリオを生き残れるかどうかは……その選択にかかっていますよ」
周囲では他の乗客たちが必死にパネルを見比べている。
ユ・サンアは険しい表情で、カン・ヒョンソは腕を組んだまま目を細めていた。
俺の前にも、四つのパネルが並んでいる。
(……さて、どう動くか)