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1話|p. あの風景
この世界には、“ 魔力 ”(MP)というのが存在する。魔力が強い者ほど、価値が高まり、重宝されやすい。
属性は基本、火、土、水、風、光、闇の6つがある。そして稀に、空間や雷など、特殊の魔法を扱う者もいる。
そして魔法には” 魔法の開花 “というのが存在した。だがそれは、、、何かしらの感情が頂点に達した時に開花する────
小さな町、リオルザ町。
総人口も案外少なく、小さな町であったが、どの町より、平穏で、平和であった。
今日はみんなと遊んでいた。
けど俺は用事が出来てしまったから、先に帰ることになった。
「〜〜ー〜!!」
「ー〜ーー!」
「〜〜〜!!」
「ーーーー!!」
「ばいばい!」
少年4人らに別れを告げ、俺は家に帰った。
「ただいま!」
「ん、」
無愛想な母親。
「ただいま!」と、大きく元気な声で言ったとしても、いつも「ん、」と返してくる。
俺は、手を洗ってうがいをする。
手洗いとうがいを終える。
俺はリビングでくつろいでいる母に向かって、
「母さん、上、行ってくる」
そう放った。
けど返ってくる言葉は……
「行ってらっしゃい」
冷たく、無愛想な言葉、だった……。
いつだって母は冷たかった。
狂ったのは父が亡くなってからだったが、それでも、冷たかった。
だから、そんな空気が嫌で吸いたくもなかったから俺はよく、上へ行っていた。
今の時間帯はこの世界の光である太陽。夕日は沈み行き、夜がやってくる。
幼い時によく使っていた椅子にもたれかかって、歌を歌い始める。
空は黒がかかった様な紫色がかかったような色合い。
星は存在しない。ファンタジーのような小さく無数に輝く星は存在しない。
だって、俺は主人公じゃないから、主人公のような展開にならない。俺にはスポットライトは当たっていないから。
季節はつかの間……夏になっていて、蝉が鳴いている。
俺の家は線路沿いにあって、毎日のように電車が通るもんだから煩くてしょうがない。
蝉と線路の音、フラッシュバックするように思い出す。“ 父が亡くなった時 ”の事を。
嫌いで大好きな夏はもう……過ぎ行く───
「行ってくる」
「行ってらっしゃい、母さん」
母さんは夜になると洒落た格好をして夜の街へ行ってしまう。
きっと父さんの時のような人を探し求めてるんだろう。
結局母さんは一言を発しただけで、夜の街へ行った。
息子である俺を置いて……
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝n. 存在しない君
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