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「それじゃー、林間学校の班決めてくぞー。」
今日のホームルームは、2週間後に迫った林間学校に向けての準備だった。
一班、五人から六人。
男女混合だ。
「結と、さらと、翼と、風雅と、私!」
「これでちょうど五人だねー!」
結とニコニコ目を合わせる。
周りもどんどん班が決まっていく、そんな時。
「男子二人の班無いかー?」
先生が声を上げた。
「ここでーす。」
「こっちもー!」
手が挙がったのは、私の班ともう一班。
「どっちか、飯田を入れてやってくれ…って、そこだな。」
先生と目が合った。
今日飯田くんは体調不良により欠席なのだが、なぜか先生が私たちの班を指名した。
「どうしてここなんですかー?」
翼がみんな思っているであろう疑問を声に出した。
「だってお前らだけじゃ、心配だもん。飯田がいたほうが安心だろ。」
単に、危険視されているだけだった。
実際のところ、校則ぎりぎりの人間の集まりだった。
それぞれ何かしら秀でてはいるものの、いい意味でも悪い意味でも注目される存在なのだから、余計にだろう。
「…。」
みんな微妙な顔をして先生を見つめた。
「まあまあ、いいじゃん!飯田くんいい子だよ!」
フォローになるのかならないのか、とりあえず明るく声をかけた。
「確かに、面白くなりそうだねー!」
「ねー!」
女子陣が手を合わせてはしゃぐ。
一方翼は苦虫を噛み潰したような顔をした。
風雅は何か考え込んでいた。
もうすでに波乱の予感がするけれど、楽しみだ。
すると突然。
「花織、約束。」
そう言って翼が小指を突き出してきた。
「なんのー?」
聞きながら私は小指を絡ませる。
「人気のないところには行かないこと。」
「わ、わかった…。」
わざわざ行かないと思うけど…そんな事を考えながら約束した。
「げほっげほっ…。」
咳が止まらない。熱も下がらない。
林間学校の班決めという、一大チャンスを逃した。
彼女に近づくチャンスだったのに、こんな時に熱を出すとは思わなかった。
唇をかみしめて天を仰いだ。
しかし、数時間後のことだった。
神様は僕の味方をしてくれたようだ。
何週間ぶりか、彼女から連絡が来た。
『体調はどうかな?無理しないでゆっくり休んでね。林間学校の班一緒になったよ!よろしくね!!』
熱が一瞬で引いていく気がした。
いや、逆かもしれない。
血が騒ぎ興奮した。
体のだるさが吹っ飛んで、勢いよく飛び起きた。
ささっと返信をして、口元をほころばせながら、また僕は眠りについた。
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