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「他の子はわかんないけど、私とは会わないって。って言うか、あんな奴、こっちがフッたんだけどね。あなたも早く忘れた方がいいよ。新しい恋しなよ、人生楽しくなきゃね。じゃあね、元気で」
手を振りながら去っていく後ろ姿をたくましく思った。
もう新しい彼氏ができたんだ……
柊君への未練は全くないのかな……
何だかすごい。いつまでもウジウジ考えてる私とは全然違う。
新しい恋――
私にも……できるのかな?
なるべく早く、さっきの彼女みたいに、「柊君のことは忘れた」って、ハッキリ言える時がくることを願いたい。
とにかく、今日の目的は買い物。せっかく可愛いパジャマを買いにきたんだから。早くお店に向かおう。
「ここだ……」
色々、可愛いパジャマが置いてある有名なお店。
シンプルなものから派手めなものまで、見た目にも楽しめて、どれにしようか選ぶのにワクワクした。
手にしたパジャマの生地がすごくフワフワで、触り心地がとても良かった。
「これ、いいかも……」
だけど、上下で14000円。
結構高い。
「悩むなぁ……」
きっと着心地が良くて、ぐっすり眠れるかも知れないけど……
「だけど、もうそんなに若くないから、似合わないかな」
完全なる独り言だったのに、「お客様。そちら、きっとお似合いですよ」と、店員さんに声をかけられた。
「あ、でも、これってかなり若い人が着るんですよね」
25歳の私は、ちょっと恥ずかしくなって、遠慮がちに言った。
「いえいえ、お客様も十分お似合いです。絶対、可愛いですよ。ご試着なさいますか?」
戸惑ったけど、店員さんに言われるままに、思い切って試着してみることにした。
試着室の鏡に写るボーダーパーカーに、ロングパンツ。おまけに、お揃いのソックス。
モコモコの生地がどれもとても温かい。
着心地は最高だった。
それに、何より淡いピンクとホワイトカラーがすごく可愛い。
「どうしよう、買っちゃおうかな」
私、何でこんなにワクワクしちゃってるんだろ。
確実に舞い上がってる。
「お客様、いかがですか?」
照れはあったけど、私は試着室のカーテンを開けた。
「うわぁ、可愛いです~。とってもお似合いですから、ぜひぜひお家でも着てみてください」
若い店員さんにのせられて、つい購入を決めてしまった。かなり贅沢な買い物だ。
レジに持っていくと、店員さんが可愛い紙袋に入れて渡してくれた。
「ありがとうございました」
買っちゃった……
こんな可愛いパジャマ買ったら、あとは……下着?
もちろん、樹と何かが起こるわけじゃない。でも、下着にも気をつけて女性らしくするのは悪いことじゃないよね。
……って、私、何かを期待してる?