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廊下は人でいっぱいだった。
知らない声、笑い声、靴音が混ざり合う。
その中で―――
🍍「……あ」
前から歩いてきたのは、さっきのイケメンだった。
近くで見ると、余計にわかる。
背、ちょっと高い。
顔、整いすぎ。
俺が固まっていると、向こうが先に口を開いた。
📢「あ、さっきの、、もしかしてA組?」
落ち着いた声。
低すぎず、高すぎず。心地いい。
🍍「……え、あ、うん」
返事、噛んだ。
📢「そっか。」
一瞬、沈黙。
何か言わなきゃと思うのに、言葉が出ない。
すると、向こうがふっと笑った。
📢「さっき、目合ったやつだよな?w 」
🍍「……っ!?」
バレてた!?
🍍「び、びっくりしてただけだから!」
必死に言い訳すると、相手は肩を揺らして笑った。
📢「別になんも言ってないのにwww
”かわいい”反応するじゃん」
🍍「か、かわっ……! はぁ!? ///」
言葉を失う俺を見て、さらに楽しそうにする。
📢「俺、B組のいるま。よろしく」
🍍「……なつ」
名前を言うだけで、精一杯だった。
🍍「なつ、ね」
俺の名前を、ゆっくり口にする。
それだけで、胸が変な感じになる。
📢「また会ったら、話そうぜ」
そう言って、いるまはB組の方へ歩いていった。
―――なんなんだ、あの人。
胸が、うるさい。
教室に戻ってからも、ずっと考えていた。
🍍(いるま……)
名前を思い出すだけで、心拍数が上がる。
🌸「なっちゃん、さっきの人、誰?」
らんがニヤニヤしながら聞いてくる。
🍍「知らない!」
🌸「今絶対ドキドキしてたよね?」
🍍「してない!」
嘘だ。
してた。
でも―――
まさか、恋とかじゃない。
恋愛、苦手だし。
人に気持ち伝えるの、怖いし。
🍍(それに……)
あんな人、絶対モテる。
俺なんか、眼中にない。
そう思ったのに。
―――また会いたい、って思ってしまった。
入学式の日。
ただそれだけなのに。
俺の高校生活は、
あの人と目が合った瞬間から、静かに動き出していた。