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この世界は不平等だ。
なんで、頑張っている私達の事を、叩く?
石を投げる?
そう考えながら仕事していた私は、油断をして、
彼に怪我をさしてしまった。
ごめんなさいと何度言っても、声は返ってこない。
最後に、
愛していました。
って、言いたかったなぁ。
死なないで欲しかった。
貴方と落ち合えないなら、私に生きなくてはいけない意味は、
どこにありますか。
私はもう、この団体に入らなければ良かった。
かつての仲間を殺すくらいなら。
いっその事消えてしまおうか──。
ブーブー。
無機質なバイブ音が鳴った。
「イギリスさん、任務命令です。」
ああ、またか、と内心舌打ちしそうになるのを抑え、話を聞く。
「フランスさんが─」
フランスが?ふと、嫌な予感が背中を這う。
不安を全て飲み込んで、話を聞く体勢になる。
「フランスが、狂国になりました。
隊長はイギリスさんに排除を命じてます。」
「変えて貰うよう、進言しましたが、聞き入れてくださらなかったそうです。」
ああ、こういう時の嫌な予感はよく当たる。
それに排除だって?
「排除」それは、この世から葬り去る事。旧国にならず、黄泉の国へ行く、国にとって本当の、死。
それに、フランスと私は、いくら喧嘩していようと、夫婦。
まぁ、性別が無いのだから、夫婦というのも可笑しいが。
ああ、夫婦という身近な存在を死なせるというのに、表情一つ変わらない自分は、可笑しいのだろうが。
はぁ、と溜め息を付き、愛用の武器を手に取った。