ピンポーン
「はーい」
ガチャ
「おはよー」
「おはようございます。どうしました?」
「いや、実はね、魔王討伐の旅に出ることになったんだよ。明日」
「え?急にですか?僕、何も準備してないです」
「それがね、星と平山君と遠藤さんの4人で行くことになってね」
「え?なんでですか?」
「いや、国王が支給してくれた車がさ、5人乗るとかなり狭くなっちゃってさ。荷物も結構あるでしょ。長旅になるのに、ずっと狭い思いしてるのは無理だよねってなって。」
「違う車にしてもらえなかったんですか?」
「言ったけどダメだったんだよね」
「でも、僕が行かなかったら魔族語どうするんですか?」
「平山君と遠藤さんが少しだけど話せるし、アプリもあるから何とかなるだろうって」
「え、それ急に決まったんですか?」
「車の件は前から連絡もらってたけど、届いたのは一昨日で、実際に乗ってみて5人は無理だよねってなったんだよね」
「えー、それ僕にも相談してもらいたかったです」
「いや、ごめんね。もともと4人って話から通訳も必要なんじゃないかってなった話だったじゃない?だから、まずは4人で話をした方がいいと思って」
「それで僕はいらないってなったんですか?」
「いやいや、いらないってわけじゃないよ。いてもらいたいけど、車のスペースがないんだもん。いたら凄く助かるよ。でも魔王を倒しに行くんだから、準備もそれなりに必要なのはわかるでしょ?どうしようも出来なかったんだって。みんな山田君には申し訳ないって思ってるよ 」
「でも結果的にいらないってなったんですよね。僕はどうすればいいんですか?ここをすぐに出てけって言われても困るんですけど」
「いや、だから、誰もいらないとは思ってないよ。本当だから。それは信じてもらいたいし、国王にも山田君のことは話してあって、俺達が戻って来るまで、この部屋使っていいって言ってくれたから。やっぱり山田君に来てもらわないと困るってなるかもしれないし、どうなるかわからないから 」
「でも、ここにいてもやることないし」
「そしたらさ、俺達このまま出ちゃうからさ、荷物とか届いたら受け取ったり、部屋の管理してくれない?水道とか電気とか、そのままで行っていいって言われてるから、荷物はほとんど持っていくけど部屋は使える状態だから、鍵を渡しておくから好きに使ってもらっていいし、大家さんにも言っておくから 」
「いいですけど、それじゃ本当に僕、おいていかれちゃうんですね」
「それは本当にごめんって思ってるって、頑張ってくるから、許して?」
「まぁ、わかりました」
「ごめんね。それじゃ明日、出発前にまた来るから、じゃね」
バタン
(まじかぁ)
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