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1回出してたら通知って来ないのね
──────みぞれ視点──────
純白のローブをはおったぐさおさんは刀を構える。その刀には赤黒い血がついており、清潔とは言えないと思う。背後には、気を失った菓子さんが魂を失っかのようにピクリとも動かない。
それは、私達の恐怖を駆り立てるのに十分なはず──────だったのだ。
いえもんさんの目に突然黄色の光を瞳に宿し、瞳の色を染め上げる。無愛想な無表情から微笑に変わり、武器は愛用の銃ではなくあまり使用したところを見た事がない剣1本を両手で構える。
ぐさおさんは先程までいえもんさんを警戒していなかったが、今は明らかに警戒を始める。
それは、私達もだった。こんないえもんさんのことを私たちは知らないのだ。いえもんさんは貼り付けたかのような微笑を変えずにぐさおさんに問う。
「そちらからは来ないんですか?」
強者の余裕。と言われれば納得するほど声はハキハキとよく透き通る声。その声音には恐怖などは一切反映されていない。
彼は力強い目でぐさおさんのみを睨みつけるように眉を少し吊り上げる。しかし、余裕の笑みは崩さずに
そんな変わりように私達は動けないでいた。私の本能が今戦闘を行えば彼の目障りである、と言ってきたのだ。私はその本能に従い数歩後ずさり、テーブルを何人かで後ろに運ぼうとする。だが、レイラーさんの魔法によってテーブルは姿を消す。
いえもんさんはぐさおさんからの返事がなかなか来なかったためか、一方的に喋る。声音は優しくどこか暖かい光を感じる。
「そちらから来ないのであれば、俺から行きましょう。」
その瞬間辺りに勢いよく強風が吹きあられる。反射的に手で顔を覆う。しかし、その必要はなく、私達を守るようにめめさんは風を切っていた。
なぜそんな強風が出たのか、それはいえもんさんがぐさおさんまでの距離を一瞬で詰めたからである。その時のぐさおさんの恐怖は計り知れないだろう。いえもんさんが軽く剣をひとふりすればそのあまりにも早い速さの影響で風が剣にまとわりつく。属性を付与しているようには見えなかったので、早すぎて出来ただけなのだろう。ぶっちゃけると私でさえ目視するのがギリギリだった。
ぐさおさんはそれをギリギリでかわす。しかし、完全にはかわせなかったらしく、前髪が少し斬られる。ぱさぁとピンク色の髪は強風に乗ってどこかへと消える。
「あれ?かわしちゃいました?惜しいな〜」
いえもんさんは猛スピードを出していたいのに息一つ上がっておらず、まだウォーミングアップ中のようだ。普通は剣を1回振るだけで息が上がるわけないが、あのスピードで振れば通常なら疲れるだろうし、普通はあそこまでのスピードは狙えない。こんな力を隠し持っていたのかと思うと背筋がぞッとする。まあ、今は時はなった理由も分からないが。
ぐさおさんのローブが外れれば諦めたかのようにツノを隠すのを辞め、黄色のツノを成長させる。いつもの930ピンをつけておらず、その目に光は無く、ドロリと濁っている。
「あ、それが本来の姿ですか?やっと本気出してくれます?」
いえもんさんは軽く剣を振り回し嬉々としている。普段の戦闘にはあまり参加しない人だとは誰も思わないだろう。
ぐさおさんも大変な状況であると思い始めたらしく、剣をしっかりと握り込む。しかし、その口がゆるりと狂気的な笑みへと姿を変える。その唇が動く。『チェックメイトだ』
その瞬間いえもんさんの体には闇が付着し、いえもんさんを飲み込まんとする。それでもいえもんさんの力強い表情と態度は変わらない。いえもんさんは軽く目を瞑り、剣をひとふりする。そうすると突然いえもんさんの体が光だし、自らの体についていた闇を祓う。あまりにも一瞬で、相手の切り札のようなものを突破する。
ぐさおさんは悔しそうな顔をしながら、撤退しようとするが、それは彼の目があるうちは許されない。
逃がすまいと、一瞬でぐさおさんの前にまで回り込み、腹を斬る。それは菓子さんが斬られた場所と同じであった。いえもんさんは小声で呟く。
「痛みを知れ。」
いえもんさんがそう呟きながら剣をぐさおさんの腹から取り出す。その瞬間勢いよく血が吹き出し、辺りを赤く染め上げる。ぐさおさんは水を失った魚のように膝から崩れ落ち、腹を触る。そうすれば血はぐさおさんの白い肌に付着する。
彼女は既に動けそうになく、いえもんさんも無理に追撃しようとはしない。その目は我が子を見つめる母親のごとく慈愛に満ち足りていた。剣をさやに納め、ぐさおさんを立ち上がらせようと手を差し出す。取ろうとした直後ぐさおさんはドロリと溶けだす。いえもんさんは驚き、慌てて手を掴むが、その部分はぐちゃりと簡単に溶ける。まるで泥のようでぐさおさんの体は溶けだし、ぐさおさんはいなくなる。
そう、ぐさおさんでは無い。
しかし、姿、形などのシルエットがよく似ている。ボブヘアで角が生えている。ローブをはおり、刀を構えている。
違うところは全てにおいて色がないのだ。
髪色はピンクが抜け落ち灰色の髪へと変わり、純白のローブは漆黒のローブへと色を変えている。黄色のツノのみが同じ黄色であった。
ここで切ります!!はい!間に合いました!!セーフです!!もう80話なんだな、と考え深いですね〜。始めた時は30話いけばいいほうかな、とぶっちゃけここまで長くなると思っていなかったです。いや、村民集めに時間をかけすぎましたね…。なんならぜんさんに至っては影すら出ていないという…申し訳ないです。
ただ、少しいえもんさんの活躍回を入れさせてください!!あまりにも役に立ってないので…!!(ひどい)後、軽く伏線的なものにしたいので。
主人公が活躍する回って良くないですか?個人的に結構好きなシチュです!!
また、今回で80話達成です!!ありがとうございます!!
記念イラスト↓↓↓
8番目に会ったのは茶子さんです!まあ、菓子さんと一緒に書いても良かったんですか大変なので…次回にします!!
それでは!おつはる〜