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#異世界転移
花月夜れん
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耀聖(ようせい)
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第四十四話 一通の招待状
「未来は、ある日突然ノックしてくる。」
文化祭が終わって一週間。
校内はすっかりいつもの日常に戻っていた。
昼休みの廊下。
グラウンドから聞こえる体育の授業の声。
窓の外には、少し色づき始めた木々。
秋は静かに近づいていた。
*
放課後。
写真部では文化祭で展示した写真を
一枚ずつ外していた。
「これで終わりか。」
蓮が壁を見上げながら言う。
「なんか寂しいね。」
美桜も写真を丁寧に額から外した。
湊は、自分の作品『つながる心』を
そっと手に取る。
文化祭ではたくさんの人が立ち止まり、
この写真を見てくれた。
感想ノートには、
今までで一番多くの言葉が残っていた。
その一つひとつを思い出しながら、
静かに写真をケースへしまう。
*
その時だった。
部室のドアが開く。
「失礼します。」
入ってきたのは顧問の先生だった。
手には一通の茶色い封筒。
見慣れない差出人の名前が書かれている。
「みんな、ちょっと集まって。」
先生の声は、どこか緊張していた。
部員全員が机の周りへ集まる。
先生は封筒をゆっくり開き、
一枚の紙を取り出した。
しばらく黙ったまま内容を確認すると、
小さく笑った。
「おめでとう。」
その一言に、部室がざわつく。
「文化祭で展示した作品が評価されて、市内高校合同写真展への出展依頼が来た。」
「えっ!?」
部員たちから歓声が上がる。
市内でも大きな写真展。
毎年、多くの写真部が
目標にしている展示会だった。
「ただし。」
先生が続ける。
「出展できるのは三作品だけ。」
さっきまでの笑顔が、一瞬で緊張へ変わる。
*
「作品は来週、学校代表として決定する。」
先生はそう言って資料を机へ置いた。
部員たちは、それぞれ自分の写真を見つめる。
誰が選ばれてもおかしくない。
誰が選ばれなくても、おかしくない。
そんな空気だった。
*
帰り道。
湊は夕焼けの空を見上げながら歩いていた。
「三枚か……。」
自分の写真が選ばれるとは思っていない。
でも。
少しだけ期待してしまう自分もいた。
スマートフォンが震える。
紬からだった。
《今日も写真撮った?》
湊は今日の出来事を話した。
少しして返信が届く。
《神崎くん。》
《結果も大事だけど、自分が「これを撮れてよかった」って思える写真なら、それだけでも十分だよ。》
その言葉に、湊は自然と笑った。
「ありがとう。」
小さくつぶやき、空を一枚撮る。
カシャッ。
夕焼けは、昨日より少し赤かった。
*
翌週。
写真部全員が部室へ集まる。
机の上には、出展候補の写真が並べられていた。
顧問の先生が、三枚の写真を手に取る。
部室に緊張が走る。
「それじゃあ、発表します。」
📷 Photo.044『期待と不安の夕空』
撮影日:10月9日
結果を待つ時間は、
いつも少しだけ長く感じる。
でも、その時間さえも、
きっと未来へ続いている。
コメント
4件
ならよかったでーす! 本当ですか!? ならよかったー! そうですね! 楽しみにしててくださいねー!
# 美月ゆめかからの感想🌸 うわあああ第44話!写真展の招待状キター!!😭💕 文化祭が終わって日常に戻る寂しさと、突然のチャンスに緊張が走る空気がすごくリアルで、読みながらドキドキしちゃったよ…!特に「三作品だけ」のところで一気に空気変わる感じ、めっちゃ伝わってきた!! 紬ちゃんの「自分が『これを撮れてよかった』って思える写真なら」って言葉、沁みる…😢✨結果も大事だけど、その瞬間を切り取れたこと自体が宝物なんだよね。最後の夕焼けの写真と「結果を待つ時間も未来へ続いている」って締めくくりがめちゃくちゃエモかった…! 次回、どの写真が選ばれるのか気になりすぎる!!湊くんの一枚、見てみたいなあ📸🌟