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この話好きです! 続き楽しみにして待ってます!
事の始まりは、中国軽慶市。
『発光する赤子が生まれた』というニュースだった。
その後、各地で「超上」が発見され、
いつしか「超常」は「日常」に、
「架空」は「現実」となった。
世界の約八割が「特異体質」である現在、
個性を悪用する敵により、混乱渦巻く世の中で
かつて誰もが空想し憧れた、一つの職業が脚光を浴びていた。
その名も、「ヒーロー」と呼ばれる職業である。
快晴
空は雲ひとつなく冴え渡っている。
朝の光が差し込んで、部屋の床に歪んだ四角い図形を描いた。
怠い体を無理矢理起こしながら、枕元の時計を覗く。
「6時か……………寝坊してもうたな」
寝ぼけながらも徐にカーテンを開け、高温の光を全身に浴びる。
「ええ天気やな…………」
窓辺に腰掛け、早朝の日光浴を謳歌する。
……コンコン……………
そんな甘美な一時も、瞬く間に終了する。
「………はい」
「…おはようございやす若………朝食の準備できてやす…」
「…ありがとう。すぐ行く。」
彼の名は、北信介。
指定ヴィラン団体、稲荷崎組の若頭。
稲荷崎組は、
昔、闇の帝王、裏社会の魔王と称され恐れられた男、
オールフォーワンに加担して重罪を犯したヴィラン達の血縁、
所謂極道たちの集団。
彼らは、自分勝手な先代のせいで、警察やヒーローの監視下に置かれ、
なかなかシビアな暮らしを強いられていた。
そこで、北信介は考えた。
世間から注視されているのは、信用されてないから。
いつ罪を犯そうとするか、わからないから。
何を考えているか、わからないから。
ならば、
世間から信用されれば良い。
たとえ、口で何を喋っても、極悪人の血縁の言葉を信じる人間はいない。
ならば、行動で示せば良い。
世紀の大活躍をして、世間から信用されれば良い。
「仲間のために……………ヒーローなったる」
この物語は、仲間を強く思う心優しい少年が、
頂点のヒーロー目指して突っ走る様子を描いた物語である。