テラーノベル
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地図の上で赤線を睨みつけるドイツの声が鋭く響いた。
ドイツ「イタリア、あなたの戦線が崩れたせいで、また私の兵が死んだのよ。何度同じ失敗を繰り返せば気が済むの?」
イタリア(立ち上がり机を叩く)
「ぼ、僕だけのせいじゃない!だいたい、君だってロシアに深入りしすぎたじゃないか!」
日本(冷静に、しかし冷ややかに)
「言い訳と責任転嫁。……それで勝てるなら苦労はしない」
イタリア「な、なんだと!?」
ルーマニア(口元に笑みを浮かべながら)
「やだ、仲間割れ?汚くていいわねぇ、どっちが先に崩れるか賭けようかしら」
ハンガリー(椅子を蹴って立ち上がる)
「ルーマニア!いい加減にしなさい!あなたの裏切り癖には皆うんざりなのよ!」
ルーマニア(挑発的に髪をかき上げる)
「裏切る?フフ、勝てない戦に付き合うほうが裏切りでしょ?」
ドイツは苛立ちを隠さず、机にコンパスを突き刺す。
ドイツ「静かにしなさい。……私は負けない。私の意志が、この戦争を支配する」
フィンランド(鼻で笑う)
「意志?戦場で凍える兵士に“意志”を食べさせる気か。冬には弾丸より暖が必要だ」
イタリア「ぼ、僕だって芸術的な戦いを――」
ドイツ(遮って)
「黙れ!あなたの“芸術”は墓標の列にしかならない!」
重い沈黙が落ちる。
唯一、日本だけが表情を変えず、ただ扇子を閉じて低く呟いた。
日本「……いずれ、静かに沈むのは我らか、敵か」
その声に、誰も返せなかった。
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