一応もう1人あてはある、『神宮寺寂雷』だ、正直頼りたくないがボクの命に関わっているのは寂雷くらいだ
ピッ
『なんだい飴村くん、体調はもうだいじょ』
『その事には感謝する、だが協力して欲しい事がある』
『飴村くんが私に?出来ない事もあると思うが聞かせてくれないかい?』
不思議そうに寂雷は聞いてきた、それもそうだろう。少し前までは寂雷のことをずっと拒絶し続けてきた、なのに協力してくれなんて虫がよすぎるよな……
『最近、変な夢見るんだ、「飴村さんッッッ!!」って俺の名前が呼ばれるんだ……だからその声の主を探そうと思ってイチローに依頼しても何も教えてくれないんだ』
『それは……私からでも教えられない、一郎君も君を傷つけたくないと言っただろう。』
なんで皆同じ事を言うんだ?俺が探しているのは本当に知らない相手だ、そんな人を探す俺も変だと思うが、一郎も寂雷だって知っている。そしてその相手は俺に関係ある。なぜなら一郎達は「傷つけたくない」と言うのだから、じゃあなぜ教えてくれないんだ?
『なんで、2人とも教えてくれないんだよッッッ!!イチローも、お前も、何か知ってるんだろ?何?だから教えられないのか?』
『飴村くん、だから君を傷つけたくなくて』
『何が傷つけたくないだよっ!あの声は、あの声は、大切な気がするんだッッッ!!』
『……飴村くん、今は飴がないんだ、それで生きているんだよ。どこまでその体が持つか分からない、興奮状態になると悪化して』
『もういい、お前に頼んだ俺が馬鹿だった』
『飴村くっ』
プツン
俺の体なんてどうでもいい、ただあの声の人はどんな人だろう、なんで俺の名前を呼ぶんだろう。そんなことだけが頭を過る
『早く、知りたいな…』
✩.*˚✩.*˚✩.*˚
『その事には感謝する、だが協力して欲しい事がある』
そう告げられた。飴村くんの事を苗字で呼ぶなんて1人しか居ない傷つけたくないのは本当だ、でも彼が人の為にここまでし、人の為に涙を流せる人だと思わなかった。
『自分が消えそうな時も彼女を大切にしていたのに』
愛というものはきっと心にずっと残るのだろう。現に飴村くんの心に残っている。それに私を頼るなんて……彼女の約束は守れるのだろうか
『彼女の事に誰より傷つくのは飴村くんだ』
☆彡.。☆彡.。☆彡.。
『みんな!この事は乱数には言わないでおこう』
一郎君はそう言った、確かに今物忘れが酷くなった彼に、彼女の事を忘れた彼に言って思い出させても苦しくなるだけだ。ただ今はそっとしておこう。
『そうだね、一郎君、皆さんもそれでいいですよね?』
皆が同じ答えをした。アレでも優しかった彼を傷つける訳にはいかない。大切な人を無くした彼には何も言えないんだ。
☆彡.。☆彡.。☆彡.。
今日の言葉を聞いて何も教えてあげれなかったのは可哀想だが事実を言ってより悲しむところも見たくはない、彼女の約束の物、コレは彼に渡してあげれるのかな…
コメント
7件
だァァァァァァ(´πωπ`*)
☆彡.。☆彡.。☆彡.。主に過去や回想に使います。 あと約束の物とは何かも考えてみてくださいね