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色々注意
書斎の空気は、血と吐き気と罪悪感で重く淀んでいた。
ソ連は左眼を押さえ、机にうずくまり、震える体で呼吸を整える。
ナチスは膝に崩れ落ち、頭を抱え、冷や汗と吐き気に耐えていた。
その静寂を、かすかに異質な声が破った。
「こんばんは。お二人さん」
二人は同時に顔を上げる。
声の主は――イギリスだった。
ゆったりとした足取りで、書斎に入り込むその姿は、不穏な空気に逆らうように柔らかく、しかしどこか計算された冷たさを帯びていた。
「…イギリス…?」
ナチスの声は震え、吐き気を伴いながらも、目の前の存在に注意を向ける。
ソ連は眼を見開き、怒りと恐怖、そしてまだ残る微かな希望が入り混じった表情で声を発する。
「…何しに来た…」
しかしイギリスはにやりと笑い、何も答えずに二人をじっと見つめる。
その笑みは子供っぽくもあり、同時に冷酷で、書斎の空気をさらに張り詰めさせた。
ナチスは膝を震わせ、体を前後に揺らす。
「…くそっ…こんなときに…」
吐き気と罪悪感、絶望の中で、さらに新しい存在が加わったことで、心理的圧迫は極限に達する。
ソ連も震える手をナチスに伸ばすが、顔を伏せたまま声にならない呻きを上げるだけだった。
「…誰も…助けてくれない…」
絶望の中で、イギリスの存在は、微かな光にも、さらなる不穏の予感にもなりうる――
二人の心は、緊張と混乱で押し潰されそうだった。
密室の中、血、吐き気、罪悪感、絶望――
そして新たな侵入者の視線。
書斎の重苦しい空気は、さらに絡み合い、二人の心理崩壊を強化する。