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⚠︎︎M次元ラッシュ配信前の妄想
異次元ミアレに入ってしまって、そこで眠っているはずのシオンと出会う話
作者がキスシーンを書きたかっただけです泣
イチャイチャキスシーン見たいんです泣
時系列とかはまぁ…お気になさらず…………()
「今日は、オムライスかそれともすき焼きか…うーん…どっちにしよっかな〜」
此奴は、シオンじゃない
シオンは眠っているはず、だから今目の前で笑っているシオンは偽物だ
今横でレジ袋片手に歩いているシオンは偽物だ
そう分かっている、そう、思っているのに──
「決めた!今日のご飯はオムラ──わっ!?
…ど、どうしました?何か怖い夢でも見たんですか?」
「──お前、今いくつや」
「え?21ですけど…それがどうしました?」
嗚呼、本当にタチが悪い
抱きしめるとシオンの鼓動が聞こえ、身体も暖かい。なんてタチの悪い話や
「…えいっ!」
「っ!?」
「こんな可愛い彼女が目の前にいるのに考え事ですか〜?悪い人」
チュッと小さく音を立てて唇が合わさったかと思えば、いたずらっ子のように目を細めて笑うシオン
「っ、シオン…」
「どうしま…んっ!?ちょ…っ、ん……んんッ…!!」
唇を塞がれ、そのまま何度もキスをするカラスバに驚きつつもカラスバの体に腕を回す
「ぅ、ん…っ、ふ、ぁ……んんっ…」
シオンの小さな口から艶やかな声が漏れる
まじかでシオンの体温を感じる
これは偽りの体温だとしても、離す事なんて出来なかった
もう、離したくなかった
「っ…も、もう…今日はどうしたんですか…?」
糸を引いて唇が離れたあと、顔を赤くしたシオンがカラスバの顔を心配そうに除く
「ほら、もう帰りますよ!今日のご飯はオムライスにですよ〜!!」
「帰るって…どこにや」
「え?帰るって…私達の家ですよ?」
その言葉にズキッと心臓が痛む
本当にこの空間はよく出来ている
全てオレが望んでいたこと
オレが叶えたかったこと
全てが今リアルで起きているように錯覚する
「…すまん、シオン」
「え?どうしたんですか…?帰りましょ?」
シオンから離れ、手を振りほどく
そんなカラスバに首を傾げ、長い紫色の髪を揺らしてカラスバの方へ近寄る
しかしシオンが近づく度、カラスバは後ろに後退りする
「すまん、シオン」
「謝ってばっかでどうしたんですか?早く帰りましょ、私達の家に」
───バシッ!
シオンがカラスバの手を取った瞬間、カラスバはその手を強く振りほどく
それにシオンは驚いたように目を見開き固まったあと、涙を滲ませる
「な、なんで…?私何かしました…?嫌な事でもあったんですか?」
「違う、違うんや…これは、オレの…」
苦しい
偽物だとしても目の前でシオンが泣いている
苦しい、今すぐにでもまた抱き寄せてやりたい
けど、これ以上ここに居る訳にはいかない
本当のシオンの元へ帰らねば
「──カラスバ様!!」
「カラスバ!!」
後ろからジプソとアザミが呼ぶ声が聞こえる
「アザミ…?アザミじゃない!元気だった?」
「ね、姉さん……っ!こ、来ないで!」
「えっ?ア、アザミ…?どうしたの…?」
「カラスバ!早く行くよ!!」
シオンの言葉に苦しそうに顔を歪めながらもジプソと共にカラスバの腕を引っ張りシオンから離す
「!ま、まって!!どこ行くの?ねぇ」
「クソ…」
「カラスバ様、あそこに出口がありますので…」
「この空間、本当に趣味が悪い…」
後ろを振り返らずに元の世界が見えるゲートへ向かう
きっと後ろを振り返ればもう戻れない
「まって!まっ──きゃっ!?」
バタッ、と音がして後ろでシオンが倒れる音がしてカラスバの足が止まる
「カラスバ様!」
そんなカラスバをあんじたジプソがカラスバを抱き上げ出口のゲートへと向かう
「どうして、置いていくの…カラスバさんっ…」
シオンの弱々しい声が聞こえる
その声に胸が締め付けられる
「……カラスバさん、大嫌い。」
そんな声を最後に異次元ミアレを抜け出した
あれから少ししていつもの病室に戻ると、規則正しく浅い息を繰り返し眠っているシオンがいた
「…これが現実やもんな」
シオンは起きない
自分の声掛けにも反応することはない
再び地獄に突き落とされたような気分になる
しかし今目の前にいるのが本物のシオンで自分が愛してやまない女である
「ははっ……ほんま、現実は残獄やなぁ…」
髪をくしゃっと掴み顔を歪ませた