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#ヤクザ
夏目萌*優しい彼~コミカライズ
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鷹槻れん

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そのまま二人で眠りにつき、薄い朝日が差し込む部屋の中で和葉は遠くから聞こえてくる泣き声に気づいてゆっくりと目を覚ました。
「……ん」
まだ眠気の残る頭で耳を澄ませると、
「詩音!」
詩音の声だと気づき、慌てて身体を起こすと隣で眠っていた湊も目を覚ました。
「……和葉?」
「すっかり眠っちゃってた。詩音が起きたみたいで泣いてるの」
「早く行かねぇと」
二人は急いでベッドから降りると詩音の眠っている部屋へと向かう。
扉を開けると、そこには泣きじゃくりながら二人を探している詩音の姿があった。
「ママぁ……おにーちゃん……っ」
「詩音!」
和葉は駆け寄ると詩音を強く抱き締め、湊もその隣に座り詩音の頭を優しく撫でた。
「おきたら……ママ、いなかったぁ……」
不安そうに顔を歪める詩音に和葉は申し訳なさそうに抱き締める腕へ力を込めた。
「ごめんね。不安になっちゃったよね」
「……っ、ひっく……」
「詩音ちゃん、一緒にリビングに行こうか」
湊が声を掛けると詩音は涙で濡れた顔を上げて小さく頷いた。
「……うん」
湊は詩音の身体を抱き上げ、そのまま和葉も隣に並んで三人でリビングへ向かう。
ソファーに腰を下ろすと湊と和葉は詩音を間に座らせて落ち着くまで声をかけ続けた。
最初はしゃくり上げていた詩音も二人がずっと側にいてくれることが分かると、泣きやみ少しずつ呼吸を整えていく。
「……もう、大丈夫?」
和葉が優しく尋ねると詩音は小さく頷いた。
「うん……」
その様子を確認した湊はほっと息を吐いた。
「よかった。和葉、悪いけど一旦部屋に戻るな。真宙に連絡してくる」
「分かったわ」
湊は和葉に詩音を託して一度自室へ戻って行くと、スマートフォンを手にして真宙に電話を掛けた。
「朝早くに悪いな。頼みたいことがある。千宙も連れて家へ来て欲しい」
『畏まりました』
そして、その連絡から一時間程で二人が家を訪ねてきた。
「急で悪いが、千宙には今日も和葉と詩音ちゃんのことを頼みたい」
着くなりすぐに頼まれた千宙は、「任せてください」と快く引き受ける。
これで和葉と詩音のことを心配せずに動けると安堵した湊は真宙へ視線を向けると、
「真宙、今後について大切な話があるから会社で話そう」
「はい」
「それと、その話し合いに大我も呼んで欲しい
「……承知しました」
湊から副社長である鳴海 大我を呼ぶように言われた真宙は事情を察したようで、そのことには特に触れずに連絡を入れ、一時間後に社長室に来るよう伝えていた。
千宙に和葉と詩音を託した湊は真宙と共に会社へ向かう中、湊は昨晩の出来事をぽつりぽつりと話し始めた。
父親が和葉に何をしたのか。
詩音が自分の子供だったこと。
全てを聞き終えた真宙は言葉を失っていた。
「…………そんなことが、あったのですか……」
ようやく絞り出した声には驚きと動揺が滲んでいる。
「ああ……聞いた時は俺も耳を疑ったさ……まさか親父がそこまでしていたなんてな……」
「和葉様は……さぞお辛かったでしょうね……」
「……ああ、辛い思いをさせちまった。守ってやれなかった自分が、不甲斐なくて情けねぇよ」
「それは社長のせいではありません。社長が知らされていなかった以上、どうすることもできなかったではありませんか。どうかそこまでご自分を責めないでください」
真宙のその言葉に胸の奥に溜め込んでいた感情を吐き出すように、湊は低い声で続けた。
「…………詩音が俺の子供だと知った時……嬉しかったんだ。でも……同時に、すごく辛かった」
握り締められた拳に力がこもる。
「もし、あの時和葉を守れていたら……子供が出来たことを聞いて、一緒に喜んで……生まれてくる日を楽しみに待って……。三人で、当たり前みたいに幸せな時間を過ごせていたはずなんだ…………」
「社長……」
「俺が気づいていれば……もっと強ければ……。そう考え始めると、どうしようもなくなるんだ」
真宙は何も言えなかった。
湊の苦しみを理解しながらもどんな言葉を掛ければいいのか分からず、ただ今は湊の言葉を遮らずに聞くことしか出来なかった。
やがて会社へ到着すると二人はそのまま社長室へ向かい、大我の到着を待つことに。
社長室に入っても尚、湊の表情から重苦しさが消えることは無く、窓の外を眺めたまま黙り込んでいる。
そんな姿を暫く見つめていた真宙は意を決したように口を開いた。
「社長……」
「……なんだ?」
「……過去を変えることは出来ませんが、未来は変えられます。ですから今度こそ守ってあげてください……私も、精一杯お手伝いさせていただきますから。だからどうか、ご自分を責めないでください……」
「…………ああ、そうだな……過去は変えられねぇからこそ、これからが大切だよな……。勿論、何があっても二人のことは守るし、これからは誰よりも幸せにしてみせる…………だからこそ、お前や千宙、それから大我の協力が必要なんだ」
「そうですね。私や千宙は勿論ですが……副社長もきっと、社長の力になってくださると思います」
「ああ、俺もそう信じてる」
二人はそんな期待を込めながら大我の到着を待っていると、コンコンとドアをノックする音と共に、「お待たせしてすみません」という言葉を述べながら大我が姿を現した。
コメント
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うわああ第72話…!😭💕 詩音ちゃんが起きて泣いてるところ、切なすぎて胸がぎゅってなったよ… でも湊くんと和葉ちゃんが二人でしっかり抱きしめてあげてて、もう完全に家族だね…! 湊くんが過去を悔やむシーンもすごくリアルで、「過去は変えられないけど未来は変えられる」って真宙くんの言葉、めっちゃ沁みた…。 これから大我さんも交えてどんな話し合いになるんだろう?続きが気になりすぎる〜!!🔥