元貴と付き合ってから、奔放な元貴に毎日のように振り回されながらも、ときめいて俺の日々は幸せだった。
でも少し元貴に違和感を覚えだした。
ある日、2人で散歩していると野良猫を見かけた。
若井「かわいい〜人懐っこいね。」
俺が猫の喉を撫でるとゴロゴロと鳴く。
若井「俺さ、実家で猫飼ってて、うちの子そっくりなんだよな〜。」
元貴「あぁ、もずくちゃんだっけ?」
若井「そうそう……もずく……。」
あれ……?俺元貴にもずくの事話したっけ?
若井「俺もずくの事元貴に話したっけ?」
俺が聞くと、一瞬あっという表情をする。
元貴「……最初に話してたくない??」
そうだっけ?と思うけど、その場では流して終わった。
週末、俺の家で宅飲みしてる時にあるお願いをしてみる。
若井「今度、元貴の家行きたい!」
元貴「え〜僕の家?来てもつまんないよ。」
若井「家に面白いも、つまらないもないだろ。会うの俺の家ばかりだし、たまには元貴の家行かせてよ。」
その後渋る元貴を説得して、俺は元貴の家に遊びに行くことになった。
今思うとなんて馬鹿な事を言ったんだろうと、自分を恨まずにはいられない。
あの時元貴の家にさえ行かなかったらこんな事にはならなかったのに……。
若井「お邪魔しま〜す。」
元貴の家は、玄関から甘いバニラの香りが漂ってくる。
部屋の広さは一人暮らしにしては、広い様に感じる。
全体的に物が少なくて、シンプルな部屋という印象。
元貴「あっ、あの1番奥の部屋だけど、片付いてないから絶対開けちゃダメだよ?」
元貴が廊下の奥を指さして言う。その目が少しだけ怖かった。
若井「あっうん。わかった。」
俺は少したじろぐけど、すぐにニコッとした顔に戻る元貴に手を引かれリビングに通される。
しばらく飲んでると、元貴がお風呂に入るというので、リビングで1人で待ってた。
人の部屋ってなんだか落ち着かない。
”絶対開けちゃダメだよ”
さっきの元貴の言葉が思い浮かんでくる。
開けちゃダメと言われたら開けたくなるのが人の性。
なんか変なエログッズとか隠してるんじゃ?
元貴の知らない1面を見てみたいと好奇心が沸いてくる。
何か面白いものがあったらからかってやろう。
俺はリビングを出て廊下奥の例の部屋を開けてみる。
真っ暗な部屋の電気をつけると、衝撃的な光景が広がる。
若井「ーーーひっ!!!」
俺は口を抑え、腰を抜かし後ろに倒れ込む。
壁に飛び散る血の跡。棚に飾られたノコギリのような器具。ホルマリンの瓶に入った人の目。
奥のテーブルの上には、何枚もの俺の写真があって、パソコンには俺の部屋が映し出されてる。
何これ何これ。考えが全然纏まらない。
俺はふとニュースキャスターの言葉を思い出す。
『遺体は目をくり抜かれた状態で見つかっており__』
まさか、まだ捕まってない連続殺人事件の犯人が元貴……?いやそんな訳、何かの間違いに違いない……。
元貴「なーにしてんの、若井? 」
耳元で囁かれる。バッと振り向くと、いつの間にか元貴がいた。
コメント
4件
うわぁぁぁぁぁ大好き〜〜〜!!! もう不穏に不穏な要素を重ねまくってる❤️さんがやばい男すぎて大好き…… 開けてはいけない扉を好奇心で開けてしまった💙さん……後ろから急に囁かれるの怖すぎるね…… 次回が楽しみすぎる〜〜〜!!!
あぁ!!!!好き!!!!❤️さんがとにかく不穏すぎて続きが気になります...🥹🫶🏻ストーカーっぽい1面も見えて、一体💙さんどうなっちゃうんだ...