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最近、妙に私宛の手紙が多い。
ポストを除くと数十枚の紙
書かれている文字は
「愛してる」
ただ一言だけ
怖くなって最近は覗かなくなった
両親にも、実の兄弟にも言えず黙ってる。
だからせめて、彼氏に相談しようと思い彼の家を訪ねた。
彼は優しい笑顔で出迎えてくれて、少し安心した。
『どうした?』
「あの…実はね」
私は震えまじりで数百枚の手紙を渡した
「ここ最近、毎日こんな手紙が届くの…」
「ねぇ…私怖いよ…」
『うわっ…』
『大丈夫、俺が絶対守る!』
『何があっても××を守るからな。』
「…うん!大好き…」
彼は毎回私を安心させてくれる
少し安心出来る。
明日も頑張ろう、そう思えるから
でも…
何故だか今日は変に視線を感じる…
彼じゃない、他の誰かの
きっと…気のせいだろう。
「………」
グシャッ……
別視点…
「あ〜可愛いなぁ…」
「私の手紙見て焦ってる…♡」
「…ん?何処に行くのかな…」
「仕方ない、着いてくかぁ」
「変な虫けらが着いたら大変」
「……は?」
「誰、あの男。」
「抱きついて…キスまでして…」
「まさか彼氏……?」
「…………」
「今日も…手紙書いたのにな…」
ずっと、ずっと前から××ちゃんが好きだった
××ちゃんには彼氏がいる。
そんなことわかってる。
だから諦めようとしてた
でも諦めきれなかった
あんなヒモ男…何処がいいのさ
裏でパチンコ行って、他の女と夜を過ごし
飽きたらヤり逃げ、赤子を孕ませといてさ
それで他では大好きだとかキスもして
私とだってヤったら用無し
あんなのただのクソだよ。
最初は私の好きな彼を奪った××ちゃんが憎くて憎くて仕方がなかった。
でも私を捨てた彼の方が余っ程憎かった
毎日のように彼を恨んで、コピーした顔面を破いて刺して捨てて、狂ったような日々を過ごしてた。
ある日、彼と一緒に居た××ちゃんを見かけた
私は無意識にあとをつけてた
すると…××ちゃんは…
「ッ……ぅ…ひっ……ぐ…グスッ」
「私じゃッ……ダメかな……ッぁ…」
泣いてた。
あのクズ男のせいで。
私だって泣きたい気持ちになってた
でもそれとは他に…
変な感情が浮き出してた
好き。という感情が
涙でぐしゃぐしゃになった彼女はとても美しくて…なにか癖になるような気がして
その日から××ちゃんの事を狂うようにすきになってしまった。
それと他に彼を狂うように殺したくなってしまった。
なんて醜い人生なんだろう。
××視点
今日は学校が終わったら彼とデート!
とても楽しみで仕方がない
「あ、教室に筆箱忘れちゃった」
「取りに戻らないと…」
「鍵しまってないか…」
『なぁ?いいだろ?』
[ダメだよッ…ここ学校///]
「……は?」
私は思考が止まった
明らかに彼の声だ
そして知らない女の声
廊下まで聞こえるいやらしい音
そして女の喘ぎ声
私は怒りが止まらなかった
でも…苦しみが勝った
彼が浮気してたのなんか知ってた。
あの日のデート、彼が家まで送ってくれた。
でもまだ一緒にいたくてあとを追いかけてたら他の女と会ってた。
そしてホテルへ行った。
その時に気づいてた。だから別れようなんていくらだって考えた…
だけど好きすぎたから浮気してても一緒にいられればなんて思ってた……
あぁ、……馬鹿だな、私。
彼と女がいる教室の前で、私は体育座りをしながら静かに泣いてた。
その時、誰かが話しかけてくれてた
「大丈夫…?」
「え……?」
2組の○○さん。
女性らしいが男装をしてる
相変わらず美形だ。
「ぁッ……ごめんなさ…」
「…あいつのこと?」
「……」
私は小さく頷く
そうすると○○さんは私の手を引っ張って抱きしめてくれた。
「…へ…ッ?」
「私なら…××さんを悲しめないよ…」
「ぁ……え?」
突然言われた言葉に疑問が浮かぶ
何を言っているんだ、と
でも…何故か嬉しく思った。
「私ね、××ちゃんのことが好きだったの」
「外であいつと××ちゃんがデートしてた時、少し追いかけてみたら××ちゃんが泣いてて」
見られていたのか…
偶然が不幸に感じるな…
「おかしいと思うけど、可愛いって思っちゃったの…」
「男の子が好きで、女の子なんか好きになれないのは分かるよ。」
「だから髪も切って、ズボンに変えて、声帯手術もして、全部××ちゃんのためにしたの…」
「…」
変なことを言っている、そんなことすぐわかった
でも…とてつもなく嬉しくて仕方がなかった
声が出ないほど感動して、愛してもらってたことに気づいて
今、涙が止まらない
「ごめん…忘れ…え?」
「な、なんで泣いて……っ!」
「そんなに嫌だった…?!ごめんね…」
「ううん、違うよ…ッ」
チュッ
「……え?」
私は事を言う前に口付けをした
「嬉しくて、嬉しくて仕方なかった…」
「それって……」
「私の事…幸せにして欲しい」
言ってしまった
また馬鹿なことを
「…喜んで」
彼といる幸せより大きな幸せを手に入れてしまった
なんて……不幸なんだろうな