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重い瞼を開く、再び裂けた口が見える。
「ひっ……」
失礼なことを言ってしまったかもしれない。自分にとっては、少なくても怖い。怖い。
「…」
片目が隠れているせいか、表情が見て取れない。どうするべきかを考える。
しかし、分からない。ここがどこなのかも分からない、手がかりもない。
「覚えてること、ないんだ」
言われる。それは、なかったな。なんて考える。
「…………」
思い出せない。でも、嫌な思い出なのかは分かる。思い出そうとすると、気持ちが悪くなる。視線を感じる、視線を向けると僕のことを観察しているかのようにじっと見ていた。
「そっか」
それだけ、分からない。何もかも、分からない。どうしてここにいるのだろう?。
「思い出さないとね」
うなずく。声に出せる気がしない。声に出したとしても、変なことを言っちゃいそうで、とても言えなかった。再び持ち上げられる。お姫様抱っこと言うものだろうか。どこに行くのだろう。自分で歩きたいと言ったら、怒られるだろうか。「……」
無言。無言だと、嫌な雰囲気になる。なぜかは、分からない。でも、僕は、無言が嫌いだった気がする。とても。
「勝手には歩くなよ。」
思考を読み取られたように言われる。もしかして、本当に読み取れる…のか。そんなんだったら、とてもじゃないけれどバレてるのではないか。怖がっているのが。
「う”っ…」
気持ち悪さが突然襲ってくる。何も食べていないから、食べ物は出てこないはずなのに吐気がすごくある。今にでも吐きそうだ。どうしよう。こんな状況、わかんないって言うのに。抑えれるまで、抑えよう。と思う。そもそも、嘔吐なんて、知っているのだろうか。
「気持ち悪いの」
その言葉が言われた瞬間ゾッとする。思考が読み取れるなんて、と馬鹿なことを考える。実際そんなことがあるはずないのに。自分の中で、否定する。
「顔が真っ青」
否定しといてよかった。読み取られたわけじゃなかったんだ。うん。ホッとしたのも束の間。問題の吐き気は、治っていない。持ち上げられているため、抵抗は出来ない。気持ち悪いのがわかっても、対処法はないのではないか。そんなふうに思う。どうすればいい?人?というか猫?の前なんかで、吐けるわけがない。そう思っているのにどんどん吐き気はおさまるどころか激しくなってくる。
「いいよ。吐いても」
待ち侘びた言葉。なはずなのに拒んでしまう。体が拒否している。一刻も早く吐いてしまって楽になりたいのに。人前でなんか吐けるわけがない。……無理。
「う”あっ…おぇっ…お”っあ”っ……う”え”ぇっ」ビチャッビチャッ
何出てこない。そう思ったのに、色々と出てくる、いつ食事を取ったのだろうか。胃液と嘔吐物は、どんどん出てくる。頭がおかしくなる。
「お”え”っ……ごほっ…う”う”っ…っあ”っ」ビチョビチャッ
吐いた。近くの床がびしょ濡れになるまで。吐気がおさまったわけではない。けど、もう吐けるものがない。
「ご、めっ…なっ…さ…ぃ…。ごめっ、な…さ…」
言葉が思い浮かばない。このフレーズしか、言えない。わかんない。嫌に決まってるだろ。他人の嘔吐物なんて触るの。何度も言われてたのに。
「ごっ…めっ、さ…い」
どうすればいい?どうすればいい?どうすればいい?嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
結局、嘔吐物は処理してもらった。背中をさすってもらっているが、気持ち悪さが消えない。さっき吐いたはずなのに。なんでだろ…?。
長文お疲れ様です…長くなってしまい、スミマセン