よくみると殺風景なのが森に入っていて、そこそこ暗くなり始めている。怖い。暗闇は、怖い。そう感じる。
「飯、食べれる?。」
質問してくるのは、珍しいな。と思う。がこの原因不明の吐き気は少しまだあるが頷いた。
「そっか」
すると持っていた鞄から鍋を取り出している。そんな大きな物が入るのか…。そう思う。今度は、そこに生えている水玉模様のキノコを鍋に入れる。食べれるのかな。あれ。そして、瓶をいくつか取り出し、ピンクの液体や緑の液体、など色々と混ぜ合わせている。数分が経ちいい香りがしてきた。シチューのような見た目になっている。
「はい」
器に入れ差し出してきたので、受け取る。しかし、食欲が湧かないのか、水玉模様のキノコのせいなのか、食べる気が起きない。
「吐気がするのは、この世界に慣れてないから。食べないと治んない」
そんなふうに言われた。食べないと治んないと言われてもな。一口入れてみる、味は、薄い。!!?きのこの食感がなんというか、キモい。舌触りが最悪すぎる。なんだこれ。
「食べないんだね。」
そんなこと言われても…これは、どうなの。この世界?では、常識なの?。疑問がたくさん湧いてくる。そんなふうに思っていた。
「!?ん……!ん!んんっ!」
口づけをされた。拒んでいたら、辞めてくれるだろう。そう思ったのが馬鹿だった。息が吸えなくて、苦しくなってくばかりで、世界が違うなら体の構造も違うか…。仕方がない、そう思って、抵抗するのをやめた。つぎつぎ流れ込んでくる、味の薄いスープが。舌触りが最悪なきのこが。それよりも、息…が……っ
「んっんんん!っあっ…はぁっ…ぁっ…はぁっ…はぁっ」
「食べてくれたね。自分で食べるか、またこうするか」
なぜ、口づけをしたのにも関わらず、平気でいられるのか。普通なのか、この世界では。羞恥心しかない。恥ずかしい。今僕は、顔が真っ赤だろう。
「嫌でしょ。食べて」
そう言われて、器を差し出される。食べたくない。無理矢理されるのは、嫌い。嫌だ。嫌。
その後、僕は、チェシャ猫と何回も口づけを交わした。うん。忘れよう。
「ファーストキス…」
別に好きな人がいたわけではないけど、ほぼ他人となんて。忘れよう、本当に…。あれ、声に出したか今、僕。
「俺も」
チェシャ猫が言う。え?初めて?あれで?いや、基準が分かんないけど、、
「そ、うなん…だ」
「寝よ」
そう言われて気がついた。時間を気にしてなかったとはいえ、周りは真っ暗だ。どこで寝るのだろうか?。
「うわぁっ!」
つい大声を出してしまった。さっきまで人だったのに、猫になっている。しかも、めっちゃ、巨大な。
「入って」
言われるがままに従う。結構あったかい。これ、でも体温だよな。いや、余計なことを考えないようにしよう。そう思い、眠りについた。いつのまにか、さっきの吐き気は、おさまっていた。チェシャ猫が言っていたことは本当なんだな。そんなことを思いながら眠った。
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