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その時だった。突然、館内の非常ベルが鳴り響いた。
「緊急連絡──都心部にてビル崩落事故発生。多数傷病者発生。DMAT出動要請!」
救命救急室の空気が一変する。
北斗が瞬時に状況を把握し、無線に向かって叫んだ。
「全員待機!髙地、頼む」
「了解」
髙地はすでにDMATスーツを装着し、救命カートを押して走り出す。
帝都中央ビル崩落現場──
瓦礫と粉塵、響き続けるサイレン。
多数の救急車と消防隊が集結していた。
「髙地、ここは危険区域だ!慎重に!」
現場の指揮官が声を張り上げる。
「わかってます!でも、一人でも助け出さないと!」
髙地はヘルメットのバイザーを下げ、崩れかけた建物の中へ突入していく。
そこには、倒壊した鉄骨の下敷きになった若者がいた。
「意識レベルGCS9。出血あり!開放骨折!ショック状態!」
髙地はすぐに点滴を確保し、止血バルーンを装着する。
「早く搬送だ!」
その頃、病院内──
「大規模多発外傷が来るぞ!」
北斗が全館放送に叫ぶ。
「ICU2床確保!人工呼吸器2台セッティング完了」
京本が全スタッフを統率して準備を進める。
慎太郎もすでにCT室に待機。
「受け入れ順、すぐにCT回せます」
樹は手術室に走り込み、麻酔セットを次々と準備した。
「ジェシー、オペ台3つ稼働準備OK」
「今日だけで地獄だな。でも俺たちは命の砦だ」
ジェシーは静かにメスを見つめた。
1時間後──
ビル崩落の第一陣の負傷者たちが次々と運び込まれ始めた。
「複数肋骨骨折、血胸あり!」
「開放性骨盤骨折、出血性ショック!」
「頭部外傷、意識消失!」
搬送台の列が途切れることなく流れ込む。
「北斗!こっち!血圧50台に低下!」
「緊急穿刺ドレナージ!」
北斗の処置に京本が並走し、呼吸器と循環の管理を続ける。
「ヘモグロビン3.5!緊急輸血依頼中!」
田中樹が血液バンクへ指示を飛ばす。
「ジェシー、オペ台空いたぞ!」
「次、止血オペ入る!脾臓破裂確認、脾摘行く。」
オペ台では休む間もなく、命を繋ぐ闘いが続いた。
さらに数分後──
「閉じ込められてた重症患者発見、これから搬送!」
無線から緊迫した髙地の声が飛び込む。
「患者は10代女性。四肢骨折、多発臓器損傷疑い!」
「慎太郎、CT準備!ジェシー、また追加オペだ!」
「任せろ。来るなら全部受け止める」
ジェシーの目が戦闘モードに切り替わる。
⸻
病院は今、まさに地獄と化していた。
彼らSixTONESは、その地獄の中心で、命の最後の砦として立ち続けていた。
しかし、これはまだ序章に過ぎなかった――。