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Heartbeat
snjn 微エロ
いつもの夜。
いつもの体温。
いつも通りの勇斗の素肌。
離れる必要のない真夜中の静かな温もり。
「…」
ピッタリとくっついた身体なのに、半身では満足出来なくなる。
もっともっとくっついてたい。
二人の境目なんて無くなるくらいに、溶け合うように一つになれたらいいのに。
勇斗の胸に顔を乗せて耳をくっつけると、規則正しい音が聞こえてくる。
トクン、トクン、と鳴る心臓の音。
永遠に続きそうな心音が耳を通して俺の頭に響いてくる。
「…仁人、どした」
上から聞こえてくる優しい掠れた声が、俺をもっと感傷的にする。
「…」
トクン、トクン、トクン…
ただ動いている心臓の音すら愛おしい。
俺をいつも大切に扱う勇斗が愛しい。
離れたくない。
聞き逃さないようにと、ピッタリとくっついて離れることをしない俺にもう一度勇斗が声をかけた。
「仁ちゃん?」
「…うん」
「…どうしたの?」
「…はやとの心臓の、音」
「…それがどしたの?」
「……ずっとずっと続いたらいいのに」
「…え?」
会話をしていても変わらず鳴る音が心地よくて、泣きそうになる。
幸せなのに切なくて…勇斗の素肌が尊くて、涙が込上がる。
グズッ…
つい鼻水を啜った俺に勇斗が驚いたように上体を起こした。
俺の襟足に触れる手が確かめようとする。
「仁人、」
「…」
「泣いてるの?」
「…うん」
「なんで…」
さっきまでの目交いの余韻の中で泣き出した俺を、心配そうに見つめる勇斗。
どうしてこんなに悲しいんだろう。
俺の口から、取り留めもない言葉が漏れ出した。
「…なんか…悲しい」
「…うん?」
「勇斗の、心臓の音が…」
「俺の心臓?」
「…うん…ずっと、続けばいいのにって」
「…」
「だけど…きっと永遠じゃない、から…」
裸のまま子供のように拙い言葉を伝える俺の肩に手を置いたまま、伺うように聞いている勇斗。
「…いつか…止まっちゃう」
「…」
「それが凄く…悲しい」
「…」
上体を起こして黙って聞いている勇斗の胸にするりと縋り付く。
またピッタリと密着するが、全然足りない。
「…全部取っておけたらいいのに」
「…なにを?」
「…今を」
「…うーん」
纏うものがなにもないから、素肌に回された腕が気持ちいい。
密着した身体が心地いい。
流れる涙が温かい。
「…永遠はないけどさ」
「…」
「今出来ることを精一杯にやるって、決めたじゃん」
「…」
「俺たちで」
「…うん」
「俺と仁人も、今こうやって居られる幸せを考えよ?」
「…」
「…嬉しいよ」
「…ん」
「ずっと俺と生きていきたいってことでしょ?」
「…そうだよ」
「…プロポーズみたいじゃん」
「…勇斗しかいらないもん」
「…うん」
俺を抱き留める腕にぎゅうっと力が込められた。
本当は、他にも必要なものはあった。
5人で居れる時間も、家族も、ステージも、仕事も。
だけど俺の根本にある、俺を生きながらえさせてくれるパワーの湧き出る場所は、勇斗の腕の中なんだ。
「……俺もききたい」
「…え?あっ…」
そのままベッドに押し倒されて、今度は勇斗が俺の胸に耳を当てた。
「……鳴ってるね」
「…うん」
「…あー…なんか、分かるかも」
「…うん?」
「仁人の心臓…鳴ってる」
「…うん」
「すっげー…尊いね」
勇斗の顔は見えないけど、ふんわりと笑った気がする。
「…そっかあ…」
「…」
「…」
その時、すすすっと勇斗の指先が俺のお腹に触れて登ってきた。
「ん…」
「…あ」
「…んっ」
「…ちょっと変わった」
右の胸に触れた勇斗が言った。
「んぅ…」
「…」
左の胸に耳を押し当てたまま、右の胸を触りだした勇斗。
なんか…妙に恥ずかしい。
「あっ…あ…」
「ドキドキし始めたね」
「んっ、あ、」
「ほら…ドキドキって」
胸の先を指の腹が優しく擦る。
さっき吐き出したばかりの欲が小さな塊になってまた俺のお腹に戻ってきたみたいだった。
「んっ、んぅ…あっ」
「…コリコリしてきたよ」
「やっ…んっ」
「ドキドキもしてる」
「あ…ぁぅ…」
頭の中がじんわりと快感で覆われて、不安も悲しみも、少しづつ遠くなる。
勇斗の声と、温もりと、優しく触れる指先。
それだけで頭がいっぱいになる…。
「あ…あ…はや、と…っ」
「…ん、なに…?」
「んっ…す、き」
「…俺もすき」
「あっ…すき」
「…すき」
これからまた身体も心も丸ごと愛される予感。
真夜中の感傷は、勇斗の手で温められて溶かされて、丸ごと食べられた。
それが嬉しくて…俺は身体を震わせて喘いだ。
すき…すき…勇斗がすき……。
願わくばこのまま。
永遠なんてなくても…。
fin
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