テラーノベル
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うぉおおおおおおおおおおお!!!気合いだ気合い!!!
⚠️ことはちゃんの口調全く分からない
⚠️語彙力が日々低下している
その名前を聞いた時、人々は顔を合わせて言う。「落ちこぼれの吹き溜まりだ」
「毎日喧嘩しかしないし出来ない偏差値最低辺のくせに喧嘩最強の学校」
「喧嘩をする暇があるならもっと社会を勉強すればいいのに。あんなのしかいないから底辺の嫌われ者って全員から呼ばれているのよ。」
「普通の生徒が誰一人も入らない理由なんて明らかよ。お盆や正月の時も争うなんて、、、馬鹿らしいわよねぇ」
ケンカしか取り柄のない学校。それが正に風鈴高校を表す言葉だった。そして町の人々からそう呼ばれた。
いや、正確には、呼ばれていた。二年前までは。
遥から何故風鈴に来たか聞いてから、ことはは頭の中でそう考えた。
きっと遥はまだ今の風鈴高校を知らないのだ。
「…ずいぶん期待値が高いのね。あ-!だから遥学校明日からなのに制服着てんだ!ワクワクしちゃった?」
「んなっ!?ち、ちげ-しこれはあれだ、、、引っ越してきたばっかで服がねーんだ!」
「そ〜すか、そ〜すか-、楽しみっすよね学校生活〜」
「て、てめぇ、表に来い!!」
また真っ赤になった顔を見てつい意地悪く笑ってしまった。今にも飛び掛かって来そうな顔と体制を取った遥から逃げるように常連客の一人の山じいに駆け寄った。
「ことはちゃんご馳走様、お金は机の上に置いてあるよ。」
「は-い、山じいいつもありがとね〜」
見送ろうとした直後、足音が近づいたと思えば遥が可愛らしいリボンの付いた袋を持ち上げて立っていた。
「…おい、じいさん…に、荷物忘れてんぞ」
「…」
「これは大変だ!!いやいや最近物忘れが酷くて」
最初、遥に会ってからなんとなく分かった事が三つか四つあった。
1.喧嘩が強い
2.とても綺麗な顔をしている(初めて見た時、髪と顔のせいで勝手に女の子だと思っていた)
3.すぐ赤くなりやすい
4.そして、、、多分、他とは違う見た目のせいで過去に何かが起きたせいで自己肯定感がすごく低い。いや違うな、無理矢理そう思わされたんだろう。
山じいから受け取った飴を渡した後、自分のナリがあ-だこ-だからと言い、警戒心をもっと強めた方がいいと怒っている(注意している?)遥を見れば一発で分かる。
ことはには理解が出来ない。こんなに綺麗な上、言葉には出さないが優しい遥が何故、ただ他人とは違う見た目のせいで嫌われるのだろう?目が洞穴なのではないか。
「いやぁ〜、初めて遥を見た時さ、『随分と綺麗な子がいるな-』って思ったんだよね〜、もちろん今は違うけど」
「は、はぁ?!」ほら、また赤くなってる。
多分誰だって遥を一目見た時は男だと気付かないだろう。白い肌に琥珀色のビ-玉と黒色の瞳、かなり(乱暴に)伸ばされているツートーンの髪、長いまつ毛に絶対に身長の割りに細い体。女装でもしたら男だとバレなくね?と思うぐらい中性的だ。
「遥、あんた風鈴選んで正解だったよ。でもね…」
遥にアレは厳しい。きっと一匹狼を長い間していたからだろう。“てっぺん”を取るのだって、現実はそう簡単にいかない。
それは絶対に今は起きない。何故なら…
「あんたに風鈴のてっぺんは取れない。絶対にね。」
「は?」
「たしかに腕っぷしは強いのかもね。それでもてっぺんは取れないわ。」
そう口にした直後、頭に来たのか遥は愚痴を言いながら店から出ていった。
「『誰かに頼らなきゃ勝てねぇほど俺は弱くねぇ』ね、、、」
遥が出ていってものの数分経った頃だった。
誰かが、いや、遥の叫ぶ声が聞こえた。その直後、何回か悲鳴と叫び声、蹴り飛ばす音と骨が折れる音が聞こえたのは覚えている。
誰かが、いや、遥の叫ぶ声が聞こえた。ガラスが割れる音や何かが倒れる音が次々と耳に響いた。
出ようと外を見たら、相手の蹴りや殴りを避けている喧嘩真っ只中の遥と目が合って、
「中にいろ」って言われてもないけど睨まれた時なんとなく分かった。
-15分前-
わけがわからねぇ。
「お-お-お前から来てくれるとは思わなかったぜ-」
「“フ-リン小僧”」
気味悪がるような視線。聞こえないように喋る素振りをみせてくるくせに本当は聞こえるようにお互い喋る奴ら。
「うっわぁ、何だよあのナリwww」
「気色わりぃな、よくあんな見た目して堂々と歩けるよなwww」
「おいおいんな事言うなよ〜、可哀想じゃねぇかwww」
慣れてんだよ、全部。こんな面してる以上、こういうもんには嫌でも慣れる。
「おいおい無視かよぉ、んなダセ-見た目してんじゃあ忘れたくても忘れねぇけどなぁ」
「カラコンにメッシュとかコスプレかよwww」
「…」
「ん?いやまて、お前これ地毛か?!目もカラコンじゃねぇじゃん!!」
「え、マジ地毛なん?!」
「ネコかよ、キモ〜」
「気持ちわりぃ」
こっちが正しい…コレが普通の反応だ…
他者からはいつも、
拒否、
拒絶、
否定…
けどそれはもう全部とっくの前に諦めた…
はずなのに…
離れていくのはそっちだと知ってるはずなのに。
なんで、、、俺はまた、、、
誰かに何かをしたって、ロクな事になんねぇ-のに。
『さっきのお孫さんへのプレゼントなんだって。
「助かりました」
「ありがとう」
って。』
、、、ホントに俺は、何がしたいんだ?
何分か経った後にはもう殴る音や蹴る時の音は聞こえなくなり、気になって外に出た瞬間、目に入ったのは地面に座った遥を囲むようにある何十人と転がった死体(ではなく遥にやられた野郎ども)があった。
っていうか相手はボッコボコにされてるのに遥には傷一つ見当たらない。息切れもしていないようだしやっぱ遥は強いな。
「ぼうや、足怪我してるんだろ?」
あ、本当だ。左の足首にナイフに刺されたような跡がある。でも、遥あのおばあちゃん警戒してるな。手当しようとしてる事に分かっているのかないのか、少し動揺した彼を見て、様子を見るために近くに寄った。
「や、やめろ!!」
やっぱりそうなるか。
もっと近くに寄り、遥の前に立った後膝を床に着き、抵抗感を感じないと分かり左足のズボンを巻き上げた。
「…あのね、遥。この街はギャングやらの喧嘩の抗争で治安は最悪だったの。だけど、正確には二年前。その時から街は変わったの。」
「そして、変えたのは風鈴高校の生徒たち。」
「、、は?」
「信じられないかもしれないけど、彼らは初めに街の入り口に看板を立てた。」
「…それはもともと風鈴高校の名のもとに書かれていたけど、街の人々がいつしか彼らに新しく名前をつけたの。」
「そして皆んな、彼らをこう呼ぶようになった…街を守るためケンカをする彼らに、」
「防風“鈴”。この街の盾、ウィンドブレーカーと…」
なんだよそれ…俺みたいなナリでケンカして、それでも認められるって?!はぁ?!
「遥、私はあんたが“ヒトリ”だって言った。だけど、なりたくてなったわけじゃ無いのは見てて分かる…つもり…だけど、」
「この街の人は、遥を必要とするわ」
「ッ勝手な事言うな、俺は誰も必要じゃないし誰とも関わらない!「じゃあなんで」
「山じいの忘れ物持ってきてくれたの?なんであのチンピラ共が来た時に、外に出るな、って言って人質が出ないようにしてたの?」
「んなコトしてねぇ!」
「あんたは他人を諦めてない。諦めなくていい。少なくとも私は遥を向いてる。だからあんたも、コッチを向きな。」
「そうすればきっと…あんたが望んだものになれるよ。」
「ッッ!ハッ、俺みたいな不良が正義のヒ-ロ-気取りみたいなコトをすんのかよ。なにがボウフリンだ、なにが街の盾だ、んなの…」
もし、ケンカをしてもここでいられるのか?…ここなら、誰かといられるのか?
「めちゃくちゃかっこいいじゃねぇか!!」
ナイフを持って来た男の顔を飛び跳ねて蹴った遥の表情を見て皆驚いた。初めて、彼の硬い表情(照れ顔は除いて)から、好戦的な笑みが浮かべられたのだ。
その少し傾いた夕日に照らされた横顔と肩の少し下まで伸ばされた銀色と黒色の髪が靡くのを、皆静かに、知らず知らずの内に見惚れて見入っていたのに気が付いたのは、遥が
「な、なに見てんだよ!!」と言った後だった。
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