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やっと本作で二話だよ!!!!やっと、やっとにれ-が出てきたよ!!!!新しい話出すの不定期ですみません、、、にれ-イイよね、、、癒し要員みたいで正にポメラニアン、、、(語彙力)
先日買ったばかりの派手な紫色のシャツに、強そうなこれまた派手なサングラス。染めた今は金髪の髪も「新しい風の吹き替え」と言い訳しながら少し、、、いやかなりイメチェンして、
「いってきまーす!」とドアを開けながら誰かに聞こえるように大声で叫んだ。幼い頃からの癖でこの歳になっても中々抜けない。
晴れ晴れとした空を見上げながら、家にいる時にすれば良かったチェックを手早くした。忘れ物などがないか確認した後、ポケットからサングラスを取って掛けたら、もう心のどこかにあった不安は消えていた。
「…よし!!!」
今日から自分は変わるのだ。もうあの時の自分とは違う、街を守るためのヒ-ロ-になるために。そして、あの人たちに、少しでも追いつきたいという思いを馳せながら、行きつけのカフェへ足を運んだ。
一方遥はというと、
「さっさと降りろ、俺を足につかうなんざいい度胸じゃねぇか!!」
と不機嫌な顔をしながら気の強いおばあちゃんにちょうどいいと勝手に背中を叩かれた挙句老人だからとポトフに連れていけと言われ、今店に入ったからと背に抱えていたおばあちゃんにキレていた。
「さとうのばあちゃん!」
「おはよ-ことはちゃん、ちょうどそこに綺麗なおねぇちゃんがいたからおんぶさせて来たんだよ。それにしても、この高さから降りろってのかい?年寄りをなんだと思ってんのさ。」
「ッたたきおとすぞ!!」“綺麗なおねえちゃん”と言われたことに対してなにも言わないのは自分の事だと分かっていないのだからかだろうか。
まぁ普通は一目見た時に女だと言われても彼の男としてのプライドが傷つくだけだからノ-コメントにしとこう、とことはは揶揄いそうになった自分を抑えた。
「まったく、、、気の利かない子だね」呆れながらそう言うとさとうのおばあちゃんはア●ンジャーズのように遥の背中から飛び降りて着地した。
そしてさも当然のようにスタスタと歩く老人に、遥は先ほど腰が痛いから歩けないと言っていたおばあちゃんを黙視した。そしてハッとし彼女にありえない物を見るような視線を向ける遥。
「ああ!!?さっきは腰がいたくて立てねぇって言ってたくせに!!」
それを聞いた瞬間ことはと老人はピタリと止まる。
(そうか、、、遥まだ来たばかりで知らないのか、さとうのおばあちゃんこの街で上位に入るぐらい年とってるけどめっちゃ元気なんだよね、、、)
「…」
「…」
「…あ-いたたたた腰が痛くて歩くのがやっとだよ」
「さっきまで立って歩けねぇって言ってたやつが何言ってやがる!」
「でもまぁなんだかんだ言って風鈴の子だねぇ…」老人は椅子に腰掛けながら言う。
「助かったよ…ありがとう…」
「ありがとう」と言われた瞬間赤くなり、遥はおばあちゃんの荷物を持ったままぐぬぬとした表情をしながら店の外へ足を進める。
「〜ッッッッくっそ、俺はもう行くぞ!!」
「あ-あ、タマゴサンド作ったんだけど、誰か食べてくれないかな〜。さとうのおばあちゃんはもう他の物食べてるしな-」
「!」昨日遥が食べた謎の黄色い物体。あんな恐ろしく美味しいモノを作れるという事は、その“タマゴサンド”というものも…??
そう思いながらゆっくりと振り返った後、ことはの作ったタマゴサンドの匂いに惑わされまだ慣れなにカウンターにのそのそと座った。
「いよいよ今日から入学式ね!、、、でも今日って昼過ぎからじゃなかった?」
「う、」
くるりと振り向くと分かりやすく視線を逸らす遥。その様子にある答えが思いつき、「うひょひょっ」と思わず口が笑った。
「わくわくしちゃった?」と手を手元に置き、楽しそうに言ったからか、
「ち、ちげ-し!!散歩してただけだし!!」と返ってきた。本当に遥を揶揄うの楽しい。
「ふ-ん…まぁわくわくしてて良いんじゃない?おもしろいヤツたくさんいるしね!」
「、だっ…だだだからちげ-って「こっとはさぁぁぁぁん!!」
派手に転んだ音と共にやってきた謎の男に警戒する猫を見つめながら、ことはは楡井に目を向けた。
「おや、にれ-ちゃんおはよー」
(このばあちゃん誰にでも「ちゃん」付けするのか?)
「おはよっすさとうのばあちゃん!!ど-すかことはさん!俺の風鈴制服姿!!決まってるっしょ!」
(こいつもふうりんなのか?)
「…タグついてんぞ」
「え、あ…本当…だッ、」
これまた派手に転ぶ楡井を遥は呆気を通り越した変な顔で見つめた。
「あれ-おかしいな-とれないな-」
「…」
やっと取れたあと「たは-っ」という効果音が出そうな間抜けな顔で手を後ろに回し、
「俺としたことがズボンのタッグもとり忘れてたっす!」と堂々と言った彼に心底呆れた顔で思わず、
「…これもふうりんなの?」と遥は思わず口から溢してしまった。
「そ-よ-、今日から二人とも同級生ね-」
“これ”と言われたことが気に入らなかった楡井は必死に反撃(?)した。
「こっ、これとはなんすか!!そっちこそ見たことない顔っすね!!もしかして街の外から来たんじゃないっすか?!」
「そ-d「それに!!!なんすか!なんすか!!その髪にその目!!」
「あぁ?なんだよ…」早口でこっちに話す時間をくれない上、見た目を貶されると思った遥は相手を睨もうとs――
「ストレスっすか?」
ストレス。
え すとれす???
すと、、、すとれす…
酢賭レ素??
「あっはっはっはっはっは!!」
ビクッ!
「ッおい!!」
「ごめんごめん、にれ-、この子は遥よ。昨日からこの街に来たの」
「で…こっちが楡井。」にれ-。コイツん名前か。
「遥??この街の外で遥は聞いたことないっすね、そんな無名のやつがどうしてこの街に…」
「…」苛立ちながらことはの方に顔を向けると、「悪気はないのよ」と言われた。なぜかソレを聞くともっと苛立ったが抑えた。
「知ってるんスか?!風鈴高校はただの学校じゃないんすよ!?ボウフウリンの人たちは街を守るために立ち上がった人たちです。弱きを助けを悪をくじく、正に正義の味方っす!」
「風鈴に集まる人たちは皆んなそんな先輩達に憧れて“自分も街を守る”って思いを持った人たちでめちゃくちゃカッコいいんす!!もちろん俺もその一人っす!それなのに!!」
「無名で街に縁もゆかりもない奴がどうして風鈴に来るんすか?!」
ペラペラと延々と喋る楡井は長文を言った後息も切らさず遥のことを“怪しい人”と捉えているのか何故風鈴に来たのか聞いてきた。そして遥はそこでたった一言発した。
「(まぁ満足もあっけど)楽しそうだから」
「…え、何が?、ああ!!もうこんな時間だったんすね!ことはさん俺行くっすね!!」
「あれ…いつもの朝ごはん食べていかないの?」
「今日は制服見せに来ただけなんす…入学式までに3周街の見回りしようと思って、」
「今日から俺も、正義の味方っすから!」
そう満足気に微笑んで扉を開けて出ようとした途端頭をぶつけて「えへへ」と言いながらまた出た瞬間派手な音と共に転んだであろう楡井を知らず知らずの内に心配になった遥だった。