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地区大会のあと
心はまだ空っぽだった。
目の前の勉強にも身が入らない。
部活に行くのが億劫になった。
こんなにも剣道を嫌うことなど無かったからだ。
その次のインターハイ予選に向けて練習を行う
もちろん出れるわけではないが練習はするとのこと。
もう嫌だった。あんなに輝かしかったはずなのに…
もう考えたくない…
来る日も来る日も意味のない日々
帰り道、晴天ではあっても気持ちと相反してるような変な感じだった。
心は常に空っぽだった。
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壮行式がある
SNSのライブ配信だそうだ
各部、演出のような雰囲気でこの夏を熱く盛り上げている。
俺は教室でその姿を見ている。
そして、各部の壮行式は演出がよく効いており
見る者熱く、そして背中を押したくなるような演出で全校が盛り上がった。
壮行式は順々に回り
剣道部の順番がくる
袴に道着、道着の袖には学校の名前
竹刀と垂れ、胴
試合仕込みだ…
「僕たち剣道部は明日明後日行われる、高校総体に出場します。3年生にとっては最後の大会となるので日々培ってきた力を明日は思い切り発揮し悔いのない試合をします!」
これを言ったのは
あの先輩だった。
「…ッ!」
胸が締め付けられた。
本当ならそこにいたかったから
たくさんの人に背中を押して欲しかった。
大好きな剣道を曲げきった
「俺はいいですよ」なんて言いたく無かった。
この夏の総体、3年が主体でもあり各部2年も熱が入っており、2年間ともに過ごした先輩の背中を押すのだから…
10分くらい説明が終わったが
1時間のように感じた。
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その後壮行式のVTRが終わり
気持ちは落ち着いていなかった
そして放課後…
最後の先輩との練習
なんて、行かなかった。
仮病を使った。
いつもより、早い時間の電車
部活終わりの人もおらず、空いていた。
というか,そうであって良かった。
あの,熱量を見てしまったからだ…
その間、先輩たちと同級生は最後の稽古
俺は家で1人
…泣いていた。
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大会当日、しぶしぶ準備して家を出る。
家を出る時,母がこう言ったのを覚えている。
「思い出ができるといいね」
胸が痛くなった。
この大会で俺は何かを作るわけでもなく
ただただ観客先で試合を見るだけなのに
母の言葉には慈悲があり 耐え難いが悔しさがあり、そして 同時に込み上げて来た色々な何か…
俺はその言葉を受け膝から崩れ落ち昨日以上に泣いた。
母は抱きしめて涙ぐんでくれた。
こけこっこ
自分とは、これほどまでに弱いのか
ただただ弱さに打ちのめされた。
乗るはずの電車は過ぎ、親が学校まで送ってくれた。
そして,遅れて到着
顧問の車では収まらないのでレンタカーを借りており、その後ミーティングを済ませ乗車する。そして今から先輩3人とのラストを見届ける。
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