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摩浪side
1週間後
用事を全て済ませ兵庫に戻る。窓から外を見ていると路成からlineがきた。
【路「先着いた」】
摩『了解っと』
返信完了。
今俺はバスに乗っている。店近くの停留所まであと少し。バスに揺られながらある事を考えていた。
摩『(イップスの話は明日しようかな。今日は疲れてるだろうし)』
色々考えていると停留所到着、バスを降り歩く。夜になっているため周りは暗いが建物から溢れる光が優しく地面を明るくする。
男1「そこの姉ちゃん」
摩『はい?』
男2「俺らと遊ばねぇ?」
摩『いえ、先約あるし急いでるので結構です』
なんでナンパするんだよ、いい歳した大人だろうが。しかも酔っ払い。てか俺男、女じゃねえよ。
男1「いいじゃん。行こうや!」
摩『チッ…。あの急いでるんで』
男2「オレらの方が楽しいで」
摩「(いや、それは無いわ)」
女と間違えてナンパして、自分と遊べば楽しいとか言うやつ本当に嫌だ。今男だって言っても信じないだろうし、後から男だって気づかれて騒がれても面倒臭い。やっぱ嫌だわ。
摩『それ以上やめてくんないかな?』
男2「そんなん言わんで行こうや!」
摩『あのさぁ?悪いことは言わないから今すぐどっか行って。大事な先約あるの』
男1「そんなものよりオレらの方がいいからさ」
摩『執拗い男は嫌われるよ?うち、あんたらのこと大っ嫌いになっちゃった(笑』
男1「このクソガキ!」
すると1人の男が俺の腕を強く掴み無理やり連れて行こうとする。こいつらのために言って上げたのに、強硬手段に出やがった。もうヤダわぁ〜こういう連中。俺は拳に力を入れて臨戦態勢に入る。
摩『あ〜もぉ…俺キレちゃった』( ꐦ´꒳`)
??「何してんねん。その子の手離し」
声が聞こえる方を向くと、そこには大耳さんがいた。私服だと父性感爆発してるなぁ。
耳「俺の連れになんか用か?」
男1「あ?この女の知り合いか?」
耳「(こいつら摩浪のこと女って勘違いしとる)」
男2「どうなんだよ!あ”ぁ”!?」
大耳さんはガラ(と頭)の悪い2人組に臆することなく対応している。彼が落ち着いた冷静な人で助かった。
耳「知り合いもなにも俺の女やけど?」
摩『(わお、すげぇ)』
男1「ハッタリだろ!」
耳『執拗いなぁ』
すると、少しづつ距離を縮め俺の元へ到着。彼は俺の方に優しく触れ自分の方に引き寄せた。
摩『(この人、彼女できた?いやでも出来てたらこんなやり方しないよな)』
耳「警察呼ぼか。そしたら家まで送って貰えるかもやで?どうする?」
190cmの圧に耐えられなくなったのか2人組は逃げるようにその場を去った。
摩『ありがとうございます。大耳さん』
耳「無事で良かった。次から気ぃつけてな」
摩『はーい。そういえば何でここに』
耳「明日休みやから治の店行こかなって」
ちょうどいいタイミング。俺も行くことを伝えると、一緒に行こうってなった。
耳「まさか女に間違われるとはな(笑」
摩『俺、男なんすけど。本当に嫌だ』ムスッ
耳「さっきみたいな連中、特に酔っ払いの言う事はほっとき。無視や無視」
なんて雑談をしていると治さんの店に到着。中に入ると路成は既に飲んでいた、しかも北さんと。
赤「おー、摩浪来たんか〜って…」
摩「どした?」
赤「この浮気者〜!いつの間に練と出来てたんか!いつからや!」
北「路成酔うのが早い。摩浪は浮気しとらん」
路成は少し酔ってる。でも北さんのおかげで何とか落ち着いた。何で路成が急にあんな事言い出すのかと考えていたら、大耳さんが話してくれた。
耳「路成すまん。さっき摩浪がそこでナンパされとったから、再発防止のためにくっついてただけや」
赤「そか〜、なら〜…よし!おおきに!」
摩『本当にありがとうございます。お礼に奢らせてください』
耳「気にせんでええよ」
そういうわけにもいかず結局奢ることにした。それから俺たちは席につき注文。料理がくるまで雑談。途中から銀さんも来て、店内は身内だらけになった。
銀「摩浪、この前の雑誌見たで。表紙かっこ良かった!さすがやな!」
摩『ふふ、ありがとうです』
北「俺も買って読んだ。そういやあのオレンジ髪の子って日向か?烏野の」
摩『はい、頼んだらおk貰えて』
話によるとあの雑誌はかなり売れたらしい。なんなら北さん達も買ったとか。SNSではオレンジ髪のイケメンは誰なのかとちょっと騒がれている。
摩『高校を卒業して1年後にブラジルに1人で行ったそうです。ビーチで修行したいとか』
治「1人かぁ。初日の方大変やったやろうな」
摩『部屋の隅でシュンってなったそうです』
銀「やっぱなるんか」
赤「それより!摩浪、ナンパの話を聞かせろ」
ハイペースで飲み始めたのかさっきよりヤバい感じになってきた。めっちゃ抱きついてくる。
摩『女に間違われただけ』
赤「んう…あとは?」
摩『その後大耳さんが来て、「俺の女」って言って助けてもらった感じ』
治「ぶふっ!、俺の女(笑」
赤「やっぱ浮気やん!」
耳「してないて(笑。あのやり方しか無かったんや。それに摩浪が今にも殴り掛かる顔してたから」
酔い回るが早い。これでかなりの酒豪だから飲む量も多すぎることがあるから心配。
赤「家帰ったらぁ…覚えとけ〜、ボケ〜」
摩『どうせ寝てるから無理だね』
赤「寝らん!」
て言うけど絶対寝てるから大丈夫。ほろ酔いとかだったら襲われるけど、ガチ酔いしてる時はだいたい寝ちゃうから。
摩『はいはい』
北「摩浪は路成の扱い慣れてきたな」
摩『大変ですけどね、特に酔ったとき』
そこから数十分間で3人が潰れて寝てしまった。北さんと路成は飲みすぎて寝た、銀さんはそんな2人に付き合っていたせいで寝た。
残っているのは俺と大耳さん。
耳「見事に潰れたな」
摩『大耳さんは強い方ですね』
耳「あんま飲んでないから」
摩『とか言ってハイボール3杯目』
酒強い人って何でそんなに強いんだろうって思う。体質?とか色々あるのかな。てか路成は、明日二日酔いになりそう。
治「摩浪は酒飲まんの?」
摩『飲むのを控えてるんです。まぁ1度も飲んでないけど(笑』
治「いつか摩浪と飲みたいわ」
摩『ふふ。じゃあ、その時は皆さんおすすめの酒、教えてください』
なんてこと言いながら食事してると、頭をわしゃわしゃと撫でられた。治さんも大耳さんも、俺の言ったことが嬉しかったのか笑っていた。
少し時間が経ち、そろそろ帰ることにする。
摩『路成、帰るよ』
赤「ん〜…歩けん」
摩『近くの駐車場まで行こ、俺の車止めてる。北さん達も乗って行きませんか?送ります』
北「甘えてもええか?」
ということで治さんの店を出て駐車場まで向かう。路成はよろよろ歩いてるからコケないか心配だし、途中で寝ちゃいそう。
北「ちと飲みすぎた。銀、すまんな」
銀「いえ、大丈夫…です」
摩『着きましたよ。皆さん先に車乗ってください』
先に車に乗ってもらい、俺は自動販売機で飲み物買った。今はあんまり酔いを覚ましたくないかもだからとりあえず水だけ。
摩『お待たせでーす。水どぞ』
全員に水を配り車発進。途中で北さん達を降ろしながら、俺たちも家に帰る。