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#暁山瑞希
ねる
1,689
「…………分からない…」
さっき、司が死んだ。
いやさっきというべきか。
未来というべきなのか。
司が死んだ。その瞬間、2時間前に巻き戻ったのだ。タイムスリップという言葉が1番合うだろう。だが類は信じられなかった。時間が巻き戻るなんてそんな非現実的な事あるだろうか?
色々考えたが、埒が明かないと思い、とりあえず司と待ち合わせをしていたので会いに行くことにした。
8月15日土曜日 午前11時頃
「お!類こっちだぞ!」
────変わらない。
本当に、表情も、髪の乱れも、服装も、何もかもが変わらない。
違和感がないように、悟られないように。
「っ、やぁ司くん。」
変じゃないだろうか。大丈夫だろうか。
類の頭の中はそれだけでいっぱいだった。
「おはよう類!!」
大丈夫だったようだ。ひとまず安心だ。
「、うん。おはよう。」
いつも通り。いつも通りに。
…いつも通りってなんだ。
「ではカフェに行こう!類!」
「…そう、だね。」
大丈夫だろうか。またああならないだろうか。不安で仕方がない。
──司くんが、死んだら。
ダメだ。やめろそんなことを考えるのは。
「……類。」
ビクッ
「…な、なんだい司くん。」
「…お前、今日なんか変じゃないか?」
「……え。」
ヤバい。バレてる。流石司くん。
いや尊敬してる場合じゃない。どうやって誤魔化す。本当の事話したって意味ないし、特にこれといった言い訳も思いつかない。どうする。
「…いや、普通じゃないかな。」
「………そうか…」
それだけ言って、司は特に追及はしなかった。 不幸中の幸いだ。良かった。
そこで、例の横断歩道に近づいていることに気づいた。
「…っ、」
「……類?大丈夫か?顔が強ばってるぞ。 」
司がつんつんと類の頬をつつく。
「へっ」
思わず間抜けな声が出てしまった。
「ふはっ、大丈夫か?類。」
司がいつもの優しい笑顔で笑いかけた。
ときめいてる場合じゃない。
「あ、ああ。大丈夫だよ。」
とか言いながら、心臓はバクバクで全く大丈夫じゃない類だった。
すると、前の猫がまたにゃー、と赤信号にも関わらず横断歩道へ飛び出した。
「なっ、おい危なっ…!!」
「っ、司くんダメだ!!」
司が飛び出そうとしたので、腕をぐいっと引いて自分に引き寄せた。
「っ、おい類!!猫が…!」
「ダメだ…!司くんが行ったら…!!」
すると猫は何事もなく、反対側の歩道へと走っていった。
「…ぇ。」
なぜ。
前はトラックが近づいてきてたのに。
すると類は、パッとスマホの画面を見た。
8月15日土曜日 午前11時15分
…時間も関係してるのか。
「……おい類?そろそろ…離してくれないか?」
まだ司の腕を掴んだままだったようだ。
「…っ、ごめんよ。司くん。」
「いや別にオレは大丈夫だが…」
類の顔をまじまじと見つめて
「………なにか、ついてるかい?」
「…いや、やっぱり今日のお前…
いつもとなんか違う気がするんだが…」
ドキッ
「…そんな、こと…ないよ、きっと。」
「…そうか…?」
あまり納得していないようだが、とりあえずカフェに向かい始める。
類の心臓はバクバク鳴っていた。
大丈夫。前は12時だったはずだから、12時になるまでは安全だ。安全なはず。
……12時になってしまったら。
いや僕が守ればいいんだ。
────たとえ犠牲になってでも。
一応キャラクター紹介↓
天馬 司
男 20歳 172cm
・声がデカい
・ナルシスト気味だが仲間思いで優しい
・類とお付き合い中
神代 類
男 20歳 182cm
・少し変わり者の高身長男子
・野菜が嫌い(食べるくらいなら死ぬ)
・司とお付き合い中
つづく(であろう)
コメント
1件
うわっ、タイムリープものか…!1話で司が死んだ直後に2時間前へ戻ってきたって流れ、もう心臓バクバクだったよ。類の「いつも通りってなんだ」って内省とか、信号無視の猫を追おうとする司を必死で止めるシーンとか、守りたい気持ちが痛いほど伝わってきた。「たとえ犠牲になってでも」って覚悟、切なすぎる…。次どうなるのか気になりすぎて夜しか寝られない🔥