※このストーリーは1度投稿されております※
※少し、内容が変更されております※
凛花です。
今回は師弟組の短編(短編とは言えない長さのもの)を書きたいと思います。
では、お話の世界へ行ってらっしゃいませ。
・口調迷子、キャラ崩壊ありかもしれません。
・誤字、脱字があるかもです。
・文才はどこかに落としてきました。
・軍パロです。
・不快な表現、流血表現が含まれます。
・Nakamu様→なかむ Broooock様→ぶるーくと表現させていただきます。ご了承ください。
・ご本人様には全く関係ございません。
☆*。main☆*。 purple
☆*。sub☆*。 light blue
(全員でます。)
˚✩∗*゚⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩˚✩∗*゚⋆。˚✩⋆。˚✩
スマイル視点
˚✩∗*゚⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩˚✩∗*゚⋆。˚✩⋆。˚✩
カチ カチ カチ
静寂な部屋には、時計の進む音と万年筆が紙の上を走る音だけが響く。
その部屋の持ち主は仕上がった書類の上に万年筆を置き、グッと伸びをする。
sm「ふぅ……。」
机の上には先程仕上げた書類の束。
ちらりと時計を見ると最後に見た時間より大幅に過ぎていた。
sm「出しに行くか…。」
カタンと音を立てて立ち上がって、総統室へとあるきだした。
長い廊下をゆっくりと歩き、総統室の前に着く。
そこから小さく声が漏れていた。
Na「わあああああ!書類終わんねぇー!」
kn「はいはい、手を動かそうね?なかむ?」
kn「はぁ…いったい誰のせいで……。」
医療部隊隊長兼総統補佐を務めるきんときは額に手をあて、小さくつぶやく。
━━━━━━━━まあ、そうだと思っていた。
はあ、と息を吐き出すと先程まで泣き言を言っていた総統であるNakamuは勢いよく顔をあげた。
Na「スマイル!どうしたの?…もしかして手伝っ…」
sm「するわけねーだろ。」
Na「ですよねぇ……。」
きらきら輝く水色の大きな瞳を伏せてしゅんとする。
kn「……なかむ、ふられてるじゃんw」
kn「んで、スマイルはどうしたの?」
sm「書類。終わったから出しに来た。」
kn「ん。……おっけー。ニコ」
Na「終わったなら手伝ってよぉー!」
kn「いいから手を動かせぇ!」
sm「…。」
ちゃんとみてから気づいたが、きんときの目元にうっすらと隈ができている。
sm「(無理、してるな。)」
少し考えた後、口を開く。
sm「きんとき。」
kn「ん?なに、スマイル。」
sm「休め。」
kn「は?」
sm「だから、休めって言ってるんだ。」
sm「なかむの書類は俺が見ておく。」
kn「でも……!」
素直に「心配だから。」と言えばいいものの、なかなか口に出せずに、沈黙だけが流れる。
すると、入口の方からガヤガヤと話し声が近づいてきた。
そして…
Br「ただいまぁ〜!今日の訓練も楽しかったぁ!」
sh「そうだな。またぶるーく強くなったんじゃね?」
Br「ほんと!?まあ、またシャークんに負けたけどねぇww」
kr「ねぇーwまたなかむ書類貯めたの?w」
Na「しょーがないじゃん!!」
kn「はいはい、はやくしてくださーい。」
いつも通りに騒ぎ出す水、緑、青、黄色の4人。
自分では無理だったか。と、そっと目を伏せると横から小さく声をかけられる。
Br「スマさん、どうかしたの?」
彼の雰囲気と同じようにやからかい声音で聞かれる。
一瞬黙ったあと、小さく答える。
sm「きんときが無理してる。」
Br「うん。」
sm「だから休またい。」
Br「うん。」
sm「でも、俺は上手く言えなかった。」
Br「そっかぁ。きんさん、がんばり屋だもんねぇ。」
頼ることしかできない自分に嫌気がさし、目を逸らす。
Br「でも、スマさんも気づいて言えるのも僕はいいと思うな。」
彼の大きな手でポンと、肩をたたかれた。
なんだか、恥ずかしくなってそっぽをむく。
……ちょっとだけ嬉しかったのはここだけの秘密。
Br「きんさ〜ん!」
Broooockは、俺の傍からはなれ、きんときに声をかける。
Br「休憩の代わりに僕と街に行かな〜い?」
Br「見回りと城下町発展のためにさ!!」
sh「ぶるーく、俺も行っていい?」
kr「んじゃ、俺も〜!」
Na「え!俺も……」
kr「お前は書類。」
Na「なんで!?俺も行きたい!」
sh「やってないなかむが悪い。」
kn「えぇ…?」
勢いの良さに目を白黒させるきんときの手を引きながらBroooockは、俺にふにゃりと笑いかけてくる。
…やっぱり敵わないな。
肩をすくめてみせると、シャークん、きりやんと総統室からでていった。
くるりと、後ろを振り向くとくちびるを尖らして拗ねている様子の我が総統サマ。
なんで俺は甘やかしてしまうのか、と思いながら言う。
sm「手伝ってやるから。…終わったらみんなで行けばいいだろ。」
するとパッと顔を輝かせ、満面の笑みを浮かべる。
Na「うん!…よし!はやく終わらせよ!!」
これまでに見た事がない速さでペンを走らせる。
その様子を見ながら自分のノートパソコンを開いた。
˚✩∗*゚⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩˚✩∗*゚⋆。˚✩⋆。˚✩
きんとき視点
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強制的に外へと連れ出された俺はやっと、自分が何をしているかを自覚した。
kn「えっ、ちょっ!俺まだ仕事が…っ!」
Br「きんさん、がんばるのもいいけど休むのも大事だよ?」
sh「つーか、これ見回りとして仕事だしw」
kr「だなww遊んでるけどw」
Br「ほら、スマさんも言ってたでしょ?休めって。」
kn「……!」
Br「言葉足らずで無愛想で笑わなくても、ちゃんと見てるんだよ?」
kr「たまに抜けてるけどなw」
sh「『えへっ☆』って言うしw」
kn「そっ…か。」
まだできるって思ってたけど相当限界だったんだな。
kn「迷惑かけちゃったし…。スマイルに悪いことしたな……。」
sh「きんときが元気になって帰ったらいいんだよ。」
kr「なーなー、どこ行く??」
Br「はいはーい!!僕、最後に取っておきの場所に連れてってあげる!!」
kn「ふふ、楽しみにしてる。」
帰ったら無愛想だけど、なんだかんだ優しい彼に「ありがとう」と言う事を決めて、街へと1歩踏み出した。
━━━━━━━━━━━━城下町にて。
sh「…!!このナイフめちゃ持ちやすい…!」
kr「この薙刀もいい重さだな。」
きらきらと瞳を輝かせるシャークん。
それと同じぐらいはしゃぐ2人。
それを優しい視線で眺める。
Br「きんさんも、何かいい斧ないの〜?」
kn「ん〜…。今のでいいかなぁ。」
kn「愛着あるんだよね。」
Nakamuと初めて一緒に買った物。
シャークんや、Broooockと一緒に手入れしたり。
たくさんの思い出があるからね。
なんて、言わないけど。
Br「ふ〜ん。そっかぁ!」
にこっと笑った赤色の彼。
kr「お!これ、アイツらの土産にするか?」
そう言った、彼の目線の先には━━━━━━━。
それぞれのメンバーカラーのイヤリング。
Br「お〜!いいじゃん!」
kn「へぇ。なかなか綺麗な色だね。」
sh「いいな、これ。お揃いで買うか。」
Br「やんさんにしては、いいこと言うじゃ〜ん!」
kr「そうだろ…っておい!俺にしてはってどういう事だ!!」
Br「AHAHA☆」
kn「www」
怒りながらも、なんだかんだ優しい黄色の彼。
sh「次は…どこいく?」
kr「俺は…特にないかなぁ。」
Br「僕が行きたいところは、もちろん最後で!」
kn「俺も特にないよ。」
sh「じゃ、ぶるーくの行きたいところに行こうか。」
そう言って、くるりと背を向けて歩き出した彼を止める。
kn「シャークんは場所知らないんじゃないの!?」
sh「ん…?あ。そっか。」
きょとんとした表情を見せたシャークん。
Br「天然シャークんでたぁww」
kr「なんで『知ってますよ』感だして歩いてんだよww」
kn「www」
戦闘狂で、我が国の最高戦力だが天然な緑色の彼。
やっぱりみんな。
それぞれの事が大好きなんだよな。
まぁ。俺もだけど。
Br「はぁ〜!楽しかったぁ!」
kn「そうだね。」
kr「俺楽しかったけど疲れたわw」
sh「訓練終わりそのままだもんなw」
ゴロンと4人で転がってるのは森を抜けたところにある小さな野原。
ここは、Broooockが休憩としている場所らしい。
なんとも夜には星空がきれいなんだとか。
kn「いいの?ぶるーく、俺らに教えて。」
Br「いいよ。いつかみんな、連れてこようと思ってたもん。」
ふにゃと柔らかく笑う彼につられて俺も笑顔になる。
kn「星も見に来ような。」
Br「…うん!!」
忍び寄ってきた眠気に身を委ねようと目を閉じようとした。
刹那
4人が寝転ぶ野原に煙が噴き出す謎の球体が投げ込まれる。
kn「えっ…!」
kr「なんだ!?」
驚いた拍子に煙を吸い込んだのか視界が揺れる。
sh「クッソ…!」
Br「……ッ!」
シャークんとBroooockは、持ち前の反射神経で懐からナイフを取り出すが力が抜けて倒れ込む。
視界が暗くなっていくと共に数人の人の気配を感じた。
そこから、グイッと腕を乱暴に引き上げられる。
体が宙に浮き、担がれた所で俺の意識は途絶えた。
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スマイル視点
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パソコンの画面だけを見つめ、キーボードをたたいていく。
すると、横から声をかけられる。
Na「スマイル!!」
sm「えへっ!何?」
Na「むぅ…やっと気づいた。俺何回も呼んだんだよ?」
sm「うぇぁ、マジ?……すまん。」
Na「しゃぁねぇから許す。」
Na「書類終わったから一緒に確認して」
sm「ん。」
sm「できてる、と思う。」
Na「ほんと!?」
Na「じゃ早速街へ━━━━って夜じゃん!」
sm「は?夜!?」
バッと勢いよく振り向き窓から空をみる。
夕方特有の燃えるような赤色が黒く闇色に染まっていく。
sm「あいつらは!?」
Na「へ?」
sm「きんとき達……!」
ノートパソコンに飛びつき彼らの持つGPSで位置を探す。
食い入るように画面を見つめていると。
mb兵士「Nakamu様!お便りが届いております!」
それを聞いたNakamuの顔が強ばる。
彼は手紙を開封し俺にも見えるようにして読み上げる。
. ✎___
WT国総統Nakamu殿
ご機嫌いかがでしょうか?
私はβ国の総統をしている者です。
急なお手紙で、さぞ驚きでしょう?
もう、お気づきでしょうか。
本題に入りましょう。
今、私の治める国ににWT国幹部、Broooock殿、シャークん殿、きんとき殿、きりやん殿を預からせていただいております。
この4人のお命が大事だというのであれば、我が国の配下となるか貴方の首をお送りください。
期限は明日までとします。
忠告ですが、もし手荒な真似をいたしますと即刻この4人の命が消え去るということをお忘れなく。
β国総統
✎𓂃𓈒𓏸
Na「あいつ……!」
単独で乗り込みそうなNakamuを必死に止める。
sm「なかむっ!落ち着けっ!」
Na「落ち着いてなんかいられるかよっ!」
sm「俺らが落ち着かなきゃどうにもならないだろ…ッ!」
Na「うるさいっ!」
Na「じゃあ誰が助けるんだよ…っ!」
Na「仮にも俺らは“非”戦闘員なんだぞ……っ!」
Na「しかもスマイルは情報部隊なのに…っ!!」
Nakamuが言ってることは概ねあっている。
WT国に残っているのは普段戦闘をしない2人。
戦争時でも俺は情報戦、Nakamuは心理戦を繰り広げるんだから。
しかし、一つだけNakamuが言っていることに誤りがあった。
sm「なかむ。」
Na「なに!?」
sm「……俺がいつ非戦闘員だと言った?」
Na「は?」
sm「俺があいつらの救出に行く。」
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Nakamu視点
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sm「俺があいつらの救出に行く。」
淡々と言うスマイルの言葉に口を開けてぽかんとしてしまう。
いやいやいや、あの仕事をしたがらないスマイルが戦闘をする!?
Na「冗談いうなよ!?」
Na「俺はお前までも失いたくない!!」
Na「だから俺の首を……!」
差し出す、と言おうとしたとき左の頬に衝撃が走る。
パンッ!
かわいた音を立てて俺の頬をたたいたスマイルは、不機嫌そうに目を細める。
sm「お前は俺らのことを信じれないのか。」
Na「…!」
sm「あいつらは易々と死にに行く奴らじゃない。」
sm「それを助けてやるのは誰なんだ?」
Na「俺…達。」
sm「もう一度聞く。」
sm「お前は俺らのことを信じれないのか。」
真っ直ぐ芯のあるアメジスト色の瞳に見つめられる。
Na「……信じれる。お前らを。」
キラリと瞳を輝かせたスマイルが━━━━━━
sm「大丈夫。」
「俺を信じろ。」
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スマイル視点
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sm「…ここか。」
真っ黒な外套に身を包み、フードで顔を隠す。
一言低く呟く。
久々の戦闘に心臓がギュッと縮む。
そっと建物の影から顔をだし確認する。
門の近くには見張りの兵が2人。
いける。
そう思った俺は音もなくその場から飛び出し、銃を構え、発砲。
パァン!
連続で飛び出す2つの銃弾によって、紅い花を咲かせる。
そのまま正面から突入する。
隠す必要の無くなった外套を剥ぎ取り、素顔を晒す。
sm「こんばんは、俺らの大事な仲間を迎えに来ました。」
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きんとき視点
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(スマイルが乗り込む前。)
ポチャン…ポチャン…
規則正しい水滴の滴る音で意識が浮上する。
kn「…ん。」
Br「あ、きんさん起きた?」
kn「ぶるーく。」
kn「ここ……どこ?」
sh「β国……だと思う。」
sh「意識失う前に見えた軍服がそうだった。」
kn「β国……って。」
kr「そう。最近いろんなやばめの薬品開発してる国。」
Br「その薬にまんまと寝ちゃったんだよね〜。」
そうだ、俺やきりやんにはないがシャークんや、Broooockには、薬の耐性がついている。
2人がすぐに動けなかったんだからかなり強力な薬だったのか。
kn「助けって…今WT国、なかむとスマイルしかいないじゃん。」
kr「そうじゃん。どうすんの?俺らが自力で脱出しないとやばい?」
sh「なかむ来たらどうしよ…。」
kn「うわ…。どうしよ、来そう……。」
珍しくシャークんが顔を青ざめ、きりやんは悔しさからか舌打ちをする。
そんな中焦らないものが1人。
kn「ぶるーくは焦らないの?」
Br「ん〜?焦らないよ?」
Br「だって“助けに来るんだから”。」
確信したようにBroooockは、そう言い放った。
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スマイル視点
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勝気なようにほほえみを浮かべる。
唖然とした様子の兵士を見て即発砲。
次々と真っ赤な大輪の花を咲かせる。
慌てたように銃弾が飛んでくるも、トンと軽く床を蹴って回避する。
そのまま前に跳躍し、眉間に風穴を開ける。
そのとき、俊敏な動きで懐に入ってきたβ国の兵士が、俺の首目掛けてナイフを振るう。
咄嗟に銃を手放し、バク宙をしながら足を振り上げ、そのまま顎に命中させる。
そのまま連続でバク転をして、1度距離をとる。
ふーっと、つめていた息を細く吐き出し視界をクリアにする。
mb兵士1「もうあいつは武器がない!かかれーっ!」
mb兵士2「おらあっ!!」
複数人こちらに走ってくる。
スーツの内ポケットにナイフを忍ばしているがナイフは得意ではない。
スっと腰を落とし半身で構える。
真っ直ぐ突き出されるナイフを流れるようにさばき、がら空きの腹に回し蹴りを放つ。
そのまま反対の足で後ろ回し蹴りで残りの兵士を牽制する。
一息で距離を詰めナイフと自身の身体で息の根を止める。
返り血で汚れるのを嫌う、いつもの紫の彼ではない。
頭から返り血をかぶり、高級そうなダークグレーのスーツを赤黒くする。
いつもより少しばかり口角をあげる彼だか不気味に揺れる紫の瞳は冷たく鋭利な光をたたえていた。
sm「大事な仲間をとられたんだ。」
sm「これだけしないとだめだよな。」
冷たい瞳で真っ直ぐ前を見つめた。
˚✩∗*゚⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩˚✩∗*゚⋆。˚✩⋆。˚✩
きんとき視点
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しばらく無言の時間が続いていた。
シャークんは自身の手を拘束する枷をはずそうと必死で、きりやんは眉間に深いしわをよせ、厳しい顔をする。
Broooockはいつもと変わらないゆるゆるとした顔で宙を見つめる。
城に残っているであろう2人に申し訳なくなって目を伏せたとき
急に部屋の扉が開く。
バッと俺を含め3人がその先を見つめると、そこから丸々と太った1人の男が出てくる。
β国総統「やあやあ、WT国幹部ら諸君!」
β国総統「β国へようそこ!」
kr「招かれた覚えはねぇんだけど?」
β国総統「まあまあ、ところで君たちはβ国の幹部になれ。」
sh「断る。」
間髪入れずにそう言いきったシャークんは男を鋭く睨む。
β国総統「君たちは一人一人素晴らしい技術を持っている。」
「シャークん殿は純粋な戦闘力。」
「きりやん殿は全てが完璧にできる対応力。」
「Broooock殿は寸分の狂いのない弓矢の技術力。」
「きんとき殿は最高峰の医療技術。」
「戦闘力のない情報隊長や、へらへら笑っているだけの総統よりもこちらのほうがいい!!」
ニヤアッと気持ち悪い顔で笑う。
俺が反論しようと口を開けようとしたとき、終始黙りこくっていた彼が口を開く。
Br「ならないよ。」
「それにスマイルや、なかむのこと全然分かってねえじゃん。」
人が変わったように低く響くBroooockの声。
β国総統「ならないと拷問して言うまで苦しめてやる!」
Br「ふーん。別にいいけど。俺は一生言わないね。それ。」
Br「それにてめぇのようなクソ国に忠誠を誓うんだったら自害するし。」
いつも「僕」と言っているが今は「俺」と言い、ふわふわする雰囲気ではなく、肌に突き刺すような殺気を放つ赤色の彼。
β国総統「〜〜〜〜〜ッ!お前は要らん!」
「今すぐ殺してやるッ!」
ガチャと音を立ててBroooockに銃口を向ける。
kn「ぶるーくっ!」
銃口を向けられている時でも、彼の瞳は輝きを失わない。
Br「俺死なないけど、君死ぬよ?」
薄い笑みを浮かべてそう言った。
β国総統「死ね━━━━━━━━っ!」
ぎちぎちと、丸い指が銃のトリガーを引く。
思わずシャークんもきりやんも俺も目をつぶる。
そして━━━━━━━━━━━━━━━
パァン!
乾いた銃声が響き渡った。
β国総統「っぁぁぁぁあ”あ”あ”あ”!」
汚く叫び声をあげたのはβ国の総統。
バッと目を開くと、
手のひらの真ん中からドクドクと血を流して地面をのたうち回る男。
先程のような冷たい雰囲気ではなく、いつも通りのふわふわする雰囲気を持つ傷ひとつ無いBroooock。
それに━━━━━━━━━━━━━━━
sm「悪い。遅くなった。」
紫の瞳を持つ男━━━━━━━━━━。
スマイルが立っていた。
˚✩∗*゚⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩˚✩∗*゚⋆。˚✩⋆。˚✩
スマイル視点
˚✩∗*゚⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩˚✩∗*゚⋆。˚✩⋆。˚✩
次々と出てくる一般兵を蹴散らせながら無駄に広い廊下を走り抜ける。
sm「チッ 銃弾残り1発か……。」
かなりの量を敵兵に撃ち込んだため、数はかなり少ないが比例して兵士の量も少なくなった。
そう考えて床を蹴る力を強めた。
sm「…ビンゴ。」
誰もいない総統室の一角に開かれた地下への階段。
躊躇せずに足を踏み入れる。
扉に近付いていくと……。
kn「ぶるーくっ!!」
きんときの焦った声が聞こえて足をはやめる。
バンッ!と扉を開け放つと太った男がBroooockに銃口を向けていた。
sm「━━━━━━━━━━━ッ!」
音にならない声を叫びながら、愛用の銃のトリガーを引きしぼる。
パァン!
男の手から真っ赤な鮮血が噴き出すのを確認して息をつく。
sm「悪い。待たせた。」
˚✩∗*゚⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩˚✩∗*゚⋆。˚✩⋆。˚✩
きんとき視点
˚✩∗*゚⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩˚✩∗*゚⋆。˚✩⋆。˚✩
いつもキチッとしている彼のスーツが赤黒く染まり、綺麗な茶髪からも血が滴り落ちる。
そんな彼を見てBroooock以外の3人は息をのむ。
β国総統「お前っ!おまえ━━━━━━っ!」
「この私にッ!きずをッッ!」
「殺すッ!殺してやるッッ!」
β国総統は小型ナイフを逆手に持ちスマイルへと突き刺す。
しかし、スマイルは手に何も持っていない。
その距離じゃ回避できない━━━━━━━━━!
sm「舐めんなよ。」
低く響いたスマイルの声。
素早くさばき、まるまると太った体に蹴りを入れ吹っ飛ばす。
開いた距離を一息で詰め首にナイフを当てる。
β国総統「ひっ……!」
情けない声をだすβ国の総統。
sm「俺の大事な仲間に何をした?」
淡々と言葉を紡ぐ彼の声音は冷たく、無機質だった。
β国総統「わっ、我が国についたほうが金も手に入るしっ!なんでもできるだろうっ!?」
「おまえもっ!我が国に迎え入れる!」
「これで許せっ!」
「あんなへらへらしている若い男よりもこちらのほうがいいだろうっ!?」
一瞬の沈黙。
sm「ふざけるな。」
β国総統「え?」
sm「別に俺のことはなんだって言って構わない。」
sm「でも……なかむのことを悪くいうな!」
sm「あいつは…!人一倍努力して…!誰もが幸せになる国を作っている。」
sm「そんな彼に、俺は!俺らはついていく!」
あんなに激怒する彼は初めて見た。
しかも、俺らやなかむのために。
なんだ。こんなに俺たちのことを想っていたのか。
sm「俺たちの絆は簡単に壊れない。」
sm「よく覚えておけ。」
˚✩∗*゚⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩˚✩∗*゚⋆。˚✩⋆。˚✩
スマイル視点
˚✩∗*゚⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩˚✩∗*゚⋆。˚✩⋆。˚✩
言いたかった言葉を吐き捨て、無造作に首を落とす。
張り詰めていた緊張がぷつんと切れる。
ゆっくりと4人の元へと近づき、拘束を解く。
sm「無事か?」
kn「うん。何もされてない。」
sh「…ありがと。」
kr「てかお前!戦えたのかよ!?」
kr「初めて知ったわ!」
sh「それな。スマイル!今度手合わせしよーな!」
sm「うぇあ…俺戦うの好きじゃないんだけど…。」
kn「ほらほら帰るよー!」
kr「おとんとき…ww」
kn「きりやーん?なんか言ったー?(*^^*)」
sh「www」
3人が騒ぎ出したのを確認して、そっと話しかける。
sm「ぶるーく。」
Br「んー?なぁに、スマさん?」
sm「なんでアイツ煽ったんだ?」
Br「…スマさんとなかむのこと悪く言われるの嫌だったし?」
「あと…スマさんが来てるの分かってたから。」
sm「…そうか。」
少しあついかおをそっぽに向けた。
Na「みんなーっ!」
城を出ると一直線に走りよってくるNakamu。
sm「なかむ!?WT国にいろっていっただろ!」
Na「信じてたけど!!心配で…!」
すでに大きな空色の瞳に大粒の涙をたたえ、じっと見つめてくる。
sm「うぐ…ッ」
kr「あー!スマイルがなかむ泣かした〜ww」
sh「ww」
sm「うっせ!」
kn「あーあーwほらなかむ、みんな生きてるってw目擦らないの。」
Na「きんときぃ…グスッ」
しばらくその場で騒いでいると
Br「ねね!あそこいこ!時間もいい感じたし!」
あそこ…?と首を捻っていると、俺とNakamu以外はピンときたようで
sh「いいな!行こーぜ!」
kr「いこいこ!」
kn「ほらなかむ、こっちきて。」
Na「えぇ…?」
ポカンとした顔のNakamuを優しく手を引くきんとき。
Br「ほら!スマさんも!」
sm「…ああ。」
Na「わああっ!」
sm「……!」
彼らに連れてこられたのは、森の中にある小さな野原。
上には満天の星空。
Br「ここ皆で来たかったんだよねー!」
sh「俺ら昼に来たけどなw」
kn「もうっ!余計なこといわないの!」
kr「ww」
星空を見上げて立ち尽くす俺に隣から声がかかる。
Na「スマイル。」
sm「…なんだ?」
Na「ありがとう。信じる大切さを改めて教えてくれて。」
Na「間違った選択をするところだった。」
sm「…お前が、間違った選択をする前に正しい道へと導く。」
sm「それが俺らだろ。」
Na「そうだね。」
ふたりで星空を見上げる。
Na「この6人で良かった。」
sm「…そうだな。」
星空には紫と水色に光る星が瞬いた。
_𝐞𝐧𝐝_
(あとがきの後、後日談があります。)
あとがき
はい、メインアカウントにログイン出来なくなった凛花です。
リメイクですね、少しばかり。
誤字修正したり、買い物シーンのきんさんの心情。
それに、あとがきの後後日談を加えました。
まだまだ納得のいかない作品となっていることに、ほんとに謝罪の念しかないです。
申し訳ないです。
これからもがんばっていきますので、よろしくお願い致します。
✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。
後日談
スマイル視点
✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。
━━━━━━━━━━━━━WT国基地にて。
Na「へぇーっ!」
Na「ぶるーくとスマイルって幼なじみだったんだ!」
Br「あはは、まあね〜w」
sm「同じ村に住んでたからな。」
kn「ん?ってことは、1回別れたの?」
そう。
俺とぶるーくが住んでた村は、別の国の戦争で消失した。
そのときに別れた。
Br「まじでびっくりしたよ〜w」
Br「なかむにこの国作るっていう案に乗ったら、スマさんいるんだもんww」
sm「そうだな。」
sh「幼なじみってだけで、お互いがどんなこと考えてるのか分かんの?」
Br「ん〜。基本あんまりわかんないけど。」
Br「それぞれの気持ちが大きくなった時は、分かるかな。」
kr「ふーん。なんかそういうのいいな。」
Na「ね!いいじゃん!」
Na「てか、なんならもっと早く言ってよ!」
…嫌な予感がする。
Br「www」
Br「ほんとはね、僕は言った方がいいんじゃないの?ってスマさんに言ってたんよww」
sm「…ッおい、ぶるーく!それ以上は…!」
いたずらっ子のように、キュッと口角をあげたぶるーくは━━━━━━━━━━━━━━━。
Br「このこと言ったら、みんなが今と同じ扱いしてくれないんじゃないかって言ったんだよね〜!!」
sm「…。」
ああ。
終わった。
kr「何お前、俺らのこと大好きじゃんww」
sh「www」
kn「スマイル…。そんなこと思ってたのか…。」
Na「ほんとにみんなのこと好きじゃん!w」
sm「…んだよッ!」
プイッと顔をそっぽに向ける。
Br「ほんとに可愛かったよww」
Br「あのスマさんww」
sm「ぶるーく…。あとで監視カメラ見るの手伝えよ。」
kn「あーあ。スマイル怒ったww」
Br「え〜っ!?僕書類終わってないんだけど…?」
sm「お前がやってないのが悪い。」
Na「俺じゃん!ww」
sh「自業自得だww」
俺が思ってた気持ちは嘘じゃないからな。
これからも頼りにしてるから。
『俺を信じろ』
𝐞𝐧𝐝ꔛ⋆☽
ここまでお読みして頂きありがとうございます。
コメント・ハート 頼りになります。
この作品を読んでくださった皆様に最大級の感謝を。
凛花
コメント
34件
最高です フォロー失礼します
リメイク版も最高 凛花さんは本当に神作を作るプロですね この話、参考にしたいんですけど 良いですか? 駄目なら駄目で大丈夫です!! とにかくそれぐらい最高です!!
やっぱり いつ見ても 凄すぎる 作品 … !! 凛花ちゃん 僕 の事 覚えてる かな ? あ 、 ふぉろ失 !!