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そして、とうとうあの女がうちに戻ってきた。私とお兄ちゃんはあの時以来少し気まずい雰囲気。全部あの女の所為だ。あの女がいなければ、お兄ちゃんは私を選んでくれたはず。

今日から1週間、お兄ちゃんは部活の合宿で家にいない。私はあの女と2人きり。本当に吐き気がする。ナユカの家に泊めてもらうことを考えたけどやめた。この女を私とお兄ちゃんの家に1人にすると何するかわからない。お兄ちゃんがいない間、私がこの家を守らなきゃいけないの。それならナユカに来てもらうのはどうかと考えたが、それもやめた。私はそれよりもっといい事を思いついたから。


「それじゃ、行ってきます。」

朝早く、お兄ちゃんは家を出た。お兄ちゃんを見送り、キッチンに戻る私とあの女。

「メルちゃん、今日から1週間、よろしくね。」

相変わらず良い人ぶってて本当にウザイ。こんな奴に私の大事なお兄ちゃんは渡さない。付き合ってようが何だろうが結婚なんてさせない。私からお兄ちゃんを盗ったことを後悔させてやる。

私はキッチンから、椅子に座っているあの女に初めて自分から話しかけた。

「あ、あの…お腹…すきませんか?」

「?あ、そうだね。確かに!」

私に話しかけられて嬉しそうに答える女。私…お前の事認めたわけじゃないからな?イライラするけど顔に出さないようにする私。

「私、料理しますね。えと…

お肉…好きですか?」

「うん。大好き!私も手伝うよ。」

そう言ってキッチンに入ってくる女。長い髪をまとめてポニーテールにしている。…助かるなぁ…

「…あれ?買っておいたはずのお肉がない…」

冷蔵庫を覗きながら困った声で言う私。

「え、そう?じゃあ私買ってくるよ…」

女が言いかけた時、

「あ、あったぁ〜♪」

私は女の方をまっすぐ見て、そして、隠し持っていた包丁を振り上げた。

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