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鮮やかな彩りで描かれた数々のキャンバス。木製の机に顔を突っ伏して、少年は寝ていた。
少年の名は「アルト」。まだ少年だが、独り森の奥の小さな家で、絵を描いて暮らしている。
「もう朝か…」
アルトは起きてすぐ、絵を描く。絵を描かないと、売るものがなくて生活ができなくなるからだ。
「あぁ、ランプに火を灯すためのオイルが無い」
「しかたない、街に行こう。」
アルトはありったけのキャンバスを持って、ドアノブを引いた。
街は、人で賑わっている。さっそくアルトは、道端で絵を売り始めた。
アルトが描く絵は、どれも歪であった。貧しい暮らしをしているせいで、絵の具や筆が買えないからだ。
「しばらくは暗闇の生活になるかもな…」
そのとき、綺麗な金髪の長い髪を垂らした女の子がやってきて、アルトに話しかけた。
「ねぇ、あなたの絵を7年間、私が買い続けるわ」
初めてだった。これほどまで驚いたのは。
彼女は「アリア」と名乗った。どうやらアリアは、一目見てアルトの絵を気に入ったらしい。7年間絵を買うことを契約できたのは、アリアが貴族のお嬢様だったかららしい。
アルトはアリアに問いかける。
「どうして僕の絵を買ってくれたの?」
アリアは持っていたクッキーを1口食べて、こう言った。