前回のその後𓅰
💛視点
「…何の話してたの?」
玄関の扉が閉まる音と共にリビングに入ってきた若井にそう聞いてみる。折角届けてくれたカレーも貰いそびれちゃったし、お隣さんも何だか居心地が悪そうな感じだった。後で謝りに行こうかな、なんて考えていると、何も言わずに後ろから若井が抱き締めてきた。
「わ……どうしたの…?」
「……やっぱり俺と住もうよ…。」
最近の若井の口癖だ。ことある事に、「一緒に住もう」と言ってくる。
「僕だって一緒に住みたいけどさ…」
「けど?」
「ほら、色々大変じゃん?」
へらりと笑ってみせると、より一層強く抱き締められた。
「それに、最近ここ引っ越してきたばっかりだし。もうちょっと居たいかな〜。」
「…確かに。」
僕の言葉に納得した若井が腕を離し、水を飲みにキッチンに行ってしまった。まあ、本当はそんなのただの口実に過ぎない。若井と違う家に住んでいればわざわざ僕の所に来てくれる。求められてる、って思えるから。
「って言うか、涼ちゃん本当に俺のLINE渡したんだ?」
「え……だって若井がそうしろって言ったんじゃん。」
前に僕が街中でしつこく連絡先を聞かれた時、早く帰りたすぎてLINEを渡してその場を去ろうとしてしまった。それが若井の地雷を踏んだようで、無言でLINEのQRコードをエアドロされた。それからは連絡先を聞かれたらそのQRを見せるようにしている。確かお隣さんにも若井のLINEを渡したはずだ。アイコンについて触れられた時は流石に焦ったけれど。
「うわ、こいつ返信して来た。」
コップを片手にスマホを弄っている若井が何やら楽しそうに笑っている。大体あの笑い方は良い時じゃないことを知っているからこそ、慌ててスマホの内容を覗き込んだ。
「…はあ??ちょっと、!流石にやりすぎだって!」
画面に示されていたのはお隣さんとのトーク画面で、「涼ちゃんのLINEじゃないでーす、ばーか。」とか送っている。
「いいんだよこのくらいで。涼ちゃんの事狙うとか許せないし。」
「……そうかもだけどさあ、別に悪い人じゃないよ。ほら、僕が謝るから貸して、っ、!? 」
お隣さんだって悪気があった訳じゃないだろうし、わざわざカレーだってくれるほどの人だ。若井の代わりに謝罪のLINEでも送っておこう、と思いスマホを貸してもらおうとすると、いつもとは違う強い力で腕を掴まれた。
「涼ちゃんさあ、ちょっとガード甘すぎ。」
「なに、がっ…ん…っあ……ふ…ぅっ…」
掴まれたままの腕を壁に押し付けられ、片手で顎を押さえ付けられる。息が出来なくなるような乱暴なキスで、自然と目尻に涙が溜まる。
「…っ、どう考えてもあいつ下心しか無かったから。俺居なかったらどうしてたの?」
「わかんな、い……。」
ようやく離された長いキスに荒く呼吸を繰り返す。ぼんやりとした思考で、たどたどしく言葉を紡んでみるが、若井の表情は未だ独占欲に塗れていた。
「……へえ、なら分からせてあげるよ。」
意味深な若井の台詞。嫌な予感がした。
「まって、窓開けっ放しだから…!」
「ふーん……じゃあみんなに聞こえちゃうね。」
腕を掴む手に込められる力が強くなった。絶対に逃がさない、そう言うように。
「一緒に住もう、涼ちゃん♡」
次の日、恥ずかしすぎてアパートを引っ越したらしい。勿論若井の家に。
いつも🔞の手前で止めてるから、書けないのバレてますかね😧
コメント
4件
R18なしでこんな満足行くのすごい!
もう最高です!!! R18のぎりで終わる所もいいっす✨️ 語彙力なくてすみません💦