❤️×💛 ※同棲、付き合ってます
💛視点
「ええっ!?!?誤飲しちゃったの!?」
受け取った電話から告げられた衝撃な内容に、思わず大きな声が出る。久しぶりに実家から電話が来たと思ったら、あっちで飼っている犬が床に落ちていたものを誤飲してしまったらしい。
「うそ…どうしよう……。」
今すぐにでも向かいたいが、なんせ場所は長野だ。東京とはまあまあな距離がある。
「無理して来なくてもいいのよ…、今は病院で診てもらってるけど…。」
「んーーー…、でも心配だし。」
壁に掛けられたカレンダーの日付を辿りながら思い悩む。最近は忙しかった毎日も落ち着いてきたし、少しくらい長めの休みを取れるかもしれない。
「…すぐそっち行くから!明日くらいには着くと思う!」
「分かったわ、気を付けて来るのよ。」
お母さんからの電話を切った後、すぐマネージャーに電話をかける。今の時間は昼の仕事が入っていて、出ないかもしれない。そんなことを考えながらコール音を聞いていると、暫くして声が聞こえた。
「もしもーし、どうしました?」
「あ、ちょっと急いで実家に帰らなきゃ行けなくなって。1週間くらいお休み頂いて良いですか、!」
「あー……、わっかりました。」
流石に僕のマネージャーだ。簡単に感謝を伝えて電話をきり、急いで準備に取り掛かった。
「えっと……あ、これに書けばいっか。」
同居人兼恋人でもある元貴に、実家に帰ることを伝えなければいけないが今は生憎仕事で忙しいらしい。近くにあった要らない紙の裏に、”実家に帰ります。”と書いてリビングの机の上に置く。恐らくこの位置なら気付くはず。色々と纏めた沢山の荷物を持って、部屋を出た。
「ただいま〜……」
急な長旅はやっぱり疲れる。馴染みのある実家の玄関を開け、靴を脱いで家に上がる。
「あら、おかえり涼架。」
「うん、ただいま。様子どう?」
「さっき丁度病院から帰ってきたのよ。あんまり元気はなさそうだけど特に心配はないわ。」
とりあえずは命に別状はないらしく、ほっと胸を撫で下ろす。いつもと同じならあの部屋に居るはず。持ってきた荷物をお母さんに渡し、二階にある自分の自室に向かう。使われなくなった僕の部屋の扉を開け、中を見回してみるが何も気配がない。
「……あれ?居ない……っわ!!」
違和感を持ちながらも1歩踏み出した時、大きな固まりが死角から飛び出してきた。
「……もう!急に出てきちゃだめでしょ!」
驚いて倒れてしまった僕の上に乗るようにして満足気に微笑む可愛い動物。これこそが僕の飼っている犬で、話だと体調が悪いはずなんだけれど。
「何その顔……ほんと悪戯好きなんだから。……あれ?スマホどこ置いたっけ…。」
満面の笑みで僕を見下す可愛い表情を写真に収めようとポケットをまさぐってるが、中身は空だった。荷物と一緒にお母さんに預けてしまったのだろうか。
「ほら、退いてよ。ほんとは安静にしてなきゃダメなんだからね!」
全くもって動く素振りを見せないふわふわの毛並みを優しくぺちぺちと叩く。そんなことを繰り返していた時、誰かが階段を上がる音が聞こえた。
「久しぶりだな。」
「お父さん!ただいま〜。」
丁度よくお父さんも帰ってきたらしい。真っ先にお父さんの足元へ駆け寄って行った犬の姿を横目に、何かを忘れている気がして考え込む。
「母さんも居ることだし飯でもどうだ?」
「……うん!明日はお母さんの料理食べたいな〜!」
とても楽しそうな提案にさっきの悩み事を後回しにすることにした。やっぱり思い出せない時は気分転換をするに限る。いつかぱっと思いつくかもしれないし。そんな能天気な考えで終わらせてしまったことを後悔するのはすぐのお話。
コメント
6件
💛ちゃん、、、 実家帰りますなんて ❤️くん勘違いしちゃうよ!?
え、これ家出しちゃったって勘違いしちゃうんじゃない!?!?森さん大丈夫かなぁ…🤔
続き、楽しみにしてます🤭♥️💛