💜「ねえ!トッド!!」
マットが勢いよくリビングへ入ってきて、陽気な声が部屋中に響く。
❤「うっせぇなあ、それに俺はトードだって言ってんだろ」
💜「えへへ、そんなことよりだよ!!みてみて!あたらしい僕の宝物!」
そんなことよりって、なんだよ。全く、こいつのペースに乱される。俺が出ていく前はこれほどナルシストでうるさいヤツじゃなかったと思うんだが。
じゃじゃん!とご丁寧に自分で効果音までつけて見せられたそれは、なんだか全くわからない代物だった。なんだそりゃ。ガラクタか?
💜「見てよ!!すごいでしょう!」
❤「見てる、見てるって…………それで?それは何なの?」
💜「うーんとね…………題してリトルトッド!……でどう?」
❤「は?なんで俺の名前??」
考えていたことがそのまま口を出た。驚きとよくわからない喜びが半分ずつ。気づくと顔が真っ赤に火照っているのが自分でもわかった。
💜「え、何でって?…………君が、『トード』が大切な人だから!!大切なものには名前をつけるでしょ?」
屈託ない笑顔。きらきらしていて、眩しくて。
俺には、とても遠いもののようにも見えた。
傷だらけの俺。こんなボロボロの俺と同じように、そのガラクタもボロボロに見えた。けど、マットはそれにも俺にも、等しく愛を注いでいた。何に対してもそうやって平等に愛を捧げる事のできるマットが、俺はすごく羨ましかったのかもしれない。
「じゃあ俺は、マットのものだな」
なんてぼそっと聞こえないくらいの小声でつぶやくと、
「そのとおりだよ!僕のプリンセス♡」
って顔を真っ赤にして返す。
俺が?プリンセス?こんな傷だらけのプリンセスを拾うなんて、なんて慈愛に満ちた王子様なんでしょう!
「ありがとう、王子様」
眩いばかりの光が、闇に差した瞬間だった。
コメント
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(*/ω\*)キャー!! 尊い♡