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2 - 第1話

2025年09月21日

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第1話


nmmn

rt×kgt


学パロ

付き合っている設定




昼休み、ざわつく教室の真ん中で、悪ふざけは始まった。

「なあ、カゲツと宇佐美って背丈ちょうどよくね?」

「お前らでさ、ほら、こういう体位とか再現してみろよ!」

男子校特有の悪ノリ。エロ雑誌や動画をネタに、すぐに下世話な冗談に発展する。普段なら軽く受け流して終わるはずの話題だった。だがその日はなぜか空気が盛り上がりすぎて、冗談では済まなくなってしまった。

「ほら、立って、やってみろって!」

「カゲツお前、ちょっと前にかがめ!」

椅子を押しやられ、半ば強引に中央へ連れ出される。小柄で華奢なカゲツは、抗う間もなく背を丸めさせられてしまった。

その背後に立つのは、クラスメイトの声に従うふりをした宇佐美リト。身長181cmの体躯が影のように覆いかぶさってくる。

「……宇佐美」

小さく名を呼ぶ声には困惑と不安が混じる。

けれどリトは、耳元で低く囁いた。

「大丈夫。俺がいるから」

ほんの一言。それだけで、胸の奥に熱が灯る。普段から何度も抱きしめられてきた安心の声だ。だがそれを、クラス全員の視線に晒された場所で聞かされるなど思いもしなかった。

「うわ、やっべ、ガチっぽい!」

「リト、そのまま腰ちょっと動かしてみろよ!」

囃し立てる声。

リトが「やれやれ」と苦笑いを浮かべるのが背後で分かる。

そして――彼の両手が自然にカゲツの腰を掴んだ。

「っ……」

大きな掌に支えられるだけで、胸が苦しくなる。ゆっくりと押し出すような動きに、カゲツの身体は思わず反応してしまう。

――これは、知っている動きだ。

夜の部屋、二人きりのベッド。

汗ばんだ肌を重ねて、愛を交わすときの感覚が脳裏に蘇る。

「ちょっ……宇佐美、や、やめ……っ」

必死に声を抑える。だがかすれた響きは、どこか甘さを帯びていた。

「おい、カゲツ顔赤くね?」

「ほんとに感じてんじゃね?」

冗談めいた声が飛び交う。

カゲツは必死で否定したいのに、腰を支えるリトの力が強まるたび、身体の奥から熱がこみ上げてきて――。

「……んっ、ぁ……」

小さな声が漏れた瞬間、教室のざわめきがぴたりと止んだ。

カゲツ自身が一番分かっていた。これは演技なんかじゃない。

思い出させられた感覚に、どうしようもなく身体が反応してしまったのだ。

リトの胸に背を預け、震える指先を机の端に縋らせる。

必死にこらえても、理性は音を立てて崩れていく。

「リト……っ、もう……っ」

普段は絶対呼ばないその名を、咄嗟にこぼしてしまう。

次の瞬間、全身を貫くような波に呑まれた。

視界が白く弾け、喉から零れる声を止められない。

「――っ……!」

絶頂の余韻に、肩で息をする。

静まり返った教室。誰もが固唾を飲んで、その光景を見ていた。

――クラスの隠れマドンナ。

可愛らしい顔立ちと儚げな雰囲気のせいで、男女問わず憧れの視線を浴びてきた叢雲カゲツ。

その彼が、教室の真ん中で乱れ、甘い声を上げてしまった。

誰もが衝撃に声を失っていた。

だが、次に響いたのはリトの低い声だった。

「……見んなよ」

カゲツを抱き寄せ、視線を遮るように背中で覆う。

普段の優しい笑みはそこになく、独占欲を剥き出しにした眼差しがクラスを睨みつけていた。

「カゲツは、俺のだから」

ただ一言。

それだけで、クラス中の淡い期待は霧散する。

囁きのような声に、カゲツは熱に浮かされたまま縋りつく。

顔を上げれば、リトがそっと髪を撫で、耳元にだけ届く声で告げてくれる。

「大丈夫。俺が守る」

羞恥と安堵と、どうしようもない愛しさが胸を満たした。

周囲の視線なんてもうどうでもよかった。ただ――リトの腕の中にいることが、すべての答えだった。

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