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「えーっと、あのね……その、矢代チーフとのことなんだけど……」
ランチの席で、興味津々な眼差しでアミとエミの二人から見つめられて、いざ話そうとすると急に気恥ずかしさに見舞われた。
「えっと……だから、その……」
水の入ったコップを手に言いよどむ。
「もうー、はっきり言っちゃいなってば、美都!」
痺れを切らしたアミが、ドラマの中の刑事さながらにパンッと軽く手の平でテーブルを叩いて、
問い詰められた犯人みたいな気分で、「……はい」と頷くと、コップの水をゴクリと飲んで、
「矢代チーフと、正式にお付き合いすることになりました……」
そう思い切って白状をした──。
「すごーい! やったね、美都」
エミがパチパチと手を叩く。
「あ、ありがと。でも恥ずかしいから、あんまり周りとかには言わないでね?」
祝福をされて、照れくささにわけもなく何度も自分の髪を撫でさする。
「うん、わかってる。だけど、ついにだなんて……美都、私までなんだか嬉しくなっちゃうよ」
アミが本当に嬉しそうに顔をほころばせると、エミも「よかったねー、美都」と、笑顔を見せた。
「うん、そんなに喜んでくれて、私も嬉しい……」
自分でもにっこりと笑って言うと、目尻にじんわりと嬉し涙が滲むようだった……。