TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する


「……けど、あのペアのキーホルダーの時から、なんだか怪しいなぁとも感じてたんだよね」


唐突なアミの言葉に、やっと話せたとひと息をついて水を飲んでいた私は、動揺のあまり口に含んだ水を吹き出しそうにもなった。


「ああー……、その様子だと、やっぱり矢代チーフとペアでキーホルダーを持ってるのは、美都なんだ」


「なっ、なんで……」『なんでわかったの?』と、アミに訊き返そうとしたけれど、そんなことをしたら逆にバレバレだろうと、なんとか思いとどまった。


「ほら、すぐそうやって焦りが顔に出るし」


だけど、アミから速攻でツッコミが入って、どうやら訊いても訊かなくても同じだったらしいことを気づかされる。


「見せてほしいなぁー、そのキーホルダー」


エミからねだられて、もう逃げられないと観念をして、持っていたカバンから自宅のカギの付いたキーホルダーをおずおずと取り出した。


「わぁー、ほんとにペアなんだ。ねぇこれって、もしかしてチーフに買ってもらったの?」


エミの問いかけに、なんで何も話していないのに、いとも簡単に見透かされるんでしょうかと頭を抱えつつ、こくっと小さく頷いて返した。


「じゃあさ、今度そのキーホルダーに付けるのは、矢代チーフの家の合鍵……だよね?」


「あっ、合鍵だなんて、そんな……!」


そう真っ赤になって口にすると、


「……ということは、合鍵はまだもらってないんだ」


アミがニッと笑って、あっさりと語るに落ちたことを、またしても悟らされた。


「いつかは二人で、キーホルダーにお互いの家の合鍵を付けるのも、いいよね」


エミから言われて、「あっ、うん……」と、はにかんで頷く。


「美都、おめでと」


アミが言い、


「おめでとう、美都」


エミが声を揃える。


「うん、ありがとうね……」


この二人に話せてよかったと思えると、幸せな気持ちを改めて噛み締めた……。


loading

この作品はいかがでしたか?

17

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚