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空が白み始める頃。ふと目が覚めてぼんやり宙を見つめていた。
起きるには明らかに早い時間、隣で寝ている奏斗を起こさないようにと静かに寝返りをうつ。
そのまま奏斗にぴったりくっついたところで、頭上から小さくふ、と聞こえてきた。
🍷「…眠れない?」
🌸「あ~、ごめん起こした?」
🍷「いや、多分同じ」
さらりと髪を撫でられる。
どうやら奏斗も眠れなくなっていたらしい。
🍷「どうせ眠れないならさ、散歩でもしない?」
本格的に冬になった空気はとても冷えていて、ひと気の無い道は静まり返っている。
そんな中を目的もなく、手を繋ぎ他愛もない話をしながら歩く。
🌸「公園だ」
🍷「ちょっと休もっか」
🌸「あ、じゃあそこで飲み物買お」
自販機で温かい飲み物を買って、ちょっとひと休み。
公園の遊具に寄りかかる奏斗を見て、ふといたずら心が湧き上がる。
🍷「はっ?ぇ何?」
奏斗が着ているアウターがばっと開ける。
突然の私の行動(奏斗からすれば奇行)に驚いているのを無視して、そのまま懐に潜り込む。
🍷「なにしてんの寒いんですけどぉ」
そう言いながらも突き離す事なくぎゅうっと抱きしめてくれた。
🍷「いきなり何なのさ…」
🌸「ふふー。しあわせ」
とりあえず自分の飲み物なくなるまでそのまま奏斗に包まれたまま。
なんか言いたそうだけど知らん。
🌸「満足した!」
🍷「あぁそうよかったね…俺寒くなったけどね?」
🌸「うん、ありがとう」
私はわざとらしく笑って離れると、ぽかんとしている奏斗を置いて歩き出す。
🌸「そろそろ帰ろっかー」
🍷「えぇ……うそでしょ…」
早起きは三文の徳!
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奏斗を振り回したいし、振り回されたい