世界の八割以上が”個性”をもつと言われている世界に No.2 ヒーロー『エンデヴァー』と氷を操る個性の冷との間に生まれてきた私。
5歳になっても個性を持てなかった私に違和感を感じた母、冷が病院に連れて行った所私の診断結果は『無個性』。
診断結果を聞いて泣き崩れ、私に抱きつく母、
『ごめんね、ごめんね』と何度も呟く母。
そんな様子をみて私は何にも感じなかった。私は抱きつく母に『大丈夫』といい慰め、家に帰ってきた。
母は青に染めた怯える顔で父であるエンデヴァーに報告。報告を聞いた父は深いため息と共に、
『失敗作品以下未満』と私に向けて言い放った。
その時も私は何とも思わなかった。 でも、『価値が無いんだな』と幼いながらに理解した。
父が去った後、母はまた泣き出してしまった。
『ごめんね』と先程と同じように何度も呟いた。
そんな母にできる事は『大丈夫』と投げかける事だけ。
母を慰める時ふと思った、『これからの生活どうなるのだろうか』と。
その日から数日が経ったが何にも起こっていないごく普通の生活を送っている。
冬ねぇさんや夏にぃさん、澄矢にぃさんと今まで通りに生活した。でも、澄矢にぃさんが個性の暴走で死んだ。木は燃えて炭と化していた。
まるでそこに澄矢にぃさんは存在していなかった ように…
それから数年後新たに焦凍という弟ができた。
でもその日からだった。家族の関係が大きく変化
していったのは…
焦凍は”半冷半燃”という個性をもって生まれてきた。父は成功作だと喜んだ。と、同時に私に嫌悪の眼差しで見た。
『失敗作に関わったらダメになる、焦凍に関わるな。』
別に興味がある訳でも仲良くしたい訳でもないので従った。焦凍との関わりが減ると共に家族との関わりも減っていった。
私は別に何とも思わなかった。寂しいとか悲しいという感情が芽生えなかった。そこまで仲良かった訳でもないからかな?
焦凍はあの日から毎日のように特訓の日々。
とても辛そうだった。だからあの日私は
“焦凍の姉”として、父に初めて意見(反抗)した
『もうやめてあげて、焦凍が辛そう』
気づいたら体が投げ飛ばされており、それと同時に右頬に痛みを感じた。 父に殴られたのだ。
『お前みたいな失敗作品以外未満が俺に口を出すな!お前とは違ってこいつは成功作なんだ!
お前と違って可能性を含んでいるんだ!』
私は理解した。父とは”戸籍上だけの家族”だと。
そして、父は私達のことをモノとして扱っていることを。
それを理解してもなお私は何にも感じていなかった。
多分あの日この世界にNo.2ヒーローの娘として生まれた時から、【無個性】として診断された時から、私は間違えたのだろう…
コメント
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今回の作品も良いのになりそうな予感(っ ॑꒳ ॑c)あとneko.ねこさんの物語の書き方とか言葉選びとか、なんかこう惹き込まれる?というかそんな感じがして凄い好きです!うちそういうの出来ないので尊敬します✨️