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3 - 【カミアク】死ぬ間際に

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2023年07月31日

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カミキside


僕の腹部には、1本の包丁が突き刺さっている。目の前で荒い呼吸をしているアクアが刺したのだ。そろそろ僕は死ぬ。賢いアクアが実行した計画だから、僕が助かる勝算はないのだろう。でも、この世にいても人を殺すだけだから、生きていても意味がないのだから困らない。あの映画で色々と気づけた事もあったしね。


でも、やられっぱなしはフェアじゃない。アクアの記憶にこびり付くような、そんな言葉を遺して逝きたいと思った。


僕の顔をじっと見つめるアクアに笑みを零しそうになるが、ぐっと堪える。復讐が終わった事で安堵しているアクアの頬に手を添える。その瞬間、安堵した顔から恐怖に突き落とされた顔に変わった。その変化に底知れない快感を覚えながら、僕は最期のひと言を伝える。


カミキ)これで君も───人殺しだ


ぼんやりとした視界で、アクアの絶望した表情をみて、ふわふわとした眠気に身を任せた。



アクアside


『これで君も───人殺しだ』


死ぬ間際とは思えない程にはっきりとした声色でそう言い放ったカミキの言葉が頭から離れない。


人殺し。人殺し……ひとごろし?


アクア)っ───!!!!!


前世でも感じた事がないくらいの恐怖に支配された。


冷たくなっていく体温。

もう光が入らない瞳。

動かない身体。

聞こえない呼吸。

鳴らない心臓。

血だらけになった腹部。


───アイと同じだった。


アクア)ぁ、ぁ……あ゛ぁぁぁぁぁぁ!!!!!!


恐怖を身体から出すように叫ぶ。それでも全く消えないそれに壊れそうになりながら、声が枯れるまでずっと叫び続けた。



疫病神side


疫病神)最悪な結末だね


目の前で半狂乱に叫ぶアクアに同情しながらも、顔は愉快そうに笑っていた。


疫病神)可哀想なアクア。復讐相手である父親に恋情を向けられ、最悪な形で記憶に刻み込まれた


今のアクアに何を言っても聞こえない。それは私が姿を自由自在に操れるのもあるけど、それよりも恐怖から逃れるために叫び続けることしか頭にないのだ。


疫病神)やっぱり、優しい君には復讐なんて向いてなかったんだよ


アクアから目を逸らし、カミキヒカルへ目を向ける。心臓にそっと手をあて、魂を取り出す。


疫病神)カミキヒカルの魂はどうしようかな。アクアが頑張ってくれたから、もうこの世に生まれる事はないけど…後で決めればいっか


死んだ後だと言うのに、ふよふよとアクアの周りを愉快そうに飛び回る。趣味が悪すぎると思い、ため息をつく。暫くして気が済んだのか、私の方に寄ってくる。アクアにしか興味がないのか、今は大人しく私の手の中にいる。


疫病神)またねアクア。次に会う時には、まだ生きててね


もう掠れてか細い声しか出なくなったアクアから離れ、宮崎に帰ることにした。


終わり




リクエストして下さった方「さぶのなーさん」

ありがとうございます!

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