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カナを送り出して海の家に行き焼きそばとイカ焼き、飲み物にコーラを頼み適当な席に着いて海を眺める。
少し前の自分では考えられない生活を今送っているとこの景色を見て思う。カナを見つけなければ今もきっと何となくバイトして生活用品くらいを買うお金を稼ぎネットで戦姫大戦を眺めるだけのやらなきゃいけないことを放棄した、つまらない人生を送っていただろうが彼女に会ったことでミライソフトとかいうでかい会社と戦ったり、戦姫自体に詳しくなったり、放棄してたやる事に手をつけることになったり、気になること『天使創造計画』について知れたりと僅か数ヶ月でこんな色濃い時間を過ごすとは思わなかった。良くも悪くもあいつのおかげで僕はこうして外に出てるんだな。とはいえやはり何時になっても自分の戦姫がやられるかもしれないと思うと胸が苦しくなるな。
「お待たせいたいましたご注文の品です!」
若い女性の店員さんがそう声を掛けて焼きそばとイカ焼きが先にテーブルに置かれその後コーラも置かれた。
「ありがとうございます。」
そう声を掛けながら店員の方を向くと見覚えのある人物がそこにいた。
「あれ?もしかしてリナくん?」
「君は確か………。」
「あっ!もしかしなくても覚えててくれてるんだ!私、『フミカ』!二階堂史華だよ!」
彼女は中学時代基本誰とも会話を交わそうとしなかった僕の口を強制的に開かせた昔の友人だ。ちなみにユウナとも仲がいいからこの性格なんだろうなとは思う。
「二階堂さんこんにちは。君はここでバイトしてるの?」
「まーね!この時期はここの店長さんにヘルプとしてよく呼ばれるからね!それよりリナくんがこんなとこにいる方が驚きだよ!中学の時そんなにわちゃわちゃするタイプじゃないのは知ってるからねぇ…。もしかしなくても年月経ってイメチェンした?」
「別にそうじゃないよ。最近はちょっといざこざに巻き込まれてね…。他の子達に連行されて来たって感じ。」
「アンタにも友達っているんだね!」
「数少ない友人だよ。二階堂さんに関しては友達と言っていいのか怪しいけどね。ほら、一方的には話しかけてくれたけど僕それとなく流してたし…。何より連絡だって長い間してないからね」
「私はずっと友達だと思ってるんだけどなぁ?」
「そっか、それはありがとう。」
「それで?そのほかのお友達って?」
「人目も気にせずあそこでプロレスしてる男女だよ。」
そういい指さした先では助走をつけて思いっきりドロップキックするユウナとそれを喰らって海に突き出されるアキトがタイミングよく見れた。
「おー!残念なイケメンって言われてるアキトくんに我が友ユウナではないかぁ!」
「僕は泳げないのでここで二人が楽しんでるのを眺めてるんだよね。」
「一人で寂しいんじゃない?」
「別に…。いつもの事だから特に気を使わなくてもいいよ。」
「まーそう言わずに!こうして久しぶりに会えたんだしちょっと私と話そうよ!」
「貴女はバイト中なんだから仕事に戻りなさい。」
「てんちょー!数年ぶりの友人が偶然居たんで少し話しててもいいですかぁ!!?」
「おう!この時間は比較的人も少ないから俺らだけで回せるぞ!」
「あざっすー!ていうわけで許可降りたんで話そっか?」
「特におもろい話とか僕持ってないぞ?」
「その場合は私からの話を聞いてもらおうかな」
「マジかよ……。」
リナが昔の友人と話してる同時刻。アキト達の近くで遊ぶ戦姫の姿があった。
「これが砂浜って言うやつか…。だいぶ足取りが重たいな。」
「これが足を取られるっていう状況よ。アンタはまだランクが上がったばっかりだから見てないかもしれないけど海ステージもあるからその為に慣れておくのも大事って訳。」
「踏ん張りが効かないから動き出しに少しラグが起きるけど、でもこれブースター使えば解決じゃない?」
「よーく考えろカナ。今までのお前の戦姫大戦では簡単な前転なりで弾除けをした事もあったはずだ。その理由は幾つかあるだろうがその理由の一つに少しでもENを節約するということが含まれてるはずだ。」
「まぁ確かに…。ENが尽きたら攻撃も何も出来なくなるからね。 」
「無意識のうちにそういう行動をとってるわけだが、その無意識でやっている回避を本番でやろうとした時普段よりもテンポが遅くなり被弾率が上がるなんてことは上のランクにいるやつみんなが経験してる事だ。ブースターで解決出来ても結局継戦能力は落ちてしまうからこの砂場での踏ん張りの練習は大事なんだよ。」
「さすが『砂塵の虎』の異名を持ってるフウカさんは違いますな。」
「私がそんな名前で呼ばれるようになったのも砂漠での戦闘が当時頭一つ抜けていたからだ。まぁ今じゃ大抵の奴は私と渡り合えるくらいには砂漠のステージ理解は深まってるみたいだがな。」
「私はそんな踏ん張りとかやってられないからアキトに無理言ってサブにEN増量タンクを装備させてもらってホバーによる移動と私の好きなビット攻撃でなしあがったけどね?」
「ミナと私では考え方もスタイルも逆だから参考になる箇所ならない箇所があるだろうがカナは近距離型だと自覚してるんだろ?なら、私みたいに砂場を楽々駆け回れるくらいの感覚を掴んで暴れるといいさ。」
「じゃあ訓練も兼ねてまずはシンプルに鬼ごっこ的なのをやろうよ!」
「子供か!」
「私らの設定は17歳だから子供だよ!」
「戦姫自体の設定の話ではなくやろうとしてる行動に対してツッコミを入れたんだボケが!」