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少女戦姫

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少女戦姫

48 - 参章 変わった二人

2025年09月01日

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「リナくんは今何してるの?」

「僕は都内のマンションで一人暮らししてるよ。家賃とかは母さんが定期的に僕の口座に振り込んでくれるからそこまで生活が困窮してるわけじゃないけど、人として腐るのが嫌でフリーターとしてだけど今は働いてる感じだね。」

「進学はしなかったんだ?」

「まぁ、ちょっと個人的にやりたいことがあったからね。その為に一人暮らしもしてるから。」

「へー、てっきり進学してるもんだと思ってたんだけど違うのかぁ。」

「そういう二階堂さんは大学生なの?」

「うん!とは言っても私別に勉強ができる訳でもないから適当な大学に通っててバイトをしてお小遣い稼いでたりするんだ。」

「何かやりたいこととかなかったの?」

「特に思い浮かばなかったからこそ大学行ってみて何かできるかなって。」

「じゃあ今はその何かができた感じ?」

「まぁそうだね。今は戦姫について勉強してるんだ。」

「どっか有名な戦姫メーカーに就職を?」

「最初はそうだったんだけど今はちょっと違う。戦姫が有名になったのはある会社がそれを造り上げたからってどこかで聞いてそれを知るために戦姫について勉強してるんだよね。」

「今でこそ社会に溶け込んでる戦姫だけど目的については実は知られてないもんね。」

「今は『戦姫大戦』ていう一種の競技になってるからその為に生まれてるような気がするけど本当はもっと違う理由で生まれたのかとか、ちょっと気になっててね。」

「疑問に思える時点で凄いね。僕は特にそういうこと考えたこともしなかったからさ。」

「そ、そう?でも、こうやって考え出したのは偶然見つけたある記事なんだよね。」

「ある記事?」

「少し前にあったモールでの事件知ってる?」

「……さ、さぁ?」

「戦姫メーカーのミライソフトが突然モールを封鎖して大掛かりなバトルスポットの点検をしたって話。結局それは嘘でそこにあったバトルスポットから利用者の個人情報を引き抜いたり、危険性の高い新しいバトルスポット『SFC』の実験としてそのモールを使った事件。これを引き起こしたのはそのエリアを担当していた『ミシマ』という人物。彼はこの件に関して『新たな戦姫の可能性を確かめるべくこのようなことを起こした。利用者には大変迷惑をかけたことを心より謝罪しております。』と話してるんだけど、この人の言う『戦姫の可能性』という言葉が引っかかって私は戦姫自体に焦点を当てて調べてるんだ。」

「そう…なんだ。それで?何か分かったこととかあるの?」

「まず一つ、今回の件の責任者ミシマさんの話していた『新たな戦姫の可能性』とは【覚醒】というスキルのこと。次にそれを調べていくと『天使』という戦姫が昔巷で話題になり実際にニュースになるほどの大事になってたこと。そしてその天使を倒したのは『悪魔』という名をした戦姫だったこと。最後にこの天使という戦姫を生み出した会社はこの事件と共に消えたことと悪魔という戦姫を作った会社は不明だということ。この辺はずっと隠されてきてる。ネットの海に転がってると思ってたけど見つかるのはこの事件だけで概要はどこにもなくただ事実として『天使』と『悪魔』が居て『天使を止めるために悪魔が立ち上がり事なきを得た』というものしかない。なんの会社が何の目的で天使と悪魔を作り出したのかがずっと謎に包まれてるんだ。私はそれが気になって今ずっと調べてる。でも、正直手詰まりなのは確か。同じ内容のネット記事しかなくて進展はなし。」

「…そっか世の中そう上手く行かないもんだよね。でも、やりたいことが見つかったのはいい事だと思うよ。僕はそんな思いとかあんまりないからさ」

「そういえば今私戦姫について話したけど、リナ君って戦姫知ってたっけ?」

「まぁちょっと色々あって僕も戦姫を持ってるんだよね。」

「へぇー!昔は戦姫大戦見るのが好きだったけど頑なに戦姫を買おうとか思ってなかったのにね!」

「今もその気はなかったんだけど本当に色々あって持つことになったんだよね。」

「それで戦姫大戦は楽しい?」

「まぁ楽しいと言えば楽しいけどやっぱり少しでも愛着がある分傷つくと僕もちょっとモヤっとはしちゃうんだよね」

「やっぱリナ君は優しい人だよね。人とあんまり接することが少なかったのはもったいないと思うけど。」

「まぁあの時はそうする理由を言語化できなかったけど今ならできる、きっと僕は自分が傷つくのが嫌だったんだと思うんだよね。裏切られるとか失う怖さとかそういうもしもに恐れていて人と接することを極端に嫌ってたんだと思う。もちろん今もその傾向があるけど昔よりかはマシになったとは思ってるかな。」

「そっか……。リナ君も変わったね。」

「あれから数年は経ってるから多少はね?」

「みんなとはここに何しに来たの?」

「さっき話した通り戦姫を僕が手に入れたことで色々あったんだけどその中で新人大会に僕が出てそこで優勝したんだよね。それの優勝賞品としてここに二泊三日で泊まりに来たって感じだね。」

「へぇー!それじゃあタイミングが良かったかも!」

「タイミングが良かった?」

「実は今日と明日でお祭りがあるんだけど都会と違って結構大きいお祭りだからみんなも楽しめるものがあるんだよね!しかも最近はその戦姫が日常に溶け込んでるからあのお祭りにも戦姫大戦が取り入れられてて街おこしても使われてるんだよ!今年なんかは限定装備とかも用意してるからより盛り上がりを見せると思うんだよね!」

「そっか、時期的にちょうどいいんだね。それじゃあ今日の夜にでも行こうかな。」

「お祭りの開催場所分かるの?」

「……。わかんないね。」

「なら、私も一緒に行ってあげる!他二人にもそうやって伝えておいて!」

「分かった。それじゃあまた夜どっかで待ち合わせして会おうか。」

「泊ってる場所だけ教えてくれれば私迎えに行くよ!この辺には毎年来てるからある程度地理に詳しいしね!」

「じゃあお言葉に甘えてそうさせてもらおうかな。」

注文した品物を食べ終え少し団欒した後彼女は再び業務に戻りリナも二人の元に戻っていく。

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