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コメント
3件
⭐️キラリさんのお名前をこちらで見つけて読みに来ました、続きが読めると思うととても楽しみです💓よろしくお願いします😻
2人とも打合せ通りに答えれば大丈夫だよね👌無事乗り切れますよーに🙏
二人の健闘を祈ります😌🙏
すっかり怒りに捕らわれて興奮しきったクルド系男性は近くにあったプラスチックの椅子を掴み、カウンターに叩きつけた
ガシャ――ン! 「キャー!」
待合室にいた女性が悲鳴を上げ、子どもが母親の背中に隠れた ざわめきが一気に広がり、緊張が空気を支配した
カンッ! 「警備班!!この者を強制送還しますっっ!!」
審査官が、法槌で使うような木槌を力強くカウンターに叩きつけた
その声は、まるで裁判の判決を下すかのように重々しかった、バタンッとドアが勢いよく開き、屈強な体格の警備員二人が飛び込んできた
彼らは瞬く間に今や椅子を所かまわずぶつけて暴れるクルド系男性を取り押さえ、手錠をはめた
「チキショーーーッ!離せ!離せ――!」
男性は暴れながらも警備員に引きずられ、廊下の奥へと消えていった
その叫び声が遠ざかる中、待合室は一瞬静まり返った、審査官は、こんな事は日常茶飯事だとでも言いたそうに、何事もなかったかのように声を張り上げた
「いかなる理由でも、書類に不備がある者、犯罪履歴がある者には、この国に長期在留資格は降りません!逆らう者はあの様に逮捕されます!わかりましたか? ハイッ、次!」
ざわざわと、待合室に緊張の波が広がった、桜は自分の心臓がドクドクと脈打つのを感じていた、なぜならあのクルド系男性がジンの姿と重なったからだ
もし自分達が企てている「偽装国際結婚」がバレれば・・・・
彼もあんな風に手錠をかけられて、母国行きの飛行機に放りこまれて・・・
強制送還・・・
彼女は今や唇を軽く噛み、書類を握る手に力を込めていた
もしバレたらどうしよう・・・私達はもしかしてとんでもなく無謀な事をやろうとしているのかもしれない
不意に桜は横に突っ立っているジンを見た、すると彼も真っ青な顔をして連行されていく男性を見つめていた、そしてゆっくりジンが桜を見た、二人の考えていることは同じだった
二人の視線が交錯した・・・
心の中で自分達もあの男性と同じような運命が訪れるのではないかという恐怖が、冷たく這い上がってくるのだった
「い・・・行こうか・・・」
「・・・ハイ・・・」
二人は顔を見合わせ、ゆっくりと受付カウンターへと歩を進めた